上級へのとびら 第5課 -1 「インスタントラーメン発明物語」

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本文を読む前に

1. ウォーミングアップ

T:みなさん、日本に来てどれくらいですか?
S:○年です。
T:じゃあ、たくさん日本の料理を食べていますね。
S:はい。

T:じゃあ、教科書の写真を見てください。これは何という食べ物ですか。考えてください。
S:(答えを書く)
T:じゃあ、牛丼はどれですか。
S:ご飯の上に牛肉や野菜がのっている食べ物です。
T:そうですね。

同様に他の食べ物についても確認する。

 

T:じゃあ、教科書の「食べ物と私」を見てください。みなさんの好きな食べ物、嫌いな食べ物、よく食べる食べ物、食べてみたい食べ物、etc、何ですか。ノートに書いてください。
S:(ノートに書く)

ノートに書けたら、いくつか学生の回答を聞いて、それがどんな食べ物なのか質問する。学生が説明する時、「Aの上にBがのっている食べ物」、「Aの中にBが入っている食べ物」の表現を使えそうなら、使わせる。

2. 単語の導入

T:皆さん、今までにたくさん日本の料理を食べましたね。
T:じゃあ、日本の料理を作ったことはありますか。
S1:はい、あります。
T:どんな料理を作ったことがあります。
S1:牛丼を作りました。
T:いいですね。初めて牛丼を作った時、成功しましたか?失敗しましたか?
S1:???
T:美味しく作ることができましたか。美味しく作ることができませんでしたか。
S1:美味しく作ることができました。
T:そうですか。じゃあ、初めて牛丼を作った時、成功しましたね。
S1:???

T:S2さんはどんな料理を作ったことがありますか。
S2:たこ焼きを作りました。
T:初めてたこ焼きを作った時、成功しましたか?失敗しましたか?
S2:???
T:美味しく作ることができましたか。できませんでしたか。
S2:美味しく作ることができました。
T:そうですか。じゃあ、初めてたこ焼きを作った時、成功しましたね。

T:料理を作ったり、ゲームをしたりして、上手にできることを「成功する」と言います。
T:料理を作ったり、ゲームをしたりして、上手にできないことを「失敗する」と言います。

T:じゃあ、日本の料理の中で一番好きな料理は何ですか。
S1:ラーメン
S2:寿司
S3:天ぷら
T:たこ焼きは好きですか。
S:はい、好きです。
T:どうしてですか。
S:美味しいからです。
T:みなさんの国では人気がありますか。
S:はい、ありあすよ。
T:じゃあ、いつ、初めて、たこ焼きが作られたのか知っていますか。
S;いいえ、知りません。
T:たこ焼きは1935年に遠藤留吉という人が初めて作りました。 1935年より前は「たこ焼き」はどこにもありませんでした。 まだ、世界のどこにも無いものを作ることを「発明する」といいます。
T:たこ焼きは遠藤留吉が「発明しました」。

T:じゃあ、これは何かわかりますか。
S:i-phoneです。
T:そうですね。i-phoneは、みなさんが子供の時にありましたか。
S:いいえ、ありませんでした。
T:ないですよね。これはスティーブ・ジョブスが初めて作りました。
T:スティーブ・ジョブスが世界のどこにもなかったi-phoneを「発明しました」。
T:スティーブジョブスがi-phoneを「発明しました」。

T:じゃあ、みなさん、これは何ですか?
S:ラーメンです。
T:そうですね。この2つは何が同じところは何ですか。
S1:すぐに作れる。
S2:簡単に作れる。
T:そうですね。短い時間で作れますよね。すぐ作れるラーメンを「インスタントラーメン」と言います。

T:じゃあ、この2つは何が違いますか。
S:入れ物が違います。
T:そうですね。こっちはカップに入っていますから、「カップラーメン」と言います。
T:こっちは袋に入っていますから、「袋入りラーメン」と言います。

T:じゃあ、これはどこで買えますか。
S:スーパー、コンビニ
T:そうですね。スーパーやコンビニには他にどんな物がありますか。
S:野菜、肉、おにぎりなど。
T:そうですね。いろいろな物がありますね。
T:スーパーやコンビニ、お店で売っている物を「商品」と言います。

T:じゃあ、みなさん、インスタントラーメンは食べたことがありますか。
S:はい、あります。
T:じゃあ、これは誰が発明したか、どこで発明されたか知っていますか。
S:わからないです。中国ですか。

T:じゃあ、今日はインスタントラーメンのストーリーを読みましょう。


3. 文形導入

T:本文を読む前に、少し文型の勉強をしましょう。

(1)〜さえ〜ば

[意味]
唯一の条件を仮定する。

[英訳]
Presupposes an only or particular condition.

