【教案】みんなの日本語初級1:第10課

B!

使用教材

できるようになること(Can-do)

・人や物の存在について話せる。
・人や物の所在が言える。

(場所)に (物)があります

導入:〜に〜があります

T:これは何ですか?
S:消しゴムです。
T:そうですね。(消しゴムをどちらか一方の手の中に隠し、Sに見せて)
T:はい、消しゴムはどこですか?(Which hand has the eraser?
S:それ?
T:はい、消しゴムがあります。 / 消しゴムがありません。

50円玉や他の物も使って「あります」/「ありません」の意味を理解させる。「あります」、「ありません」

T:(教室の中を見て)椅子があります。机があります。時計が?
S:あります。
T:WBが?
S:あります。
T:(鞄をさして)S1さん?
S:鞄があります。

T:ここはどこですか。
S:教室です。
T:そうですね。教室です。
T:教室に椅子があります。教室に机があります。(時計を指して)S1さん?
S1:教室に時計があります。

T:(町の写真を見せて)この町にスーパーがあります。S1さん?
S1:この町にデパートがあります。
T:S2さん?
S2:この町に病院があります。

同様に他の学習者にも質問する。

板書
このきょうしつに いすが あります。

Placeに Thing(s)が あります。
に:Place of existence

練習

●文作り
Tがキューを与えて、Sが文を作る

T:東京、東京タワー。東京に東京タワーがあります。
T:この教室、机
S:この教室に机があります。

その他の例
・この教室 / 椅子、机、消しゴム、WB、プロジェクター
・コンビニ / トイレ、ビール、ジュース、コーヒー
・デパート / ユニクロ、服屋、花屋、靴屋
・本屋 / 本、鉛筆、シャーペン、ボールペン、消しゴム
・薬局 / 薬
・図書館 / 本

●場所の絵カードを見せて何がある答えさせる。
T:(写真を見せて)どこですか。
S:コンビニです。
T:そうですね。コンビニに?
S:コンビニにトイレがあります。

他の場所カードを見せて、文を作らせる。

導入:〜に〜がありますか / 〜に何がありますか

T:S1さんの家に冷蔵庫がありますか。
S:はい、あります。

T:S1さんの家に花がありますか。
S:いいえ、ありません。

他のSにも質問する。

板書
S1さんの うちに れいぞうこがありますか。
・・・はい、あります。
・・・いいえ、ありません。

T:(写真を見せて)この部屋に冷蔵庫がありますか。
S:いいえ、ありません。
T:じゃあ、時計がありますか。
S:いいえ、ありません。
T:(?カードを見せながら)じゃあ、何がありますか。
S1:ベッドがあります。
S2:テーブルがあります。

板書
このへやに なにが ありますか。

練習:〜に〜がありますか / 〜に何がありますか

●Q&A
この教室に何がありますか。
S1さんの家に何がありますか。
S1さんの国に何がありますか。
コンビニに何がありますか。
◯◯デパートに何がありますか。

(場所)に (人)がいます

導入:〜に〜がいます

T:もう一度。ここはどこですか。
S:教室です。
T:そうですね。教室に机があります。椅子があります。(学習者を指して)S1さんがいます。S2さんがいます。
T:(S3さんを指して)S3さんが?
S:S3さんがいます。

板書
きょうしつに S3さんが います。
Placeに Person(s) or Animal(s)が います。

練習

●文作り
Tがキューを与えて、Sが文を作る

T:部屋、友達。部屋に友達がいます。
T:この教室、中国人。
S:この教室に中国人がいます。

その他の例
・この教室 / (国籍)人、(名前)さん
・会議室 / タワポンさん
・あそこ / 人
・私の家 / 犬、猫
・部屋 / 友達

「〜に〜がいます」の口慣らしが終わったら、「あります」と「います」を混ぜて練習する。

●物や人、動物などの絵をみせて、「あります」、「います」のどちらを使うのか答えさせる。
T:(写真を見せて)ありますですか?いますですか?
S:ありますです。

●場所の絵カードを見せて何がある答えさせる。
T:(写真を見せて)どこですか。
S:学校です。
T:そうですね。学校に?
S1:先生がいます。
S2:学生がいます。

