中級へ行こう 第5課:睡眠

B!

使用教材

中級へ行こう 日本語の文型と表現55 第2版

語彙や文法の導入

1. 話しましょう

ここでは、第5課のテーマである、「睡眠」について会話をしながら、未習の語彙を導入したり、本文を読むにあたって手助けとなる情報を学習者に与えていく。

  「話しましょう」の中で全ての言葉を導入するのは時間が足りないし、難しいのと思うのでキーワードとなる言葉を導入したり、事前に単語リストを配っておくなどして、時間短縮すると良い。

ウォーミングアップ:学習者の睡眠時間や寝られない時について話あう。

T:みなさん、毎晩早く寝ていますか?夜遅くまでゲームを見たり、Facebookを見たりしていませんか?
S1:ゲームをしてしまいます。毎日1時ぐらいに寝ます。
T:他の人はどうですか。今からプリントを渡しますから、プリントを見て、質問に答えてください。
S:(プリントに記入)
T:書けましたか?
S:はい。
T:じゃあ、比べてみましょう。

Sの回答をチェックして、比較する。

T:それでは、今日は「睡眠」について勉強をしましょう。

2. ことばの練習

媒介語で未習の語彙を紹介 or 事前に宿題として意味を調べさせる。
それぞれの単語をリピート、意味を確認した後、教科書の「ことばの練習」を実施する。

単語 意味
睡眠 sleep
~すぎ shortly after ~
~ときがある there are times when ~,
ストレッチする to strech
sheep
その他 other
夜中 middle of the night
目が覚める to wake up
遅くまで till late
活動する to do an activity
通勤 commute
減少する to decrease
不調 [physical] disorder
訴える to report / complain about [one's condition]
自然に naturally
昼間 daytime
動かす to move
~に関して concerning ~
神経質な nervous
声がよく出る to have a rich voice



3. 新しい文型

T:じゃあ、本文を読む前に、新しい文型を4つ勉強しましょう。

(1) A/Naさ

[意味]
形容詞を名詞化して使う。

[英訳]
Used to nominalize an adjective.

①導入
T:皆さん、富士山を見たことがありますか?
S:はい、あります。
T:富士山、3776mです。(板書)
T:富士山の何が3776mですか?
S:高いです。
T:富士山の高いですか?
S:高・・・・。
T:富士山の高さは3776mです。

T:これは何ですか?
S:シャーペンです。
T:そうですね。(長さをはかるジェスチャーをして)14cmです。
T:シャーペンの何が14cmですか。
S:長い。
T:シャーペンの長さが14cmです。

板書
富士山の高さは3776mです。
シャーペンの長さが14cmです。

T:富士山の高さ、シャーペンの長さ、「高さ」と「長さ」は動詞、形容詞、名詞、何ですか?
S:名詞です。
T:そうですね。じゃあ、「高い」、「長い」は?
S:い形容詞です。
T:そうですね。「高い」はい形容詞、「高さ」は名詞、「長い」はい形容詞、「長さ」は名詞です。
T:じゃあ、「明るい」の名詞は?
S:明るさ
T:そうですね。

T:じゃあ、な形容詞「きれいな」の名詞は?
S:きれいなさ?
T:きれいさです。

T:ああ、「便利な」は?
S:便利さ
T:そうですね。

②応用練習
満足度調査のグラフに学生の答えを書かせる。

③短作文
「今住んでいる部屋」をテーマに短い作文を書かせる。
短作文は時間がなければスキップ or 宿題とする。

単語 意味
満足度 degree of satisfaction
暮らしやすさ comfortability of living /easiness of life
環境 environment

(2) 連用中止

[意味]
動詞文や、い形容詞文の接続のしかたの一つ、並列や理由を表す。
・行為の順序や対立する内容を表す際に使われる。
・「作り方」や「使い方」の説明でもよく使われる。
・書き言葉でよく使われる。

[英訳]
Used to connect verb sentences or い-adjective sentences. It shows a parallel relationship or indicates a reason.

[接続]
V(ます)の語幹  *「いる」は「おり」になる。
いA-く

[例文]
・本を読み、しばらく考える。

①導入
[動詞]

T:S1さん、昨日、何時に起きましたか?
S1:7時に起きました。
T:それから、何をしましたか?
S1:朝ごはんを食べました。
T:それから?
S1:テレビを見ました。

板書
7時に起きました。朝ごはんを食べました。テレビを見ました。

T:文を1つにしてください。
S1:7時に起きて、朝ごはんを食べて、テレビを見ました。

板書
7時に起きて、朝ごはんを食べて、テレビを見ました。

T:いいですね。今日は、他の言い方を覚えましょう。
T:7時に起き、朝ごはんを食べ、テレビを見ました。です。

他のSにも何をしたか質問し、同じように導入する。

板書
7時に起き、朝ごはんを食べ、テレビを見ました。

T:「起き」、「食べ」、形はなんですか?
S:ます形です。
T:そうですね。

T:この文法は書くときによく使います。それから、スピーチやプレゼンテーションなど、フォーマルなシチュエーションでも時々、使われます。それから、「料理の作り方」や「機械の使い方」でも、時々使われます。

 ウェブサイトや本などで、実際に連用中止が使われている例があれば、それを見せる。

[い形容詞]
T:S1さんの国(マレーシア)はどんな国ですか。
S1:暑いです。それから、賑やかです。

板書
あついです。それから、にぎやかです。

T:じゃあ、文を1つにしてください。
S1:暑くて、賑やかです。

板書
あつくて、にぎやかです。

T:はい、皆さん勉強しましたね。これも他の言い方があります。何ですか?
S:暑く、賑やかです?
T:はい、そうです。暑く、賑やかです。です。

板書
マレーシアは あつく にぎやかです。

②基本練習:変換練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

③短作文
「自動販売機の使い方」や「料理の作り方」など、手順を説明する文を作らせる。

単語 意味
梅雨 rainy season
カップラーメン instant noodles
できあがる to be ready

(3) ~ものだ

[意味]
本来そうだと思われることを表す。

[英訳]
Normally, in general, should ~, must ~
Used to express something that is considered to be common knowledge.

