今回は教科書は使わず、鳥取県の観光案内ウェブサイト「とっとり旅の生情報」を使って、日本語を指導する例を紹介します。対象者は中級後半〜上級の学習者です。

指導項目

⑴指導項目
①聴解におけるスキャニングとスキミングのトレーニング
②砂丘や砂丘の説明に必要な語彙の指導
③シャドーイングによる正しい発音の練習

(2)学習目標(CAN-DO)
①日本の観光地の1つ鳥取県の鳥取砂丘ついて理解を深めることができる。
②音声ガイドを聞いて、鳥取砂丘の魅力や砂丘での楽しみ方を聞き取ることができる。

音声ガイドはこちらからダウンロードできます。
http://www.tottori-guide.jp/files/1802.mp3

(3)トピック
日本の観光地:鳥取砂丘

(4)導入語彙

 魅力、東部(西部)、迫力、海岸沿い、雄大な、砂丘
※前作業で導入しない語彙は本作業で意味を確認したり、質問があれば説明する。

前作業

T:みなさんに質問です。 みなさんが、好きな都道府県はどこですか? 行ったことがある場所でもいいし、行きたい場所でもいいので、教えてください。
S: 京都です。大阪です。 など
T:じゃあ、京都の魅力ってなんですか?
S: 魅力??
T:「うわぁ~、京都っていいな~、大阪っていいな~」っていう気持ちにさせる ものは何ですか?
S: 古い建物があります。 日本の文化を感じることができる。 など。
T: いいですね。 うわぁ~、いいな~ていう気持ちにさせるものを「魅力」といいます。 京都には古い建物がある、日本文化を感じることができる、などの魅力があります。 じゃあ、S1さん中国と魅力を1つ教えてください。
S:歴史がある建物が多いです。 など。
T:そうなんですか。いつか行ってみたいですね。 じゃあ、S2さん韓国の魅力を1つ教えてください。
S:おいしい食べ物がたくさんあります。
T:あ~、キムチとかトッポギとかスープとかたくさんありますよね。

T:じゃあ、今日は鳥取県という場所の魅力を紹介します。 みなさん。鳥取県に行ったことはありますか? S:あります。/ないです。
T:じゃあ、鳥取県はどこにありますか?探してください。 鳥取県は漢字でこう書きます。(板書)
S:(鳥取県を探す)
T: ありましたか? どこにありますか?
S: はい。兵庫県の隣にあります。
T: そうですね。兵庫県の隣にありますね。こんな形をしています。 結構、大阪から近いですね。 じゃあ、鳥取県はどんな場所だと思いますか?何が有名だと思いますか?
S: 鳥?
T:「鳥」という名前があるからですか?鳥は有名じゃないですね。 鳥取県の上には何がありますか?
S: 海です。
T:そうですね。海があります。鳥取県には浦富海岸と呼ばれるとても美しい海岸 があります。こんなところです。
T:浦富海岸は鳥取県の「東部」にあります。東部ってどこですか?
S: 東の方です。
T:そうですね。東の方です。漢字で書くとこう書きます。 じゃあ、東の反対は?
S:西?
T:そうですね。西です。だから西の方は「西部」と書いて、「せいぶ」といいます。 浦富海岸は鳥取県の東部・・・・この辺にあります。

T: 浦富海岸の周りには大きな岩がたくさんあって、船で近くまで行くことができます。 岩は近くで見ると、とても大きいので「うわ、大きいなっ」とか、 「うわ、すごいなっ」って、すごい力強さ、パワーを感じることができます。 この「うわ、すごいなっ!」と感じさせる強い力のことを「迫力」といいます。例えば、みなさんアクション映画見たことありますか?
S:あります。/ないです。
T: アクション映画を見ていて、「うわっ」とか「すごいっ!」ってビックリするような 場面は無いですか? 例えば・・・建物が爆発するとか。
S:あります。
T:ありますよね。見てて、「うわ、すごいなっ!」、「パワフルだな~」って感じない ですか?
S:感じます。
T:その、見たり聞いたりして、「うわ、すごいなっ!」って感じさせる力が 「迫力」です。アクション映画は迫力があります。じゃあ、みなさん、最近、見た映画やスポーツ、その他、「あれは迫力があったなぁ」 とか「あれは全然迫力がなかったなぁ」、と思うようなことはありましたか?
S:最近見た○○という映画は迫力がありました。 最近見た○○の試合は迫力がありました。 など
T:そうですか。いいですね。
T:浦富海岸ではアクション映画のように爆発はしないですが、船が波で揺れるし、 岩の近くまで行くと、とても岩が大きくて、こんな大きな穴の中にも入るので、 とても迫力があって楽しめます。