他の場所カードを見せて、文を作らせる。

●教科書の問題(B−1)

導入:〜に〜がいますか / だれがいますか

T:この教室に、ジョンさんがいますか。
S:はい、います。
T:ラファエルさんがいますか。
S:いいえ、いません。

板書
このきょうしつに ジョンさんが いますか。
・・・はい、います。
・・・いいえ、いません。

T:(写真を見せて)どこですか。
S:ロビーです。
T:(?カードを見せて)ロビーに誰がいます。
S:田中さんがいます。

 絵カードを準備するのが難しければ、「この教室に誰がいますか」で導入すると良い。
板書
ロビーに だれが いますか。

T:(写真を見せて)ここは教室です。
T:この教室に誰がいますか。
S:いません。
T:誰もいません。

参考
「人」以外は「何がいますか?」となる。よって動物の場合「誰がいますか」→「犬がいます」ではなく、「何がいますか」→「犬がいます」が正しい。

練習:〜に〜がいますか / だれがいますか

●Q&Aで練習
[Yes / No Question]
・S1さんのうちにテレビがありますか。
・S1さんのうちに猫がいますか。

[Interrogative Question]
・この教室に何がありますか。
・この教室に誰がいますか。
・S1さんの家に今誰がいますか。

その他、絵を見せながら学習者に問いかける。

机の上に本があります。

メモ
始めに、位置詞を使って「机の上」、「椅子の下」など位置関係を理解させる。

導入

T:(椅子の上に鞄を置いて)椅子の上。(鞄を椅子の下に置いて)椅子の下。

同じように机の上に本を置いたり、箱の中に消しゴムを入れたりしれ、Tが発話しSに聞かせる。ある程度Tが発話したところで、Sにも答えさせる。
(導入:上、下、右、左、中、外、間、となり)

T:(机の上に本を置いて)本があります。どこですか?
S:机の上。
T:そうですね。机の上に本があります。

T:これはなんですか。
S:箱です。
T:(箱を開けて)何ですか?
S:消しゴムです。
T:はい、消しゴムがあります。どこですか。
S:箱の中。
T:そうですね。箱の中に消しゴムがあります。

T:(椅子の上に時計を置いて)S1さん?
S1:椅子の上に時計があります。

T:(絵を見せて)S2さん?
S2:教室の中にピアノがあります。

T:(絵を見せて)S3さん?
S3:木の後ろに女の子があります。
T:女の子がいます。

板書
いすの うえに thing(s) が あります。

木の うしろに person(s)が います。

練習

●絵カードを見せて、「〜の〜に〜が〜あります/います。」の文を言う練習。

●教科書の問題(B−2 / B−3)

●描写ゲーム

導入:〜や〜(など)

T:(机の上にたくさん物を並べて)机の上に何がありますか。
S:本とノートと消しゴムと鉛筆とシャーペンとボールペンとカードと・・・
T:本やノートなどがあります。

板書
ほんや ノートなどが あります。

練習

●教科書の問題(C−1)

●机や椅子にたくさん物を並べて文を作らせる
準備が面倒であれば、たくさん物が並んだ絵を見せて文を作らせると良い。



(物・人)は(場所)にあります・います。/ (物・人)はどこにありますか・いますか。

ポイント
  • 主題として提示したものの所在を述べる時に使われる。
  • 「〜はどこですか」→「〜は〜にあります / います」という流れで導入する。

導入

導入例1
T:あれっ、S1さん、S1さん、S1さん。S1さんは〜?S1さんはどこにいますか。
S3:うちにいます。
T:そうですか。S2さんは〜?S2さんはどこにいますか。
S2:ここです。

導入例2
T:(自分の教科書を机の中に隠して)あれ?わたしの本、本、本。私の本はどこにありますか。
T:あ、ここにあります。私の本はここにあります。

導入例3
T:うっ・・・・トイレ、トイレ、トイレ。トイレはどこにありますか。
S:あそこです。
T:ありがとうございます。

板書

A:トイレはどこにありますか。
B:(トイレは)あそこにあります。

Q. _________は どこですか。 =  ____________は どこにありますか / どこにいますか。
A.(       は  ) Placeに あります / います。

T:S1さんはどこですか。勉強しましたね。
S:はい。
T:S1さんはどこにいますか。これもいいです。
T:S1さんはどこにいますか?
S:うちにS1さんがいます。
T:S1さんはうちにいます。

