新・にほんご敬語トレーニング 第1課:訪問する

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第1課の学習項目

Can-do
友達や近所、上司の家を訪ねて、丁寧な態度で挨拶や会話ができる。
文型 語句と表現
お / ご 〜になります
お / ご 〜ください
・特別な形の敬語:いらっしゃいます、いただきます
・「ごめんください」
・「お邪魔します」
・「あの、これつまらないものですが」
・「失礼します」

1. できますか

進め方
・この課の「テーマ」と「Can do」を確認し、文章の場面を確認する。
・文章を読んで、主人公「アレックス」が使っている敬語について、どこが変か、どういえば良いのかを考えさせる。

ウォーミングアップ

T:今日のトピックは「訪問する」です。
T:訪問するはどんな意味ですか。
S:誰かの家に行くことです。
T:そうですね。

T:みなさんは、友達の家や知り合いの家に訪問する時、何か気をつけていることはありますか。
S1:特にありません。

T:じゃあ、日本人の人の家を訪問する時、何か気をつけなければいけないと思いますか。
S1:敬語を使う。
S2:丁寧な言葉を使う。
T:そうですね。

T:じゃあ、教科書を見てください。
S:(教科書を見る)
T:じゃあ、S1さん、最初の文を読んでください。
S1:(読む)
T:アレックスさんはどこへ行きますか。
S:日本人の友達の家。
T:アレックスさんはこの友達の家に行ったことがありますか。
S:いいえ、初めてです。

T:いいですね。じゃあ、二人の会話を読みましょう。

会話を読む

T:じゃあ、S1さんはアレックスさんです。S2さんは金子さんです。私は金子さんの妻です。
T:S1さん立ってください。
S1:立つ。
T:じゃあ、読みましょう。

読む時は、プリントを見ながらでいいので、役になりきって、読む。

読んだ後に・・・
T:はい、アレックスさんと、金子さんの妻の会話はどうでしたか。何か変なところがありましたか。ペアの人と相談してみてください。
S:(相談する。)

T:相談できましたか。
S:はい。
T:じゃあ、何が気がついたことはありますか。
S1:「電話をかけますか」は変です。
S2:遠慮しません。はダメですか。

Sの回答を確認した後・・・
T:じゃあ、1つずつチェックしましょう。
T:S1さん、最初の文を読んでください。

S:あのー、すみませーん!
T:これは良いですか。
S:良いと思います。
T:そうですね。でも、もっと良い言い方があります。「ごめんください」です。

板書
ごめんください。
T:じゃあ、皆さん、言いましょう、ごめんください!
S:ごめんください。
T:大きな声でいう時は、「ごめんくださーい」でもいいです。
T:じゃあ、次を読んでください。
S:主人がいつもお世話になっております。
T:これはどんな意味ですか。
S1:いつも仲良くする。
S2:いい関係。
S3:仕事を手伝う。
T:そうですね。仕事を助けてあげたり、教えてあげたりしてくれてありがとうと言う意味です。
T:そして、アレックスは何と言いましたか。
S:はい、どうも。
T:これはいいですか。
S:よくないと思います。
T:どうしてですか。
S:奥さんが「え?」っと言っていますから。
T:そうですね。びっくりしていますね。普通、「はい、どうも」と言いません。
S:何と言いますか。
T:「いいえ、こちらこそ」と言います。
板書
いいえ、こちらこそ
T:こちらこそ。は私もと言う意味です。私もお世話になっております。と言う意味です。
T:じゃあ、次の文を読んでください。
S:どうぞ。お上りください。
T:これはどんな意味だと思いますか。
S:家に入ってください。
T:そうですね。「家に入ってください」を丁寧にいう時、「お上りください」と言います。
板書
入ってください → お上りください
T:そして、アレックさんは何と言いましたか。
S:何もいいませんでした。
T:そうですね。何もいいませんでしたね。良いですか。
S:ダメだと思います。
T:じゃあ、家に入る時、何と言いますか。
S:わかりません。
T:「お邪魔します」と言います。
板書
お邪魔します
T:アレックさんは家に入りました。それから、金子部長に会いましたね。
S:はい。
T:金子部長はいらっしゃいと言いました。そしてアレックさんは何と言いましたか。
S:これはおいしいクッキーです。昨日デパートで買いました。おいしいですから食べてください。
T:はい、これはどうですか。
S:良いと思います。
T:いいですね。でも、丁寧にプレゼントや物をあげるとき、日本人はこう言います。
板書
これ、つまらないものですが、どうぞ。
T:これはフレーズです。覚えましょう。
S:つまらないものですがは、面白くないと言う意味ですか。
T:つまらないは面白くないと言う意味ですね。でも、このフレーズの意味は、プレゼントは高いものじゃない、あまり言いものじゃない、喜んでくれるかわからないとういう意味です。
T:じゃあ言いましょう。「これ、つまらないものですが、どうぞ」
S:これ、つまらないものですが、どうぞ。
チェーンドリルで物をリレーしていき、「これ、つまらないものですが、どうぞ」と言われる。
受け取る側は「ご丁寧に恐れ入ります」や「ご丁寧にどうも」と言うように指示する。
T:はい、じゃあ、次を読んでください。
S:ありがとうございます。どうぞ、おかけください。
T:はい、「おかけください」はどんな意味ですか。
S:座ってください。
T:そうですね。
板書
座ってください → おかけください
T:じゃあ、次を読んでください。
S:これ、奥さんが作りましたか?
T:これはどうですか。いいと思いますか?
S:「作りましたか」がダメだと思います。
T:じゃあ、何と言いますか。
S:お作りになりましたか?
T:いいですね。
板書
作りましたか → お作りになりましたか
T:じゃあ、次を読んでください。
S:遠慮しないで召し上がってください。
T:それから、アレックスさんは何と言いますか。
S:はい、遠慮しません。食べます。
T:はい、この文はどうですか。言いと思いますか。
S:いいえ、ダメだと思います。
T:どうして、そう思いますか。
S:奥さんが「ええ?」と言いましたから。
T:そうですね。「遠慮しません」と言うと、少し言い方が失礼ですから、「ありがとう」や、もう少し丁寧に言いましょう。
T:もう少し丁寧に言うと、「遠慮なくいただきます。」です。
板書
遠慮しません → 遠慮なくいただきます
T:はい、全部読みましたね。この後、アレックスさんは家に帰ります。帰る時、何と言って家へ帰りますか。
S:さようなら
T:金子部長に「さようなら」はあまりよくないですね。「失礼します」と言います。
板書
さようなら → 失礼します。
T:失礼します。部屋に入るときや、出るとき、帰るときに使う言葉です。「さようなら」とか「帰ります」と言う意味です。
T:みなさん、会社で仕事をして、帰るとき、さようならと言います。「お先に失礼します」と言います。
T:これは、大切な言葉ですから、覚えておきましょう。
アレックスさんの誤用まとめ
・すみませーん。 → ごめんください。
・はい、どうも。 → いいえ、こちらこそ。
・ありがとうございます。 → お邪魔します。
・これは有名なデパートで買ったクッキーです。 → これ、つまらないものですが。どうぞ。
・はい、遠慮しません。 → 遠慮なくいただきます。 / ありがとうございます。
単語 意味
主人 husband
世話 care
お世話になる to be looked after
上がる 人の家の中に入る
奥さん someone else's wife
かける to sit
椅子に座る
遠慮 be reserved
玄関 entrance hall
呼びかけ address
恐れ入る feel obliged
気軽な easy / casual