T:鳥取県には今、紹介した美しい海岸の他に、有名な山があります。 大山という大きな山です。 浦富海岸からは、海岸沿いを進んでいき、少し中に入った・・・この辺に あります。 この海、海岸に近い道のことを海岸沿いといいます。
T:大山の高さは1729mのとても大きな山で、山の上からはとても、 広ーい景色を、楽しむことができます。こんな景色です。
T:みなさん、今までどこかの山に登ったことはありますか?
S:あります。
T: そうですか。どんな山ですか?
S: ○○という山です。
T:へぇ、じゃあ、山の上からはどんな景色が見えましたか?
S:美しい景色/ 町がたくさん見えた。 など
T:いいですね。山の上からだと、たくさんの町が見えたり、大きな空が見えたり、 広ーい、大きな景色を見ることができますよね?
S:はい、見れます。
T:この、とても広くて大きな景色を「雄大な」景色といいます。 鳥取県の大山でも、雄大な景色を楽しむことができます。
T:じゃあ、、、「雄大な」の後ろにはよく「景色」という言葉が使われますが、 その他にどんな言葉が入ると思いますか?(とても大きくて広ーいものです。)
S:海? 空? など
T:そうですね。海や空はともて広くて大きいですね。 だから、「雄大な海」や「雄大な空」というこができます。 じゃあ、S1さん、中国では雄大な何を見ることができますか? S: 万里の長城です。
T:なるほど。雄大な万里の長城は中国でしか見れないですね。 じゃあ、S2さん、韓国では雄大な何を見ることができますか?
S:夜景です。
T:へぇ。どこで見れますか?
S: Nソウルタワーの上から見れます。
T:いいですね。一回行ってみたいですね。
T: 鳥取県には今、紹介した山や海岸の他にも、倉吉という古い建物がある町や 「ゲゲゲの鬼太郎」という妖怪のアニメで有名な町があります。

T: でも、鳥取県の一番の魅力は、鳥取砂丘という観光地です。 鳥取砂丘は鳥取県のシンボルです。鳥取県の代表、鳥取県と聞いて みんながイメージできるものです。こんな場所です。砂丘は「砂の丘」と書いて砂丘と言いますが、 どういう意味かわかりますか?
S:わかりません。
T:じゃあ、丘って何か知っていますか?
S: 低い山?
T:そうです。丘は低い山のことです。 砂丘は砂の丘と書きますから、砂でできた丘(低い山)のことです。 じゃあ、鳥取砂丘って鳥取のどこにあるんでしょうか?どんな魅力があるので しょうか?今日はみなさんと鳥取県の観光地、鳥取砂丘について勉強したいと思います。


本作業(聴解1回目)

T:じゃあ、今から音声を聞きます。女の人が鳥取砂丘の説明をしています。 まずはウォーミングアップです。短い文章を聞いて練習します。 難しい言葉も出てくるかもしれませんが、次の2つに注意して聞いてください。

板書

1.鳥取砂丘は鳥取のどこにありますか?

2.鳥取砂丘の大きさはどれくらいですか?

(音声 14秒)
鳥取のシンボルといえば、鳥取砂丘。鳥取市東部の海岸沿いに 東西およそ16km、南北およそ2kmの大砂丘が広がります。

T:はい。答えがわかりましたか?もう一度聞いたいですか?
S:いいえ。
T:じゃあ、S1さん。鳥取砂丘は鳥取のどこにありますか?
S:東です。 東部です。 など。
T:東部のどこって言ってましたか?
S:東部の海岸沿いです。
T:はい、そうですね。鳥取市東部の海岸沿いと言っていましたね。 鳥取砂丘はこの辺りにあります。じゃあ、S2さん。鳥取砂丘の大きさはどれくらいですか?
S:東西およそ16km、南北およそ2kmです。
T:はい。そうですね。東西およそ16km、南北およそ2kmですね。じゃあ、「およそ」ってどういう意味ですか?
S:「くらい」、「だいたい」という意味です。
T:はい。そうですね。東西16kmくらい、南北2kmくらいなのでとても大きいですね。じゃあ、今から音声を全部聞いてもらいます。 聴いてほしいところは2つです。 難しい言葉がいくつか出てくるかもしれませんが、次の2つに注意して聞いてください。

  音声は少し早く、かつ、難しい言葉も多いので、リスニングが難しそうであれば、Tがゆっくりスクリプトを読んで答えを考えさせる。
板書

1.鳥取砂丘の一番の魅力は何か?

