目次
使用教材
げんき1 初級日本語
できるようになること (Can-do)
・家族や友だちについて説明できる。
・人の服装や外見を描写できる。
文法を教える前に
げんきの教科書では文法解説がセットになっているので、事前に読んできてもらうとスムーズに授業を進めるできるだろう。また、授業の開始時に第7課の会話ビデオを見せて、この課でどういったことを学ぶのか考えさせると、学習者のゴールが明確化されて、いいと思います。
動画はこちらからダウンロード可能
語彙の導入
新出語彙は事前に宿題として、読む練習+暗記をしてきてもらう。ただし、数が多く学習者の負担になる場合は、必要最低限覚えてきて欲しい単語をこちらから提示する。
授業のはじめに、絵カードを見せて、Tのリピート、 Sだけといった流れで習熟度を確認する。絵カードは自作が面倒な方には、教科書準拠の絵カードが出版されているので、こちらを使うことをオススメする。
げんきな絵カード1
文法の導入
1.〜ている
導入1-1 - Vている(現在進行形)
T:今から、WBに漢字を書きます。(書きながら)今、WBに漢字を書いています。(書き終えて)WBに漢字を書きました。
T:(電話を出して)今から、友達に電話します。
あ、もしもし、お元気ですか。今、友達に電話しています。
じゃあ、また会いましょう。ガチャッ。友達に電話しました。
同じような例を繰り返して、〜ているの意味を推測させる。
T:あ〜、お腹が空きましたから、ご飯を食べます。(食べているジェスチャーをして)今、ご飯を?
S:ご飯を食べています。
T:ごちそうさま〜。ご飯を食べました。
練習
●動詞の絵カードを見せて、Vているで答える練習
導入1-2 - Vていますか / 何をしていますか。
T:アイリーンさんは 今 ご飯を食べていますか。
S:いいえ、食べません。
T:いいえ、食べていません。
T:アイリーンさんは 今 日本語を勉強していますか。
S:はい、勉強します。
T:はい、勉強しています。
→はい、たべています。
→いいえ、たべていません。
T:(絵カードを見せて)斎藤さんです。斎藤さんは今、何をしていますか。
S:映画を見せています。
T:私は今、何をしていますか。
S:日本語を教えています。
_________は (いま) 何を Vていますか。
→Vています。
練習
●絵カードを見せて、Q&Aの練習
●ジェスチャーゲーム
生徒にタスクカードを配り、ジェスチャーをしてもらう。他の生徒はそれを見て、何をしているか答える。
●他の疑問詞(誰、どこで)も使って質問練習
導入2-1(結果の状態)
●図を書きながら、状態が続いている時に「Vている」を使うこと理解させる。
①結婚しています。
T:S1さんは奥さんがいますか。
S1:はい、います。
T:いつ、結婚しましたか。
S1:2015年4月に結婚しました。
T:S1さんは2015年4月に結婚しました。今、結婚しています。
T:S2さんは、結婚していますか。
S:いいえ、結婚していません。
②住んでいます。
T:わたしのうちは大阪にあります。大阪に住んでいます。S1さんのうちはどこですか。
S1:神戸です。
T:そうですか。S1さんは神戸に住んでいます。
③持っています。
T:S1さんは車がありますか。
S1:はい、あります。
T:S1さんは車を持っています。
T:(お金持ちの写真を見せて)小林さんです。小林さんはrichです。お金をたくさん持っています。
____________は __________を 持っています。
〜があります = 〜を持っています。 (×約束、時間、用事)
④知っています。
T:(写真を見せて)誰ですか。
S1:ドラえもんです。
T:そうですね。S1さんはドラえもんを知っています。
T:(写真を見せて)誰ですか。
S1:知っていません。
T:知りません。
____________は _______を 知っています。
don't know : 知りません。 (×知っていません)
状態が継続していることを表す時に、「Vている」を使うことが理解できれば、「着ている」、「勤めている」など他の単語も容易に理解できるだろう。
練習
●キューを与えて、文を作る練習
T:おもしろい映画を知っています。 カメラ?
S:カメラを持っています。
●Q&Aで練習
T:S1さんは、美味しいレストランを知っていますか。
S1:はい、知っています。
T:どこですか。教えてください。
2. 〜は髪が長いです。
導入
●助詞「は」で取り上げた人や物の特徴について述べる。
●始めに体に関する語彙を導入しておく。
T:(写真を見せて)山田さんです。(目を指して)目です。大きですね、山田さんは目が大きいです。(髪を指して)長いですね。山田さんは髪が長いです。山田さんは背が高いです。
T:(写真を見せて)マリアさんです。(髪を指して)山田さんは髪?
S:髪が長いです。
T:(目を指して)山田さんは?
S:目が青いです。
T:(写真を見せて)これは?
S:象です。
T:そうですね。(鼻を指しながら)象は?
S:鼻が長いです。
T:(写真を見せて)これは?
S:キリンです。
T:キリンは?
S:キリンは首が長いです。
練習
●人物の写真を見せて、「〜は〜が〜です。」の文章で描写する練習
3. Te-forms for Joining Sentences
導入
①い形容詞
T:日本料理はどうですか。
S:美味しいですが、高いです。
T:そうですか。じゃあ、吉野家はどうですか。
S:安いです。そして美味しいです。
T:(板書)吉野家は安いです。そして美味しいです。少し長いですね。
T:吉野家は安くて、美味しいです。
T:(写真を見せて)山田さんです。いくつですか。
S:18歳です。
T:若いですね。
S:はい。
T:ハンサムですか。
S:はい、ハンサムです。
T:山田さんは?
