目次
使用教材
語彙や文法の導入
1. ウォーミングアップ
T:少しクイズをしましょう。日本のカレンダーについてです。
S:はい。
T:みなさん、12月25日は何の日ですか。
S:クリスマスです。
T:はい、じゃあ、1月1日は?
S:お正月です。
T:いいですね。じゃあ、2月14日は?
S:バレンタインデーです。
T:じゃあ、2月3日は?
S:わかりません。
T:(節分の写真を見せて)これです。わかりませんか?
S:見たことがあります。でも、名前を忘れました。
T:節分の日と言います。
T:じゃあ、7月20日前後は何というか知っていますか。
S:わかりません。
T:土用の丑の日と言います。
T:じゃあ、教科書を見てください。
T:日本人は、お正月、節分、バレンタインデー、土用の丑の日、クリスマスに何かを食べます。何を食べると思いますか。考えてみてください。
S:(考える)
T:じゃあ、バレンタインデーは何を食べると思いますか。
S:チョコレート
T:そうですね。じゃあ、クリスマスには何を食べると思いますか。
S:ケーキ
T:いいですね。じゃあ、お正月はどうですか。
S:おせちです。
T:そうですね。食べたことがありますか?
S:はい。
T:好きですか。
S:まぁまぁですね。
T:みなさんの国では、お正月にどんなものを食べますか。
S:(答える)
T:じゃあ、節分の時には何を食べますか。
S:太巻き寿司?
T:そうですね。
T:じゃあ、土用の丑の日は?
S:うなぎです。
T:いいですね。
T:じゃあ、どうして節分の日に太巻き寿司を、どうして土用の丑の日にうなぎを食べるか知っていますか。
S:いいえ、どうしてですか。
T:じゃあ、後で、文章を読みましょう。
単語 | 意味 |
バレンタインデー | Valentine's Day |
節分 | traditional end of winter |
前後 | around |
土用の丑の日 | day of the ox in midsummer |
太巻き寿司 | thick rolled vinegared rice |
おせち料理 | traditional New Year dishes |
うなぎ | eel and rice dish |
2. 新しいことばと練習
媒介語で未習の語彙を紹介 or 事前に宿題として意味を調べさせる。
それぞれの単語をリピート、意味を確認した後、教科書の「ことばの練習」を実施する。
単語 | 意味 |
跳ね上がる | to jump up |
定着する | to be firmly grounded |
向く | to face |
持ち込む | to bring in |
広める | to spread |
1年中 | all the year round |
かば焼き | spitchcock |
売り上げ | sales |
年平均 | yearly average |
江戸時代 | Edo Era |
夏バテ防止 | prevention of summer lethargy |
宣伝コピー | advertising copy |
期間 | period of time |
関西 | Kansai |
恵方巻き | Ehomaki rolled sushi |
恵方 | lucky direction |
幸運 | good fortune |
大手 | major |
コンビニチェーン | convenience store chain |
関東 | Kanto |
商業主義 | commercialism |
食生活 | food life |
一気に | in one bite |
3. 新しい文型
T:じゃあ、本文を読む前に、新しい文型を勉強しましょう。
(1) 話し言葉
①導入
T:第6課のタイトルの「この日に食べなきゃ、意味がない」はどんな意味だと思いますか。
S:この日に食べなかったら、意味がない。
T:そうですね。じゃあ、「食べなきゃ」と「食べなかったら」は何が違いますか。
S:「食べなきゃ」はカジュアルだと思います。
T:そうですね。食べなきゃはカジュアルな表現です。じゃあ、いつ使いますか。
S:話すとき?
T:はい、書くときはあまり使いません。話すときによく使います。話すときに使う言葉を「話し言葉」と言います。じゃあ、書くときに使う言葉は何と言いますか。
S:書き言葉?
