目次
使用教材
げんき1 初級日本語
GENKI: An Integrated Course in Elementary Japanese I [Second Edition] 初級日本語 げんき I [第2版]
できるようになること (Can-do)
・物や場所の位置を聞いたり、示すことができる
・過去のできごとについて話すことができる
・過去の習慣について話すことができる。
文法を教える前に
第4課の会話ビデオを見せて、この課でどういったことを学ぶのか考えさせる。
動画はこちらからダウンロード可能
語彙の導入
新出語彙は事前に宿題として、読む練習+暗記をしてきてもらう。ただし、数が多く学習者の負担になる場合は、必要最低限覚えてきて欲しい単語をこちらから提示する。
授業のはじめに、絵カードを見せて、Tのリピート、 Sだけといった流れで習熟度を確認する。絵カードは自作が面倒な方には、教科書準拠の絵カードが出版されているので、こちらを使うことをオススメする。
げんきな絵カード1
文法の導入
1. Xがあります / います
導入
T:これは何ですか?
S:消しゴムです。
T:そうですね。(消しゴムをどちらか一方の手の中に隠し、Sに見せて)
T:はい、消しゴムは?
S:これ?
T:はい、消しゴムがあります。 / 消しゴムがありません。
T:ここはどこですか。
S:教室です。
T:(教室の中を見て)椅子があります。机があります。時計が?
S:あります。
T:WBが?
S:あります。
T:(鞄をさして)S1さん?
S:鞄があります。
T:(町の写真を見せて)この町にスーパーがあります。S1さん?
S1:この町にデパートがあります。
T:S2さん?
S2:この町に病院があります。
同様に他の学習者にも質問する。
T:ここはどこですか。
S:教室です。(教室と言う言葉が分からない場合は導入する。)
T:そうですね。教室に机があります。椅子があります。S1さんがいます。S2さんがいます。
練習
●物や人、動物などの絵をみせて、「あります」 or 「います」を答えさせる。
●町やお店などの絵を見せて、「〜があります。/ 〜がいます」を答えさせる。
●Q&Aで練習
・この教室に何がありますか。
・S1さんのうちにテレビがありますか。
・S1さんのうちに猫がいますか。 など
2. Describing Where Things Are
●最初に方向に関する語彙を導入する。それから、2課で勉強した「〜はどこですか」、「あそこです」を復習した後で、文型の導入に入る。
導入
T:S1さん、時計はどこですか。
S1:そこです。
T:S2さん、S5さんはどこですか。
S2:あそこです。
_________は どこですか。
ここ/そこ/あそこです。
T:(町の地図をWBに書いて)デパートAはどこですか。
S:右 郵便局です。
T:郵便局の右です。銀行はどこですか。
S:公園の左です。
_________は どこですか。
__________は Placeの directionです。
T:デパートBはどこですか。
S:スーパーとホテル間です?
T:スーパーとホテルの間です。
_ ________は どこですか。
__________は Placeの directionです。
_____は Placeと Placeの あいだです。
練習
●地図を見せて文章を作らせる。
T:S1さん、スーパーはどこですか。
S1:銀行の隣です。
T:S1さん、S2さんに。
S1:S2さん、公園はどこですか。
S2:郵便局の隣です。
●会話1
ペアで会話1を読ませたり、CDを流して、オーバーラッピングやシャドーイングを実施する。
3. Past Tense
●時を表す言葉を導入前に確認しておく。
導入1(一般動詞の過去形)
T:これはなんですか。
S:カレンダー?