S:若いくて、ハンサムです。
T:若くてハンサムです。
②な形容詞
T:みなさん、もう、京都へ行きましたか。
S:はい、行きました。
T:京都はどうでしたか。
S:静かでした。そして綺麗でした。
T:(板書)京都はしずかです。そして、きれいでした。
T:少し長いですね。京都は静かで、綺麗でした。
③名詞
T:(写真を見せて)鈴木さんです。いくつですか。
S:22歳です。
T:仕事は?
S:医者です。
T:はい、そうですね。鈴木さんは22歳で、医者です。
練習
●二つの言葉を与えて、結合練習
T:安い、美味しい。安くて、美味しいです。S1さん、新しい、便利。
S1:新しくて、便利です。
●物や人の写真を見せて文を作らせる。
T:S1さん、このカメラはどうですか。
S1:そのカメラは高くて、重いです。
●Q&Aで練習
T:大阪はどんな街ですか。
S1:賑やかで、面白い街です。
4. verb stem + に行く。
●導入の前に場所の名前の復習をしておく。
導入
T:S1さん、週末どこへ行きますか。
S1:デパートへ行きます。
T:デパートで何を買いますか。
S1:服を買います。
T:S1さんは週末、デパートへ行きます。服を買います。
T:S1さんは週末、デパートへ服を買いに行きます。
他のSにも同じような質問をした後、板書するが、生徒から導入に必要な返答が得られない場合は、自分のことについて話す。
T:私は来週の土曜日、京都へ行きます。京都で写真を撮ります。京都へ写真を撮りに行きます。
→デパートへ 服を買いに 行きます。destination of movement へ(or に) the purpose of movement に 行きます。(or 来ます、帰ります)
板書後に、文章をリピート(全体→個別)
練習
●〜に行きますの形の練習
絵カードを見せて「〜に行きます」で答えさせる。
●文作り:Tが言葉を与えて、Sが文を作る。
T:コンビニへ行きます。水を買います。コンビニへ水を買に行きます。S1さん、図書館へ行きます。本を借ります。
S1:図書館へ本を借りに行きます。
●場所を見せて何をしに行くか答えさせる。
T:これはどこですか。
S:コンビニです。
T:コンビニで何をしますか。
S:水を買います。
T:コンビニへ行きます。コンビニへ水を買いに行きます。S1さん、(他の写真を見せる)
S1:図書館へ本を借りに行きます。
5. Counting People
導入1 - 3人います。
●「4人」の発音に注意。「一人」、「二人」は後回し。
T:(人の絵を板書して)人です。人が三人、四人・・・九人います。
person(s)__が 人 います。
3:さんにん
4:よにん
5:ごにん
6:ろくにん
7:しちにん
8:はちにん
9:きゅうにん
10:じゅうにん
T:今、人が9人いますね?
S:はい。
T:今から、AさんとBさんと・・・、Gさんはうちへ帰ります。(板書を指して)S1さん?
S:人がににんいます。
T:人がふたりいます。Hさんもうちへ帰ります。(板書を指差して)S2さん?
S:人がいちにんいます。
T:人がひとりいます。
person(s)__が 人 います。
1:ひとり
2:ふたり
3:さんにん
4:よにん
5:ごにん
6:ろくにん
7:しちにん
8:はちにん
9:きゅうにん
10:じゅうにん
練習
●絵を見せて、「〜が〜人います。」を練習
T:(外国人の絵を見せて)アメリカ人がいます。アメリカ人が3人います。S1さん?
S:中国人が4人います。
導入2 - 何人いますか。
T:(写真を見せて)インドネシア人です。
T:インドネシア人がひとり、ふたり・・・?
S:5人います。
T:そうですね。インドネシア人が5人います。あ、インドネシア人がふたり帰りました。インドネシア人は何人いますか。
S:3人います。
T:そうですね。3人います。
person(s) が 何人 いますか。
→ 3にん います。
練習
●絵を見せて、人が何人いるか答える。(チェーンドリルで)
T:S1さん、これは?
S1:学生です。
T:はい、学生ですね。学生が何人いますか。
S1:5人います。
T:そうですね。じゃあ、S1さん、S2さんに。
読み書き編
漢字
基本的には宿題とする。教室の中で練習する場合は、WBに大きく板書して書き順を見せながら、学習者にもノート(ワークブック)に書かせる。学習者が書いている時は、机間巡視して書き順や漢字の間違いがないかチェックする。
読み方は音読み、訓読みを紹介したのち、その漢字を使った熟語も一緒に紹介する。そのあと、覚えるべき熟語をフラッシュカードで練習する。すぐに全部を覚えるのは難しいので、事前・事後の宿題にして時間を有効活用した方が良い。
読解
できる限り、直訳は避け、質問や言い換えなどで内容理解の促進を図る。最初はテーマに関する質問をして、未修語彙の導入や背景知識の活性化を図ってから本文に入る。
本文ははじめにTが全部読み、そのあと、一文or段落ごとに生徒に音読させる。その後、適切な長さごとに本文の内容について質問し、意味の確認に入る。
全部読み終えたら、本文の後にある質問を使って、さらに内容を確認する。