2.鳥取砂丘でどのように楽しむことができるか?(3つのスポーツ)

T:鳥取砂丘にはどんな魅力があるのか、鳥取砂丘で楽しめるスポーツには どのようなものがあるか、注意して聞いてください。 音声を聞いた後で、みなさんに答えてもらいますからメモをとってください。じゃあ、音声を聞きましょう。

(音声 1分43秒)

T:わかりましたか?もう一度聞いたいですか?
S:いいえ。
T:じゃあ、今からグループになって答えを考えましょう。 S1さんと、S2さんが同じグループ、 S3さんと、S4さんが同じグループ、 S5さんと、S6さんが同じグループです。 どんな答えか、相談してください。

S:(学習者同士で答えを相談 1分30秒)
T:(机間巡視)
T:はい。みなさん、答えがわかりましたか。 じゃあ、鳥取砂丘の魅力は何と言っていましたか? S3さん、どうですか?
S:迫力ある広さと自然の美しさ。です。
T:他の人はどうですか?
S:(他のSも回答)
T:はい。 鳥取砂丘の魅力は何と言っても、迫力ある広さと自然が織りなす美しさと言っていましたね。「自然が織りなす美しさ」っと、ちょっと難しいことばが使われていました。 「織りなす」ってどういう意味が変わりますか?
S:わかりません。
T:とても難しい言葉です。これを見てください。これは鳥取砂丘です。さっきの写真と何か違いますね?どこが違いますか?
S: 形が違う?
T: そうですね。砂が波のような形をしていますね。鳥取砂丘は毎朝、形がこんな風に変わります。これはどうしてだと思いますか?
S:わかりません。 誰かがやっていますか?
T: これは誰かがやっているのではありません。
T: 夜、人がいないときに、風が吹いて、砂が動いて、こんな形を作っています。 自然の力がこういった形を作る・デザインすることを「自然が織りなす」 といいます。難しい言葉ですね。

T:じゃあ、鳥取砂丘での楽しみ方、音声では3つ言っていました。 S4さん、1つ目は何ですか?
S:パラグライダーです。
T:そうですね。パラグライダーです。 じゃあ、S5さん、2つ目はなんですか?
S:ハンググライダーです。
T:そうですね。 じゃあ、S6さん3つ目はなんですか?
S:サンドボードです。
T: そうです。合っています。他の人も同じ答えですか?
S: はい。
T: いいですね。
T: みなさんこの写真を見てください。これがハンググライダー、パラグライダー、 サンドボードです。 みなさん、ハンググライダーとパラグライダーはTVやネットで見たことありますか?
S:あります。/ないです。
T:そうですか。 ハンググライダーとパラグライダーはこの写真のように空を飛ぶための道具を、付けて、空を飛ぶスポーツです。これらの道具をつけて、坂道を走っていき、ジャンプすると空を飛ぶことができます。
T:じゃあ、サンドボードですが・・・みなさん、スノーボードは知っていますか?
S:はい。知ってます。
T:じゃあ、スノーボードはどこを滑りますか?
S:雪の上です。
T:そうですね。雪の上です。雪は英語で何ですか?
S:スノーです。
T: はい、そうですね。雪(スノー)の上を板(ボード)を使って滑るスポーツを スノーボードといいます。じゃあ、サンドボードはわかりますね。 英語のサンドはどういう意味ですか?
S:砂です。
T:はい。そうです。砂ですね。ですから、砂の上を板を使って滑る スポーツです。ボードをつけて、急な坂道、(「急こう配」といいます)を滑っていきます。

本作業(聴解2回目)

T: じゃあ、今聞いた文章を書いたプリントを配ります。 言葉が書いていないところが、いくつかあります。もう一度音声を聞きますので、どういった言葉が入るか、聞いて答えを 書いてください。

(音声 1分43秒)

S:(答えを記入)
T:では、答えを確認します。 じゃあ、S1さん、1番の答えはなんですか?
S:「雄大な」です。
T:他の人はどうですか?
S:(他のSも回答)
T: はい、いいですね。合っています。
T:じゃあ、S2さん、2番の答えはなんですか?
S:「魅力」です。
T:他の人はどうですか?
S:(他のSも回答)
T: はい、合っています。
T:じゃあ、S3さん、3番の答えはなんですか?
S:「味わう」です。
T:他の人はどうですか?
S:(他のSも回答)
T:はい、じゃあ「味わう」ってどういう意味ですか?
S: わかりません。
T:「味わう」は漢字でこう書きます。(板書)
T:「味」という漢字が入っていますね。普通は食べ物を食べるときによく使われます。 例えば、「昨日、私は寿司屋さんで、マグロやタイなどを味わって食べた。」(板書)
T:どういう意味だと思いますか?
S:味を感じる? よく噛む? など
T:そうですね。食べ物を噛んで味の良さ、おいしさをしっかり感じることです。 でも、今回は 「日本にいるとは思えない、気分を味わうことができる」(板書) 「気分」は食べ物じゃないですよね。気分を食べることはできないですよね? 「味わう」という言葉は「味」という字が入っていますが、食べ物じゃないときも使えます。この文ではどんな意味だと思いますか?
S:日本にいるとは思えない気分を楽しむ(感じる)ことができる。
T:そうですね。他の国にいるような気分を楽しむ、感じることができるという意味です。「味わう」には楽しむや感じるという意味があり、食べ物以外にも使われますので覚えておいてください。
T:じゃあ、みなさんで一度言いましょう。「日本にいるとは思えない、気分を味わうことができる」 はい。
S:「日本にいるとは思えない、気分を味わうことができる」
T:じゃあ、S4さん、4番の答えはなんですか?
S:「体験する」です。
T:他の人はどうですか?
S:(他のSも回答)
T: はい、合っています。 じゃあ、「体験する」ってどういう意味ですか?
S: 実際にすること。/それをすること。
T:そうですね。パラグライダーやサンドボードをやってみることができるということですね。 はい、みなさん、ちゃんと聞けていますね。


