にほんご語彙力アップトレーニング 第2課:病気・症状

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使用教材

1. 絵を見て考えよう

どんな症状
授業メモ!
以下の導入例では「どんな病気になったことがありますか?」から始めているが、時々マニアックな病名も出てくることがあるので「今まで勉強した病気の言葉は何ですか?」と問いかけたり、最初から教科書の絵について話し合うなど、クラスのレベルや状況に応じて、柔軟に対応してください。

T:皆さん、今まで何か病気になったことがありますか。
S:はい。もちろんですよ。
T:どんな病気になったことがありますか。
S1:風邪を引いたことがあります。
S2:熱が出ました。
T:じゃあ、教科書の絵を見てください。4人の人がいますね。どんな病気や症状ですか。
S:「症状」は何ですか。
T:何だと思いますか?絵を見て意味を考えてください。
S1:病気の状態?
S2:怪我の状態?
T:そうですね。病気や怪我の状態を「症状」と言います。

T:じゃあ、絵を見てください。4人の人がいます。どんな症状ですか。
S1:熱があります。
S2:腕が壊れました。
S3:泣いています。
S4:お腹がいたそうです。
T:腕が壊れていますね。これを何というと思いますか。
S:・・・・。
T:骨が・・・?(折るジェスチャーをして)
S:折る?
T:受け身は?
S:折れる?
T:はい、そうですね。「骨が折れる」と言います。
T:でも、もう一つの言い方もあります。(「骨」と「折」の漢字に線を引いて板書する)「骨折する」。
T:何と読みますか?
S:ほねおれする?
T:「骨折(こっせつ)する」と言います。

T:じゃあ、(下痢の人を指して)これはどうですか。
S:お腹が痛い。
T:そうですね。お腹が痛くなることを何と言いますか?
S:お腹が痛くなる。
T:そうですね。他の言い方を知っていますか。
S:知りません。
T:「お腹を壊す」と言います。
T:じゃあ、(吹き出しを指して)これは何ですか?
S:水?
T:そうですね。水みたいですね。お腹が痛いです。そしてトイレに行きました。(うんこは)水みたいですね。
T:これを何と言いますか。
S:・・・。
T:これを「下痢」と言います。
T:じゃあ、下痢の反対の言葉を知っていますか。
S:いいえ。
T:「便秘」と言います。

T:じゃあ、(他の絵を指して)この人はどうですか。
S:熱があります。
T:そうですね。熱があります。

T:熱は高いと思いますか。低いと思いますか。
S:高いと思います。
T:そうですね。高い熱を何と言うか知っていますか。
S:たか熱?
T:「高熱」と言います。

T:じゃあ、(板書)高熱が_____?
S:ある?
T:はい、もう一つ言い方があります。
T:「高熱が出る」と言います。

T:じゃあ、この人はどうですか。泣いていますね。
S:目が痛いんだと思います。
T:そうですね。

後で説明が必要な語彙
たんが出る、寒気がする、ゾクゾクする、鼻がつまる、めまいがする、クラクラする、食欲がない、吐き気がする、血が出る、擦りむく、手が腫れる、湿疹、蕁麻疹
どうしたら治る? / どんな薬がある?

T:今、4人の人の症状を考えてもらいました。じゃあ、怪我をしたり、病気になったら、どうすれば治ると思いますか。
S:薬を飲む。
T:そうですね。例えばどんな薬ですか。
S1:風邪の薬
S2:熱の薬
T:いいですね。薬には色々な種類があります。
T:例えばこれです。(写真を見せて)何が違いますか。
S:形
T:そうですね。この形の薬を「カプセル」と言います。そしてこの薬を「錠剤」、この薬を「粉薬」と言います。
T:じゃあ、(板書)薬を_________?何ですか?
S:飲む
T:はい、そうですね。カプセル、錠剤、粉薬は全部、飲む薬ですね。
T:飲む薬を「飲み薬」と言います。

T:じゃあ、目が痛い時やかゆい時はどんな薬を使いますか?
S:目の薬です。
T:目の薬を何と言うか知っていますか?
S:めくすり?
T:「目薬」と言います。

T:じゃあ、目薬を_____?何ですか?
S:入れる?
T:「目薬をさす」と言います。

T:今、目薬、カプセル、錠剤、粉薬の4つを勉強しました。他にどんな薬を知っていますか?
S:クリーム?
T:そうですね。クリームを________?
S:塗ります。
T:はい、塗る薬ですから、「塗り薬」と言います。

T:色々な薬がありますね。じゃあ、この写真のものは何ですか。
S:注射?
T:はい、注射ですね。注射を____?何ですか。
S:さす?
T:「注射を打つ」、あるいは、「注射をする」と言います。

後で説明が必要な語彙
鎮痛剤、解熱剤、ビタミン剤、下痢止め、せき止め、痛み止め、かゆみ止め、点滴を打つ・する、処方箋、薬を出す、診察を受ける、診察室、保険証、診察券
病気にならないために何をする?

