【教案】みんなの日本語初級1:第1課

B!

使用教材

できるようになること(Can-do)

・初対面の人と簡単なあいさつや自己紹介ができる。

学習項目(文型)
  1. 〜は〜です。
  2. 〜は〜じゃありません。
  3. 〜は〜ですか。
  4. 〜は〜の〜です。(所属)
  5. 〜も〜です。
  6. 〜は〜歳です。

準備物

以下の絵教材を利用する。

  1. みんなの日本語1 絵教材CD-ROM
  2. げんきな絵カード1

学習者から出る質問例

  1. 助詞「は」は何ですか。
  2. 助詞「の」は何ですか。
  3. 「教師」と「先生」は何が違いますか。
  4. 「会社員」と「社員」は何が違いますか。
  5. 「お名前は?」と「あの方はどなたですか?」は何が違いますか。
  6. 2つの言い方がある数字はそれぞれ何が違いますか。例:4(よん / し)

文型1:〜は〜です。(名前・身分など)

導入①:わたし、(名前)さん、彼、彼女

T:おはようございます。
S:おはようございます。
T:お元気ですか?
S:はい、元気です。
T:いいですね。始めましょう。

T:(自分を指して)わたし。(S1を指して)アントンさん。
T:(自分を指して)わたし。(S2を指して)セーラさん。

(上記を何度も繰り返す。)

T:(S1に発話するようにジェスチャーして)
S1:私
T:(Tを指して)
S1:ノッチさん。

同じように他のSにも質問。

T:(自分を指して)わたし。(S1を指して)アントンさん。(S3を指して、S1に)彼。(S2を指して、S1に)彼女。

(上記を何度も繰り返す。)

T:(S1に発話するようにジェスチャーして)
S1:私
T:(Tを指して)
S1:ノッチさん。
T:(S3を指して)
S1:彼
T:(S2を指して)
S2:彼女

導入②:〜は〜です。

T:(自分を指して)わたし。(名前を見せて)ノッチ。私はノッチです。
T:(マイクミラーの写真を見せて)彼。ミラーさん。彼はミラーさんです。
T:(女性の写真を見せて)彼女。鈴木さん。彼女は鈴木さんです。

T:わたしはノッチです。(S1さんに話すようにジェスチャー)わたしは?
S1:わたしはアントンです。

板書
わたしは [name]です。
かれは [name]です。
かのじょは  [name]です。
  実際の会話では「私は」は省略されることを、媒介語で説明するなり、補足プリントを配るなりして、教える。
補足(参考);助詞「は」について
The particle "は" is the topic marker, so before “は” is the topic of the sentence.
助詞「は」はトピックマーカーです。そのため、「は」の前は文の主題を表します。

練習

●「私は〜です。」、「彼/彼女は〜です。」の文を言う練習

導入③:〜は〜人です。

メモ
国旗とその国の人の写真を見せて導入する。

T:(アメリカの国旗を見せて)アメリカ。
S:アメリカ。
T:(アメリカ人の写真を見せて)アメリカ人。
S:アメリカ人。

同様に他の国の国旗や人を見せて、国名と(国名)人を導入する。

T:(アメリカ人の写真を見せて)メアリーさん。アメリカ人。メアリーさんはアメリカ人です。

同様に他の写真も見せて、Tが発話し、途中から、Sに発話させる。

板書
メアリーさんは アメリカじんです。

練習

●写真を見せて、文を「〜は〜人です」の文を作らせる。

導入④:〜は<身分・職業>です。

メモ
始めに職業に関する言葉を絵カードを使って導入しておく。

T:(教師のカードを見せて)教師。私は教師です。
T:S1さん?私は?
S1:私は学生です。
T:(写真を見せて)S2さん?
S2:トムさんは会社員です。

板書
トムさんは かいしゃいんです。

練習

●絵を見せて、文を作らせる。

●教科書の問題(B−1 / B−2)

fa-file-pdf-o「〜は〜です」練習用絵カード Download (PDF)



文型2:〜は〜じゃありません。

導入

T:(S1さんに)S2さん、S2さん。(わざとまちがえる)
S1:I am not S2.
T:わたしはS2じゃありません。

わざとらしいが、他のSの名前もわざと間違えて、「わたしは〜じゃありません」を言えるようになるまで練習する。

板書
わたしは S2じゃありません。

T:(日本の国旗を見せて)私は日本人です。
T:(韓国人の学生にアメリカの国旗を見せて)S1さんはアメリカ人です。
S:私はアメリカ人じゃありません。

他のSにも同様に、わざと国籍を間違えて、訂正させる。職業についても同様の流れで練習する。

練習

●わざと間違えた情報を言って、Sに訂正させる。

●絵を見せて、文を作らせる。

●教科書の問題(B−3)

fa-file-pdf-o「〜は〜じゃありません」練習用絵カード Download (PDF)

文型3:〜は〜ですか。

導入

T:S1さんは、イギリス人です(?のカードを見せて)か?
T:S1さんはイギリス人ですか?
S1:私はイギリス人です。
T:はい、イギリス人です。

T:S2さんはフィリピン人です(?カードを見せて)か?
S2:はい、フィリピン人です。

T:S3さんは中国人ですか?
S3:私は中国人じゃありません。
T:いいえ、中国人じゃありません。

板書
S1さんは イギリスじんですか。
・・・はい、イギリスじんです。
・・・いいえ、イギリスじんじゃありません。

他にも、職業を使って質問する。

練習

●絵を見せて、疑問文を作らせる。(〜は〜ですの練習プリントを再利用)