T:はい、「書き言葉」と言います。
T:じゃあ、みなさんが知っている「話し言葉」は何ですか。
S:普通形の言葉
T:そうですね。
T:じゃあ、「これは食べ物ではありません」。話し言葉は何ですか。
S:これは本じゃない。
*他にも「〜ではありません」の例を出して確認。
T:いいですね。じゃあ、「今朝、朝寝坊してしまった。」この話し言葉は何ですか。
S:寝坊しちゃった。
*他にも「〜してしまった」の例を出して確認。
同様に他の話し言葉の表現についても導入する。
●動詞
書き言葉 | 話し言葉 |
本ではない | 本じゃない |
食べてしまった | 食べじゃった |
飲んでしまった | 飲んじゃった |
食べなければ | 食べなきゃ |
食べている | 食べてる |
食べていた | 食べてた |
食べておく | 食べとく |
食べるのだ | 食べるんだ |
●接続詞
書き言葉 | 話し言葉 |
しかし、だが、が | だけど、けど |
けれども | でも |
ですから | だから |
(2)Nにとって
[意味]
〜の立場から考えると。
判断や評価の内容が後ろに続く。
[英訳]
"for person"
From the standpoint of 〜. Preceded by content with judgement or evaluation.
[接続]
N + にとって(Nは主に人を表す名詞)
[JLPT レベル]
N3
[例文]
・私たちにとって、ララ(猫の名前)は家族と同じだ。
・私にとって、漢字の勉強はとても楽しい。
・私にとって、一番大切なものはお金だ。
・外国人にとって、日本人の名前はかなり覚えにくいようだ。
・スポーツ選手にとって、健康管理はとても重要です。
①導入
T:みなさん、一番大切なものは何ですか。教えてください。
S1:愛です。
S2:お金です。
S3:ゲームです。
T:皆さん、答えが違いますね。
S:はい。
T:S1さんにとって、一番大切なものは愛です、S2さんにとって一番大切なものはお金です。S3さんにとって、一番大切なものはゲームです。
T:皆さん、日本語は難しいですか。
S:はい。
T:単語、漢字、文法、リスニング、会話、難しいのはどれですか。
S1:漢字です。
S2:文法です。
S3:リスニングです。
T:皆さん、答えが違いますね。
S:そうですね。
T:S1さんにとって、難しいのは漢字です。
T:S2さんにとって、難しいのは文法です。
T:S3さんにとって、難しいのはリスニングです。
S2さんにとって、難しいのは文法です。
S3さんにとって、難しいのはリスニングです。
T:S1さんにとって、難しいのは漢字です。S2さんじゃありません、S3さんじゃありません。S1さんが難しいと思うのは漢字です。
T:S2さんにとって、難しいのは文法です。S1さんの考えじゃありません。S3さんの考えじゃありません。S2さんが難しいと思うのは文法です。
T:「Nにとって」はNの人が考えると、という意味です。
T:例えば、これは私の本です。S1さんの本じゃありません。S1さん、この本は大切ですか。
S1:いいえ。
T:S1さんの本じゃありませんから、大切じゃありませんね。
T:S1さんにとって、この本は大切じゃありません。
T:じゃあ、私はどうですか。私はこの本を大切だと思いますか。
S:はい。先生の本ですから。
T:そうですね。私はこの本を授業で使いますからとても大切です。この本がなかったら授業ができません。
T:私にとって、この本はとても大切です。
②応用練習1:後件作成
③応用練習2:オープンクエッション
④読もう
(3)Vずにはいられない
[意味]
どうしても〜しないでいることはできない。/ どうしても〜してしまう。
身体的に我慢できない場合や、ものごとの様子や事情を見て、話し手の心の中で「〜したい」とう気持ちが起こり、意志の力で抑えられない時に使う。
[英訳]
These expression indicate that a certain feeling could not be contained, or that a feeling naturally resulted from a certain condition.