①導入
T:みなさん、たくさん運動したら、どうなりますか。
S:疲れます。
T:そうですね。元気になりませんよね。普通、みんな疲れますね。
S:はい。
T:たくさん運動したら、疲れるものです。

板書
たくさん運動したら、普通、疲れます。
→たくさん運動したら、普通、疲れるものです。

T:じゃあ、疲れたら、どうなりますか。本が読みたくなりますか。映画が見たくなりますか。
S:なりませんよ。
T:じゃあ、どうなりますか。
S:眠くなります。
T:そうですね。普通、眠くなりますね。
S:はい。
T:疲れたら、眠くなるものです。

板書
疲れたら、普通、眠くなります。
→疲れたら、眠くなるものです。

T:みなさんは、もし会社で働いて、毎日残業があったら、嫌ですか?
S:嫌ですよ。
T:毎日夜、10時まで残業しなければいけません。嫌ですか。
S:もちろん、嫌です。
T:どうして?
S:遊ぶ時間がありませんよ。休む時間もありません。
T:普通、残業は嫌ですね。
S:はい。
T:残業は嫌なものです。

板書
つかれたら ねむくなるものです。
残業は いやなものです。

T:つかれたら、みんなねむくなります。つかれたら、ねむくなるものです。残業はみんないやです。残業は嫌なものです。

T:「普通はそうなります」と言いたい時、「〜ものです」を使って答えます。

②基本練習:変換練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

③応用練習:文作り
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

単語 意味
世の中 the world
バカな stupid / foolish
年末 the end of the year

(4)  「もの・こと」の整理

①基本練習:選択問題
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

②応用練習
教科書では3問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

(5) ~ということだ

[意味]
伝聞表現。「~そうだ」や「~と言っていました」よりも少し硬い表現。改まった場面で使われることが多い。

[英訳]
It is said that ~
(Used to express hearsay)

①導入
始めに、既習の伝聞表現を少し復習してから、導入する。

T:S1さん、S2さんは週末、何をしましたか?聞いてください。
S1:S2さん、週末、何をしましたか?
S2:デパートへ行きました。
T:S1さん、S2さんは週末、何をしましたか?私に教えてください。
S1:S2さんは週末、デパートへ行きました。
T:行きましたですか?
S1:え?
T:S1さんはS2さんに聞きました。そして、それを私に伝えます。「行きました」いいですか?
S1:行ったそうです。
T:そうですね。
T:初級で勉強しましたね。
T:でも、もう1つ、他の言い方があります。
T:S2さんは週末、デパートへ行ったとのことです。です。

板書
S2さんは週末、デパートへ行ったそうです。
S2さんは週末、デパートへ行ったとのことです。

T:じゃあ、(天気予報を見せて)S1さん明日の天気をS2さんに伝えてください。天気予報によると?
S1:S2さん、天気予報によると、明日は雨が降るとのことです。

他のSにも天気を変えて同様の質問をしたり、他の例を出して形を確認する。

T:はい、いいですね。とのことですの前の形は何ですか。
S:普通形です。
T:そうですね。
T:「〜たそうです。」と「〜とのことです」はだいたい同じですが、「〜とのことです」の方が、少しフォーマルです。ニュースの人が話す時に使ったり、新聞のことばで使われます。

 

②基本練習:変換練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

③短作文
「友だちの国の習慣や、してはいけないこと」をテーマに短作文を書かせる。

単語 意味
宗教 religion
関係がある to have a relationship / connection
サンダル sandals
神聖な sacred

(6) 長い分の練習

①基本練習
教科書の問題が少ないので足してもいいだろう。(特に名詞修飾文)

単語 意味
食欲 appetite
進路 future course
面接 interview
仕方 wat of doing
増す to increase
たまる(ストレスが) to become stressful



本文読解

1. QAの確認

本を読む前に、 まず、QAの内容を確認する。

T:じゃあ、これから「睡眠」の文章を読みます。はじめに、プリントを配ります。1枚は「睡眠」の文章で、もう1枚は文章の問題です。
(読み物とタスクシートを配布)

T:じゃあ、最初にタスクシートを見てください。問題は3つあります。文章の質問です。みなさんには文章を読んで、答えを考えてもらいます。

2. 本文を読む

T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)

T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)

3. ピア活動

T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:(机間巡視)

4. 答えの確認

T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。

Sに質問文を読ませ、答えを確認する。

5. 本文理解・学習者の国との比較

読解後にもう少し詳しく、本文の内容をチェックしたり、学習者の国ではどうか確認したりする。

質問例
①みなさんにとって、よく寝られる一番いい方法は何ですか。

後作業:リスニングや作文など

1. チェックシート

2択問題。3〜5分程度で解かせて、答え合わせをする。時間がなければ宿題にしても良い。

単語 意味
売り sales point

2. 聴解タスクシート

CDを聞きながら、空欄の部分を記入させる。CDにはゆっくりしたスピードとナチュラルスピードが録音されているので、学習者のレベルに応じて選択すると良い。ゆっくりスピードでも生徒が聞き取れなければ、教師がもっとゆっくりしたスピードで読むと良いだろう。

3. シャドーイング

これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。

4. 作文

できる限り時間内に書かせて提出させる。

単語 意味
アンケートをとる to take a questionnaire
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