T:はい、カレンダーです。私のScheduleです。私は明日、勉強します。あさって勉強します。昨日、勉強しました。おととい勉強しました。
T:(MYカレンダー見せて)私は明日、テレビを見ます。昨日、テレビを見ました。おととい、テレビを見ませんでした。
_________は あした べんきょうします。 / _________は あした べんきょうしません。
__________は きのう べんきょうしました。 / __________は きのう べんきょうしませんでした。
Affirmative | Negative | |
Present / Future tense | べんきょうします | べんきょうしません |
Past tense | べんきょうしました | べんきょうしませんでした |
練習
●動詞の絵カードを見せて、現在形(肯定・否定)、過去形(肯定・否定)で答えさせる。
●絵カードを見せて文作り
T:(「起きる」と「昨日」の絵カードを見せて)昨日、8時に起きました。
導入2(be動詞の過去形)
T:(写真を見せて)山下さんです。山下さんは今、先生です。
T:(10年前の写真を見せて)山下さんです。10 years agoです。
T:山下さんは学生でした。山下さんの専門は?(絵カードを見せて)
S:英語です。
T:英語でした。
T:私は昨日、本を書いました。これです。(本の値段を見せて)500円?
S:500円でした。
T:S1さんは今、大学生ですか。
S:いいえ、大学生じゃありません。
T:3years ago?大学生でしたか?
S:はい、大学生でした。
T:専門は英語でしたか?
S:いいえ、英語じゃありません。
T:英語じゃありませんでした。
他の学生にも同じような質問をする。
_________は _________です。 / _________は _________じゃありません。
_________は _________でした。 / _________は _________じゃありませんでした。
Affirmative | Negative | |
Present / Future tense | 〜です | 〜じゃありません |
Past tense | 〜でした | 〜じゃありませんでした |
練習
●「です」、「でした」、「じゃありません」、「じゃありませんでした」のリピート練習
●Q&Aで練習
T:S1さんの専門は歴史でしたか。
S1:はい、歴史でした。
T:S1さん、S2さんに。
S1:S2さんの専門は歴史でしたか。 ※ の部分は変えても良い。
4. たくさん
導入
T:私は昨日、野菜を食べました。(山盛りの写真を見せて)野菜をたくさん食べました。
T:(写真を見せて)佐藤さんです。佐藤さんは昨日、京都へ行きました。写真を撮りました。(大量の写真を見せて)佐藤さんは写真をたくさん撮りました。
T:(写真を見せて) 黒田さんです。黒田さんは昨日、スーパーへ行きました。りんごを買いました。(大量のりんごを見せて)黒田さんは?
S:りんごをたくさん買いました。
_________は りんごを たくさん 買いました。
= _________は たくさん りんごを 買いました。 is also ok
練習
●文作り:名詞+たくさん+動詞で文を作らせる。慣れてきたら、名詞だけ、動詞だけで文を作らせる。
5. 一時間
●数字と時刻の復習をしてから導入する。
導入
T:(WBに 5:00と板書して)何時ですか。
S:5時です。
T:(WBに 6:00と板書して)何時ですか。
S:6時です。
T:(WBに5:00〜6:00と板書して)1時間。
同じように、時刻を書いていき、2時間、3時間と言っていく。2、3例あげれば生徒も理解するので、それ以降、生徒に「〜時間」と答えさせる。
2時間:two hours
3時間:three hours
T:私は昨日、テレビを見ました。1時間見ました。
T:私はおととい、勉強しました。3時間、勉強しました。
T:私は昨日、夜11時に寝ました。朝8時に起きました。??
S:9時間寝ました。
練習
●時間が書いた絵カードを見せて、何時間何をしたのか答えさせる。
●学習者同士で何時間勉強したか、何時間寝たかなど質問しあう。
6. と
導入
学習者が英語圏の生徒だけであれば、英語でささっと説明して練習したほうがスムーズかもしれません。
[andの"と"]
T:昨日、スーパーへ行きました。(写真を見せて)りんごを買いました。メロンを買いました。レモンを買いました。私はりんごとメロンとレモンを買いました。
T:(写真を見せて)佐藤さんです。佐藤さんはスーパーへ行きました。(買ったものを見せて) S1さん?