[接続]
Vない + ずにはいられない(*しない→せずにはいられない)
[JLPT レベル]
N2
[例文]
・この店のカレーはとても辛い。ちょっと食べたら、水を飲まずにはいられない。
・さっき蚊に刺されたところが痒くて、かかずにはいられない。
・あまりに暑くて、ジャケットを脱がずにはいられなかった。
・たばこをやめたいんですが、見ると、吸わずにはいられないんです。
①導入
T:みなさん、これは何ですか。
S:ポテトチップスです。
T:そうですね。好きですか。
S:はい、大好きです。
T:私も好きです。美味しいですよね。
S:はい。
T:ポテトチップスを食べ始めます。みなさん、途中で食べるのを止められますか。
S:無理です。止められません。
T:美味しいですから、無理ですね。1度食べたら、食べるのを止められません。
T:もっといい言い方があります。
T:ポテトチップスを1度食べたら、食べずにいられません。です。
→ポテトチップスを1度食べたら、食べずにいられません。
T:みなさん、これは何ですか。
S1:カレーです。
S2:とても辛そうなカレーです。
T:そうですね。これはとても辛いです。
T:辛いカレーを食べたら、何が欲しくなりますか。
S:水。
T:そうですね。水を飲まない。我慢できますか。
T:できません。そうですね。
T:辛いものを食べたら、水を飲まない。我慢できませんね。
T:辛いものを食べたら、水を飲まずにいられない。と言います。
→辛いものを食べたら、水を飲まずにいられない。
T:「〜ずにはいられない」は「我慢できないです。Vをしてしまう」という意味です。
T:ポテトチップを1度食べたら、食べずにいられません。1度食べたら、止められません。ずっと食べてしまいます。
T:辛いものを食べたら、水を飲まずにられない。我慢できません。水を飲んでしまいます。という意味です。
②応用練習1:穴埋め問題
③応用練習2:前件作成
④書こう・話そう
(4) 〜らしい
[意味]
客観的な情報に基づく判断・伝聞。話している事柄に対して他人事であるという距離感がある。
[英訳]
Judgement or hearsay based on objective information. Indicates the speaker is at a distance from what has happened or been said and referring to a third party.
[例文]
・あの店のケーキは美味しいらしい。
・あの2人は結婚するらしい。
・あそこに人がたくさん集まっている。何かあったらしい。
・教室の電気が消えている。みんな帰ったらしい。
・音楽が聞こえる。彼は音楽を聞いているらしい。
・電車がなかなか来ないと思ったら、事故があったらしい。
①導入
*後日追記予定
②基本練習1:変換練習
③基本練習2:選択問題
(5) 〜としたら
[意味]
仮定条件
[英訳]
Subjunctive condition.
[接続]
普通形 + としたら
[JLPT レベル]
N3
[例文]
・もし、ここに100万円あったとしたら、何に使いますか。
・車で行くとしたら、何時間かかるんでしょうか。
・パソコンを買うとしたら、やっぱりMacを買いたいです。
・来れるとしたら、何時ぐらいですか。
・中国に行くとしたら、どこがおすすめですか。
①導入
*後日追記予定
②応用練習:文作り
(6)名詞修飾節
①読もう:短い文章を読んで質問に答える
(7)グラフを読む
①基本練習:読解問題
本文読解
1. QAの確認
本を読む前に、 まず、QAの内容を確認する。
T:じゃあ、これから「この日に食べなきゃ、意味がない!」の文章を読みます。はじめに、プリントを配ります。1枚は文章で、もう1枚は文章の問題です。
(読み物とタスクシートを配布)
T:じゃあ、最初にタスクシートを見てください。問題は3つあります。文章の質問です。みなさんには文章を読んで、答えを考えてもらいます。
2. 本文を読む
T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)
T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)
3. ピア活動
T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:(机間巡視)
4. 答えの確認
T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。
Sに質問文を読ませ、答えを確認する。
後作業:リスニングや作文など
1. 聴解タスクシート
CDを聞きながら、空欄の部分を記入させる。CDにはゆっくりしたスピードとナチュラルスピードが録音されているので、学習者のレベルに応じて選択すると良い。ゆっくりスピードでも生徒が聞き取れなければ、教師がもっとゆっくりしたスピードで読むと良いだろう。
2. シャドーイング
これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。
3. 作文
できる限り時間内に書かせて提出させる。