T:じゃあ、病気にならないために何をすれば良いと思いますか。
S1:手を洗います。
S2:マスクを・・・
T:「マスクをします」と言います。
T:(うがいの写真を指して)これは?
S:わかりません。
T:「うがいをする」と言います。

後で説明が必要な語彙
睡眠をとる、栄養、ビタミン、水分をとる

 単語を覚えることがゴールではないので、時間がなければ単語リストなどを渡して、暗記は宿題とする

T:はい、今日のトピックは「病気・症状」です。
T:このレッスンのゴールは何ですか?
S:病院で病気やけがの症状を伝えることができる。
T:そうですね。後でみなさんには病気の症状を日本語で説明してもらいます。

T:じゃあ、もう少し病気の言葉と表現を勉強しましょう。



2. ことばを増やそう

メモ
プリントを配布すると、答えがわかってしまうので、最初は絵カードを使って確認する。

1.病気・症状

一つ一つ絵を見ながらさっと確認していく。まだ、紹介していない言葉は少し時間をとってもいいだろう。

「花粉症」や「じんましん」のようにかなり難しい語彙もあるので、追加で絵を用意するなり、英語で説明するなりする必要があると思います。

単語意味
だるいsluggish
下痢diarrhea
便秘constipation
たんphlegm
熱っぽいfeverish
寒気a chill
ゾクゾクするfeel chilly
詰まるbe stuffy
めまいdizziness
食欲appetite
けがinjury
腫れるswell
擦りむくgraze
ひねるtwist
アレルギーallergy
花粉症hay fever
湿疹eczema
じんましんhives
補足
この課では、「〜気味」と「〜っぽい」という表現が出てくる。まだ未習の場合は違いを聞かれることもあるかもしれないので、答えられるように準備しておきましょう。

2. 治療・予防

まだ、導入で紹介した言葉をさらっと確認し、まだ紹介していない言葉を中心に会話を進めていく。

単語意味
塗るto spread on
注射injection
点滴intravenous drip / IV
睡眠sleep
栄養nutrients
水分fluid
処方箋prescription
診察するgive a medical examination
診察券consultation ticket
けがinjury
腫れるswell
擦りむくgraze
ひねるtwist
アレルギーallergy
花粉症hay fever
湿疹eczema
じんましんhives

3. 下線に入ることばをかえてみよう

空欄に言葉を入れて文を言う練習をする。

4. ことばを言いかえてみよう

教科書の例文をリピートする。それから、Tが変換練習。

T:頭が痛い。
S:頭痛がする。

5. 症状を説明する

ロールプレイで使う表現なので、色々な病気の言葉を使って文で話す練習をする。

5分〜10程度時間をとってペアで練習させても良い。



3. 練習してみよう

T:じゃあ、今、病気と症状の言葉と表現を勉強しましたから、少し練習しましょう。

プリントを配布し、学生に記入させて、答え合わせをする。

4. 聞いてみよう

メモ
CDを聞く前に(    )に入る言葉や表現を考えさせる。

T:じゃあ、これから、病気の治し方のCDを聞きます。

T:CDを聞くまでに、文章を読んで、(    )の言葉を考えてみてください。
S:(答えを考え、記入する)

T:わからない言葉や漢字がありましたか。
S:いいえ、ありませんでした。
T:じゃあ、CDを聞いてみましょう。
S:(CDを聞く。)
T:はい、全部聞けましたか。
S;はい。
T:じゃあ、答えを確認しましょう。

答えを確認できたら、その他の問題にも挑戦する。

授業メモ
日本の古い習慣で「喉が痛い時にネギを巻く」という習慣について、たいていの学生がびっくりします。

もう一歩!

学習者の国では、何か変わった病気の治し方があるか質問する。

T:今、色々な国の病気の治し方を聞きましたね。
S:はい。
T:じゃあ、みなさんの国では何か面白い病気の治し方がありますか?

5. やってみよう

メモ
この課のゴール。学習した言葉を使って学習者の国の料理や好きな料理の作り方を紙に書いて発表させる。
「タスク説明」→「例をチェック」→「再度、タスク説明」→「準備」→「発表」という流れで進める。

T:じゃあ、最後にロールプレイをしましょう。
T:みなさんには医者と患者になってもらいます。

T:始めに医者と患者の会話を読んでみましょう。
T:じゃあ、S1さん読んでください。
S1:(読む)

必要に応じて、例文で使われている言葉や表現を再度、確認する。

T:じゃあ、今度はCDを聞いてみましょう。
S:(CDを聞く)
T:はい、CDを聞きましたね。じゃあ、今度はみなさんに発表してもらいます。

T:今からロールプレイをします。
T:ペアの人とロールプレイをしますから、医者と患者どっちが良いか決めてください。
S:(役割を決める)

T:じゃあ、初めにこの教科書の会話をペアで練習してください。
S:(練習する)

T:じゃあ、今からタスクシートを配ります。
T:何をするか読んでください。そしてペアで練習してください。
T:5分練習します。それから前で発表します。
S:はい。
T:じゃあ、練習してください。

(練習後、前で発表する。)

授業メモ!
ロールカードBに「骨折する」があるので、「包帯を巻く」や「レントゲンを撮る」などの単語も導入しておいたほうが、タスクがやりやすくなると思います。

発表が終わったら第2課のCan-doをチェックする。

T:みなさん、発表しました。今日のゴールは何でしたか?覚えていますか。
S:病院で病気やけがの症状を伝えることができる。です。
T:そうですね。できましたか。
S1:はい。
S2:まぁまぁ。
S3:難しかったです。
T:S3さん、何が難しかったですか。
S3:まだ、言葉をちゃんと覚えていません。
T:そうですね。もう少し言葉を覚えていれば、上手に発表できたと思います。

T:今日は、病気や症状の説明の仕方を勉強しました。日本で病院に行く機会があったら、今日勉強した言葉や表現を使ってくださいね。

T:それでは、今日の授業は終わります。
S:ありがとうございました。

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