S:佐藤さんはメロンとマンゴーを買いました。
[withの"と"]
T:私は土曜日、今日とへ行きます。(写真を見せて)友達と行きます。
T:私は明日、レストランへ行きます。(写真を見せて)家族と行きます。
T:(写真を見せて)佐藤さんです。佐藤さんはデパートへ行きます。(友達と一緒に行く写真をみせて)S1さん?
S1:友達とデパートへ行きます。
T:The particle "と" has two function. One is to connect nouns A and B. The particle "と" means "and". The other meaning of the particle "と" means "with".
練習
●文作り:絵+動詞を提示し文を作らせる。
7. も
色々なパターンの「も」が一度の登場するので、学習者は混乱してしまう。そのため、全部一度に導入せず、導入→練習→導入→練習という流れで進めて行く。また、以下の導入例は例文が少ないので、実際に教える際は、もっと例文を提示して、Sに「も」の使い方を推測・理解させたほうが良い。
導入1
●第2課で勉強した「も」の復習を最初にしておく。
T:私は日本人です。(写真を見せて)山田さんです。山田さんも日本人です。
T:S1さんはフィリピン人です。S2さんもフィリピン人です。
T:S3さんはアメリカ人です。S4さん?
S:S4さんもアメリカ人です。
●同じ行動をしている二人の写真を見せながら導入する。
T:私は昨日、京都へ行きました。山田さんも京都へ行きました。
T:ジョンさんは昨日、靴を買いました。ルシルさん?
S:ルシルさんも靴を買いました。
Personも 日本人です。
Personも 靴を買いました。 も = also / too
練習
●国が同じ人の絵や、同じ行動をしている絵を見せて文を作らせる。
導入2
T:私は昨日、スーパーへ行きました。(買ったものを見せて)メロンを買いました。レモンも買いました。
T:メアリーさんは昨日、デパートへ行きました。(買ったものを見せて)靴を買いました。鞄も買いました。
T:ジョンさんは昨日レストランへ行きました。スパゲッティを食べました。S1さん?
S1:ピザも食べました。
練習
●絵を見せて、「〜も」の形で答えさせる。
●英文を書いて、翻訳させる。
導入3
T:(カレンダーを見せて)これは私のスケジュールです。先週の土曜日、京都に行きました。大阪にも行きました。
T:これはカレンさんのスケジュールです。先週の日曜日に神戸へ行きました。S1さん?
S1:奈良にも行きました。
T:(カレンダーを見せて)これはジョンさんのスケジュールです。今週の土曜日、京都に行きます。来週の土曜日にも、京都へ行きます。
T:これはライアさんのスケジュールです。今週の土曜日に神戸へ行きます。来週の土曜日、S1さん?
S1:来週の土曜日にも奈良に行きます。
T:In this sentence patter, we have to put も after に.
練習
●絵を見せて、「〜も」の形で答えさせる。
●英文を買いて、翻訳させる。
●会話2
ペアで会話1を読ませたり、CDを流して、オーバーラッピングやシャドーイングを実施する。
読み書き編
漢字
基本的には宿題とする。教室の中で練習する場合は、WBに大きく板書して書き順を見せながら、学習者にもノート(ワークブック)に書かせる。学習者が書いている時は、机間巡視して書き順や漢字の間違いがないかチェックする。
読み方は音読み、訓読みを紹介したのち、その漢字を使った熟語も一緒に紹介する。そのあと、覚えるべき熟語をフラッシュカードで練習する。すぐに全部を覚えるのは難しいので、事前・事後の宿題にして時間を有効活用した方が良い。
読解
できる限り、直訳は避け、質問や言い換えなどで内容理解の促進を図る。最初はテーマに関する質問をして、未修語彙の導入や背景知識の活性化を図ってから本文に入る。
本文ははじめにTが全部読み、そのあと、一文or段落ごとに生徒に音読させる。その後、適切な長さごとに本文の内容について質問し、意味の確認に入る。
全部読み終えたら、本文の後にある質問を使って、さらに内容を確認する。