T:トイレはどこにありますか。勉強しましたね。
S:はい。
T:トイレはどこにありますか。これもいいです。
T:トイレはどこにありますか?
S:あそこにトイレがあります。
T:トイレはあそこにあります。

T:S1さんはどこにいますか。うちにS1さんがいます。じゃありません。S1さんはうちにいます。です。
T:トイレはどこにありますか。あそこにトイレがあります。じゃありません。トイレはあそこにあります。です。

練習

●教科書の問題( B−4 / B−5 / C−2/ C−3

●道を尋ねる活動。(タスクカードと地図を配布)

S1:郵便局はどこにありますか。
S2:図書館の隣にあります。

存在文「〜に〜があります」と所在文「〜は〜にあります」の違い

参考

存在文「〜に〜があります」は話し手が「聞き手がたぶん知らないだろうと」考え、ある場所に何があるのか」を教える時によく使われる。聞き手は知らないだろうと思って、新情報を始めて提示することになるため、助詞は「は」ではなく、「が」が使われる。

所在文「〜は〜にあります」は話し手と聞き手がすでに「ある・いる」ということは知っている物や人を主題として取り上げ、在する場所を聞いたり述べたりする文である。そのため助詞は「が」ではなく「は」が使われる。例えば、「ジョンさんはどこにいますか」という文で考えると、話し手と聞き手は「ジョンさんがいること」はすでに知っているが、話し手はジョンさんがどこにいるのかがわからないので、「ジョンさん」を主題として取り上げて「ジョンさんは〜」と質問している。

これらの違いを直接法だけで教えるのはかなり難しい。さらに、英語で説明しても使い方をきちんと理解できない学生もいる。そのため、それぞれの文型が使われる場面をはっきりと提示して、いつどちらの文型を使うのか紹介すると良い。

私の場合は、「存在を表すか」、「所在を表すか」の違いだけ英語で説明し、あとは例文をいくつか提示して違いを理解させている。

>> 【英語で説明】「〜に〜があります」と「〜は〜にあります」の違い

まとめ練習

教科書の「問題」を使ってリスニング、文作りなど、第10課の総まとめ問題を解かせる。

読み物「わたしの うち」は何度も音読(宿題)させ読むトレーニングをする。

会話練習

教科書の会話:ナンプラー、ありますか

進め方の例1
①絵を見せて、シチューションを説明する。(Sに考えさせても良い)
②二人のセリフを考えさせる。
③スクリプトを見せて、会話をチェックする。
④ペアで練習。練習後、前で発表する。
進め方の例2
①絵を見せて、Tが一度読む。
②Tがもう一度読む、Sはリピートする。
③意味をチェックする。
④ペアで練習。練習後、前で発表する。

お店の場所を聞いたり、お店の中で商品の場所を聞いたりする場面の会話。

まるごと日本のことばと文化 入門(A1) かつどう

第10課の練習には「まるごと日本のことばと文化 入門(A1) かつどう」の第14課「有名なお寺です」が練習に役立ちます。

14課では、地図を見ながら場所を聞いたり、目的地までの行き方を説明したりします。さらに、営業時間を聞く練習もあるので、みんなの日本語4課の「〜時から〜時までです」の練習もできる。

げんき 初級日本語1:第4課

げんき 第4課のダイアログも会話練習に役立ちます。

この課では、メアリーさんが知らない人にマクドナルドの場所を聞いたり、メアリーさんのお父さんとメアリーが見た映画について話したりする。

できる日本語 初級:第4課

できる日本語 第4課のトピック2では、自分の国や町がどんなところかを話したり質問したりする活動ができる。

既習の形容詞やみん日第10課で学んだ「~があります」を使ってペアやグループで自分の町を紹介する活動をすると良いだろう。

また、町の紹介を聞くリスニングもあるので、聴解練習も可能である。

未習語彙
緑が多い、お寺、教会、海、公園

第10課でよくある質問事項

・存在文「〜に〜があります」と所在文「〜は〜にあります」の違いは何ですか?

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