後作業

シャドーイング

T:じゃあ、みなさん、さっき配った音声のプリントを返してください。 (Sからスクリプトを回収する)
T:最後にみんなでシャドーイングをします。 みなさん、やったことありますよね? シャドーイングは音声の後に続いて、すぐにその音声と同じことを言うことですね。最初に私がやります。 みなさん、できそうだったら、途中から参加してください。

(音声)
T:(Tによるシャドーイング。Sに参加を促してみる。)
S:(Tの真似をしてシャドーイングを実施する。)
T:はい、じゃあ、最初から全員でやってみましょう。 少し恥ずかしい人は、小さい声で言ってもいいですから、頑張って声を 出してください。

(音声 1分43秒)
S:全員によるシャドーイング
T:はい、いいですね。

締めくくり

T:シャドーイングは、テレビやラジオ、その他に、駅のアナウンスなど どこでもできますし、発音の練習や、聴く練習になりますから、 みなさん是非、家に帰って練習したり、駅やお店でアナウンスを聞いて、 練習してみてください。 また、今日、鳥取砂丘のことを勉強して、少しでも鳥取に行ってみたいな、と思った人は、是非、一度行ってください。 そして、雄大な砂の世界を味わってみてください。とても迫力がありますよ。 はい、じゃあこれで私の授業は終わりです。 ありがとうございました。

スクリプト

鳥取のシンボルといえば、鳥取砂丘。鳥取市東部の海岸沿いに東西およそ16km、南北およそ2kmの大砂丘が広がります。 その雄大な自然の造形美を見ようと、県内外から多くの観光客が訪れる、鳥取が誇る観光地です。

鳥取砂丘の魅力は何といっても、迫力ある広さと自然が織りなす美しさ。車を降りてすぐ、砂丘に向かう階段を登り切ったその先には、 思わず「わぁ~」っと声をあげてしまうほどの雄大な砂の世界が広がります。

ラクダの背中に揺られれば、日本にいるとは思えない気分を味わうことができますよ。鳥取に住む私たちでも、何度でも、足を運びたくなる。そんな、魅力が鳥取砂丘にはあります。

また、鳥取砂丘には楽しみ方も色々。砂丘には馬の背と呼ばれる、小高い丘があり、ハンググライダーやパラグライダーを体験することができます。 目の前に広がる青い空に向かって、日本海の風を受けて飛び立つ開放感は最高。

また、最近話題の砂丘のニュースポーツがサンドボード。鳥取砂丘から日本海へ斜度30度の急こう配を一気に、滑りおります。 空、海、そして砂。鳥取大砂丘の楽しみ方はみなさんの想像以上。

練習問題(学習者へ配布する虫食い版のスクリプト)

鳥取のシンボルといえば、鳥取砂丘。鳥取市東部の海岸沿いに東西およそ16km、南北およそ2kmの大砂丘が広がります。 その     自然の造形美を見ようと、県内外から多くの観光客が訪れる、鳥取が誇る観光地です。

鳥取砂丘の     は何といっても、迫力ある広さと自然が織りなす美しさ。車を降りてすぐ、砂丘に向かう階段を登り切ったその先には、 思わず「わぁ~」っと声をあげてしまうほどの雄大な砂の世界が広がります。

ラクダの背中に揺られれば、日本にいるとは思えない        ことができますよ。 鳥取に住む私たちでも、何度でも、足を運びたくなる。そんな、魅力が鳥取砂丘にはあります。

また、鳥取砂丘には楽しみ方も色々。砂丘には馬の背と呼ばれる、小高い丘があり、ハンググライダーやパラグライダーを     ことができます。 目の前に広がる青い空に向かって、日本海の風を受けて飛び立つ開放感は最高。

また、最近話題の砂丘のニュースポーツがサンドボード。鳥取砂丘から日本海へ斜度30度の急こう配を一気に、滑りおります。 空、海、そして砂。鳥取大砂丘の楽しみ方はみなさんの想像以上。

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