●ペアで練習

●教科書の問題(B−4)

導入:誰(どなた)ですか。

T:(WBに有名人の写真を貼っておき、生徒に近寄って)あの人は、S1さんですか?S2さんですか?S3さんですか?(?カードを持って)誰ですか?
S:ジョニーデップさんです。

他にも有名人を何名かピックアップし繰り返し「誰ですか」の質問をする。

板書
あのひとは だれですか。
・・・ジョニーデップさんです。

練習

●写真を見せて、ペアで質問、回答し合う。

fa-file-pdf-o「〜は誰ですか」練習用絵カード Download (PDF)

●教科書の問題(B−5)

文型4:〜は〜の<所属>です。

導入

T:わたしは教師です。(いろいろな日本語学校を見せて。)AAA学校?BBB学校?
S:AAA学校(授業をしている学校の名前)
T:わたしはAAA学校の教師です。

T:S1さんは教師ですか?
S:いいえ、学生です。
T:AAA学校、BBB学校、CCC学校?
S:AAA学校です。
T:S1さんはAAA学校の学生です。

その他、絵を見せて導入する。

板書
S1さんは AAAがっこう がくせいです。

練習

●絵を見せて、文を作らせる。

●教科書の問題(B−6)

fa-file-pdf-o「〜は〜の〜です」練習用絵カード Download (PDF)


文型5:〜も〜です。

導入

T:(写真を見せて)田中さんは日本人です。山田さんも日本人です。鈴木さんも日本人です。メアリーさんはアメリカ人です。メラーさんもアメリカ人です。

何度も繰り返し、Sが意味を推測できたところで、Sに文を作らせる。

T:(写真を見せて)S1さん?
S1:黒田さんは日本人です。鈴木さんも日本人です。

板書
たなかさんは にほんじんです。
すずきさんも にほんじんです。

練習

●絵を見せて、文を作らせる

fa-file-pdf-o「〜も〜です」練習用絵カード Download (PDF)

文型6:〜は〜歳です。

メモ
最初に1〜100までの数字を導入する。

導入

T:(名前と年齢が書いてある絵を見せて)ジェームさんは25歳です。マークさんは30歳です。ジェラルドさんは?
S:12歳です。
T:(絵を見せて)?
S:田中さんは35歳です。

板書
たなかさんは 35さいです。

練習

●絵を見せて、文を作らせる。

導入:何歳

T:(絵を見せて)ジェームさんです。15歳ですか?25歳ですか。30歳ですか。(?カードを使って)何歳ですか?
S:ジェームスさんは35歳です。
T:35歳です。

板書
ジェームスさんは なんさいですか。
・・・35さいです。
補足:年齢の尋ね方について

It is a little rude to ask someone’s age in Japan, if you need to ask someone’s age, you say “おいくつですか”. This expression is more polite than “何歳ですか。”

日本では他の人に年齢を聞くのは少し失礼です。もし、年齢を聞く必要がある場合は「おいくつですか」と言いましょう。「何歳ですか」よりも丁寧な表現です。

社会人対象のクラスであれば、年齢をあまり言いたくない女性もいるかもしれません。その場合は次のように言って好きな年齢を答えてもらうと良いと思います。
During the class, if you don’t want to say your real age, you make up any age.
本当の年齢を言いたくなかったら、どんな年齢でもいいですよ。

練習

●絵を見せて、質問文と回答文を作らせる。

fa-file-pdf-o「〜は〜歳です」練習用絵カード Download (PDF)

●教科書の問題(B−7 / C−1 / C−2 / C−3)

まとめ練習

教科書の「問題」を使ってリスニング、文作りなど、第1課の総まとめ問題を解かせる。

会話練習

教科書の会話:初めまして

進め方の例1
①絵を見せて、シチューションを説明する。(Sに考えさせても良い)
②二人のセリフを考えさせる。
③スクリプトを見せて、会話をチェックする。
④ペアで練習。練習後、前で発表する。
進め方の例2
①絵を見せて、Tが一度読む。
②Tがもう一度読む、Sはリピートする。
③意味をチェックする。
④ペアで練習。練習後、前で発表する。

自己紹介は練習済みなので、それほど難しくないだろう。まだ、スムーズに言えないSには何度も練習させる。

まるごと日本のことばと文化 第3課:どうぞよろしく

第1課の会話練習に「まるごと日本のことばと文化 入門(A1) かつどう」の第3課「どうぞよろしく」が使える。

この課では、自分のことを簡単に話す活動があり、名前や国や仕事などを紹介し合う。

未習表現としては、「〜できます」、「〜少しできます」、「勉強中です」、「いいえ、できません」が出てくるので、導入できるのであれば、ここで導入してしまおう。

できる日本語 初級 第1課 - トピック1:私の名前・国・仕事

このトピックでは、自分の名前・国・仕事について言ったり、聞いたりする練習ができる。リスニング問題もあるので、みんなの日本語 第1課が終わった後の練習にも利用できる。

できる日本語 初級 第1課 - トピック2:私の誕生日

このトピックでは、年齢や誕生日を言ったり、聞いたりする練習ができる。みんなの日本語では年齢を言い方だけを学習するので、「誕生日」や「年齢」という言葉は未習でる。

余裕があれば発展として導入・練習しても良いと思う。

できる日本語 初級 第1課 - トピック3:私の趣味

このトピックでは、趣味を言ったり、聞いたりする練習ができる。みんなの日本語では第1課から趣味について触れないが自己紹介では、だいたい趣味について話すことが多いので、余裕があれば導入しておいても良いだろう。

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