2. 敬語で行ってみよう

進め方
・正しい敬語の表現や形を確認する。
・確認できたら、もう一度、文章を正しい敬語を使って読む

T:はい、全部読めました。
T:人の家に行った時、玄関で家の人を呼ぶ時、何と言いますか。
S:「ごめんください。」
T:相手が、「いつもお世話になっております」と言ったら、何と言いますか。
S:「いいえ、こちらこそ。」
T:家に入る時、何と言って、入りますか。
S:「お邪魔します。」
T:プレゼントやお土産をあげる時、何と言ってあげますか。
S:「これ、つまらないものですが・・・。」
T:料理をみます。奥さんが作ったのかどうか知りたいです。何と言いますか。
S:「これ、奥さんがお作りになったんですか。」
T:帰る時には、何と言って帰りますか。
S:「失礼します。」

T:いいですね。じゃあ、もう一度、文章を読みましょう。

Sを指名して、教室の前で役になりきって、読ませる。

補足で、尊敬語の形も復習しておく。

3. 練習しましょう

進め方
・CDを聞きながら、練習をする。(生徒のレベルによりやり方は調整するが、基本は以下を想定)
①文字を見ながら聞いてもらう。
②慣れてきたらCDを一時停止して、リピートしてもらう。
③さらに慣れてきたら、聞く前に想像して言わせる。
④最後にもう一度、CDと、一緒に言わせる。

T:じゃあ、もう少し練習しましょう。始めに、聞いてください。
S:(CDを聞く)

T:じゃあ、今度は、リピートしましょう。
S:(CDを聞いてリピートする)

T:じゃあ、次は、聞く前に言いましょう。S1さん、1番は?
S:お使いください。

T:じゃあ、もう一度、CDを聞きながら、言いましょう。
S:(CDを聞きながら、言う。)

 問題数はあまり多くないので、もっと練習させたい場合は、例文を事前に用意しておくこと。

4. これでOK!

板書
・音声サンプルを繰り返し聞いて、一緒にリピートしたり、シャドーイングをする。
→また、宿題として、何回も家で読ませる。

T:はい、じゃあ、次のページを見てください。
T:アレックスさんは敬語の勉強をして、もう一度、金子部長の家へ行きました。
T:じゃあ、今から、CDを聞きます。教科書を見ながら、聞いてください。

CDを流す。

T:どうですか。意味がわかりましたか。
S:はい。
T:じゃあ、CDをもう一度、聞きましょう。今度は、CDと一緒に読んでください。

CDを流し、Sは一緒に読む。
CDのスピードが速い場合は、Tが読んで、Sがリピートする。

T:はい、OKです。



5. チェックしましょう

進め方
・この課で勉強した、敬語の言葉や表現を確認する。
・チェックシートに書かせてもいいが、まずは、声に出して言わせる。

T:次は、敬語の形を復習しましょう。S1さん「行きます」。尊敬語は?
S1:いらっしゃいます。

他の言葉も確認する。

6. スタイルを変えてみましょう

進め方
・敬語スタイルと友達スタイルの2通りの言い方を声に出して練習する。
・それから、CDを聞かせて、リピートさせる。

T:じゃあ、テニスをしますか。敬語スタイルは?
S:テニスをなさいますか。
T:いいですね。友達スタイルは?
S:テニスをする?

他の文も確認してから、
T:今度は、CDを聞いて、リピートしましょう。
S:(CDを聞いてリピートする)

7. やってみましょう

板書
・ロールプレイで「Can do」が達成できたかをチェックする。

T:はい、じゃあ、最後にロールプレイをしましょう。
T:(ロールカードを配布)

T:はい、じゃあ、ペアで練習してください。後で、前でやってもらいます。
T:今日勉強した言葉を使ってくださいね。

S:(練習して、発表)

 発表後に発表を見ていた学生に良かった点や、もう少し改善したところがいい点を確認する。
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