[接続]
Vマス + さえあれば
(Aく + さえあれば) → この課では教えない。
Naで + さえあれば → この課では教えない。

[JLPT レベル]
N3

[例文]
・田中さんは暇さえあれば、本を読んでいます。
・薬を飲みさえすれば、病気が治るというものではありません。
・あの時、話し合ってさえいれば、妻と別れることはなかったのに。
・お金さえあれば、他には何もいらない。
・この子が健康でさえいてくれれば、私は幸せです。
・スマホさえあれば、テレビもパソコンもいりません。
・給料さえもらえれば、どんな仕事でも構わない。

①導入

T:皆さんは、今日本にいますが、自分の国や他の国のことを知りたい時、どうしますか。
S:インターネットを使います。
T:そうですね。インターネットがあれば、色々な国のことを知ることができますね。

板書
インターネットがあれば、色々な国のことを知ることができる。

T:じゃあ、インターネットの他に、何がありますか?
S:本、テレビ、雑誌など。
T:そうですね。テレビや新聞、本などでも知ることができますね。
T:じゃあ、インターネット、新聞、ニュース、本。この中で一番情報が多いのはどれですか。
S:インターネットです。
T:そうですね。インターネットが一番多いですね。じゃあ、インターネットがあれば、新聞やニュースはなくてもいいですよね。
S:はい。
T:インターネットだけあれば、世界のことを知ることができますよね。
S:はい。

T:インターネットだけあれば、他のものはいらない。インターネットだけあれば、できると言いたい時、「インターネットさえあれば、世界のことを知ることができる。」と言います。

板書
インターネットさえあれば、世界のことを知ることができる。

T:インターネットだけあればできる。他に何もいらないということです。

T:じゃあ、みなさん、友達に連絡したい時、どうやってしますか。
S1:電話します。
S2:LINEします。
T:そうですね。じゃあ、電話する時、LINEする時、何を使いますか。
S:スマホを使います。
T:そうですね。スマホがあれば、電話、LINEを使っていつでも、どこでも連絡できますね。
S:はい。

板書
スマホがあれば、いつでも、どこでも連絡ができる。

T:手紙、パソコン入りませんよね。スマホだけあれば、友達と連絡する時、他に何も入りませんよね。
S:はい。
T:スマホだけがあれば、他に何もいらない。スマホだけあれば、できる。と言いたい時、「スマホさえあれば、いつでも、どこでも連絡ができる」と言います。

板書
スマホさえあれば、いつでも、どこでも連絡ができる。

T:「Vする」時、「N」だけあればできる、「N」の他に何もいらないという時に使います。

T:じゃあ、皆さん問題です。

板書
ジョン君は(      )さえあれば、何でも買えると思っている。

T:(     )にどんな言葉が入ると思いますか。
S:お金。
T:はい、そうですね。

 

(2)〜に違いない

[意味]
きっと〜と思う。

[英訳]
no doubt

[接続]
普通形 + にちがいない

[JLPT レベル]
N3

[例文]
・ジェシカさんは日本に10年も住んでいたから、日本語が上手に話せるに違いない。
・トムさんは車を7台も持っているから、お金持ちに違いない。

①導入

T:みなさん。日本に20年住んでいるリンさんという人がいます。
T:日本語は上手に話せると思いますか?
S: はい、思います。
T: どれくらい話せると思いますか?
S1: いっぱい話せる。
S2:N1ぐらい。
S3:日本人と同じくらい話せる。など
T: そうですね。20年も、日本に住んでいるから、きっと日本人と同じくらい日本語が話せると思いますよね。

板書
リンさんは日本に20年住んでいるから日本語を上手に話す。

T: 「きっと上手だと思う」、「きっとうまく話せる」、「きっとそうだ」、と強く思うとき、

板書
リンさんは日本に20年住んでいるから日本語を上手に話すに違いない。

「日本語を上手に話すに違いない」ということができます。

T:じゃあ、ジェシカさんという人がいます。
T:車を5台持っています。 みなさん車を5台持っている人ってどんな人だと思いますか?
S: お金をたくさん持っている人、社長など。
T: そうですね。5台も持っている人は、きっとお金持ちだと思いますよね。

板書
ジェシカさんは車を5台持っているから、お金持ちだと思います。

T:彼女はお金持ち きっとお金持ちだ、絶対お金持ちだ、と強く思うときは、

板書
ジェシカさんは車を5台持っているから、お金持ちに違いない。

T:「お金持ちに違いない。」と言うことができます。
T: 「~に違いない」は「絶対に~だ」という意味です。

T:この「~」には名詞や動詞、イ形容詞、ナ形容詞(の普通形)が 入ります。

T: じゃあ、みなさんに問題です。

板書
あのレストランはいつも人が多いから、____に違いない。

T: この「_____」にはどんな言葉が入ると思いますか?
S: 料理がおいしい、料理が安い、人気がある など。
T: はい。そうですね。合っています。

本文読解

1. QAの確認

本を読む前に、 まず、QAの内容を確認する。

T:じゃあ、これから「インスタントラーメン発明物語」の文章を読みます。はじめに、プリントを配ります。1枚は文章で、もう1枚は文章の問題です。
(読み物とタスクシートを配布)

T:じゃあ、最初にタスクシートを見てください。問題は6つあります。文章の質問です。みなさんには文章を読んで、答えを考えてもらいます。

2. 本文を読む

T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)

T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)

S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)

3. ピア活動

T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:(机間巡視)

4. 答えの確認

T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。

Sに質問文を読ませ、答えを確認する。

5. 精読

各段落ごとにQ&Aを通して、意味や文法を確認して行く。

後作業

1. 学習者の国と比較したり、もう少し本文について詳しく質問する

学習者の国で発明されたものや、発明者の安藤百福の行動について話し合う。

2. シャドーイング

これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。

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