
使用教材
準備物
本文を読む前に
1. ウォーミングアップ(教科書の問い)
「本文を読む前に」は基本的に宿題としておいても良い。
今回の教案では海外で日本語を教えている先生を対象としているが、国内で教えている方でも一部の内容を置き換えれば利用可能。
 T:皆さんは日本に行ったことがありますか。
 S:はい。
 T:じゃあ、この地図を見てください。日本はどこにありますか。
 S:そこです。
T:そうですね。日本の近くにはどんな国がありますか。
 S:韓国や中国があります。
 T:ありますね。皆さんは日本のどこに行ったことがありますか。
 S:東京、大阪、北海道など。
 T:北海道はどこにありますか。
 S1:上にあります。
 S2:日本の北にあります。
(他の都道府県についても質問する)
T:じゃあ、東京で何をしましたか。
 S1:東京スカイツリーに行きました。
 T:いいですね。東京スカイツリーは東京で有名なところですね。
 S1:はい。
 T:有名で良いところを「名所」と言います。
 T:東京の名所は東京スカイツリーだけですか?
 S1:東京タワーがあります。浅草があります。
 T:そうですね。 
T:じゃあ、S2さん、北海道で何をしましたか。
 S2:海の食べ物を食べました。
 T:いいですね。新鮮な海の食べ物を「海鮮」と言います。
 T:北海道は海鮮がとても美味しいですから有名ですね。
 S2:はい。
 T:有名な物や食べ物を「名物」と言います。
T:じゃあ、今から紙を配ります。
 T:皆さんの国の名所と名物はなんですか。また、どんな所?どんな物ですか?
 T:書いてください。 
(紙を配布し書かせ、書き終えたら発表する)
T:じゃあ、今日は日本の地理、名所、名物について勉強しましょう。
2. 日本の地理について
T:地図を見てください。日本にはたくさん島がありますね。
 S:はい。
 T:いくつあると思いますか。
 S1:300
 S2:1000
 T:実は、6852あります。
 S:えぇ、多いですね。
 T:そうですね。多いです。でも、(地図を指しながら)大きい島はいくつですか?
 S:4つです。
 T:そうですね。大きい島は4つだけです。
 T:これは何ですか。
 S:北海道です。
 T:そうですね。じゃあ、一番大きいこの島は?
 S:わかりません。
 T:「本州」と言います。
 T:じゃあ、この島は?愛媛、香川、高知、徳島の4つありますね。
 S:4島ですか。
 T:「四国」と言います。
T:じゃあ、最後にこの島は何ですか。
 S:「九州」ですか。
 T:そうですね。
 
 
2. 文形導入
T:本文を読む前に、少し文型の勉強をしましょう。
(1) 形容詞の名詞化
[意味]
 形容詞を名詞化して使う。
[英訳]
 Used to nominalize an adjective.
①導入
 T:皆さん、富士山を見たことがありますか?
 S:はい、あります。
 T:富士山、3776mです。(板書)
 T:富士山の何が3776mですか?
 S:高いです。
 T:富士山の高いですか?
 S:高・・・・。
 T:富士山の高さは3776mです。
T:これは何ですか?
 S:シャーペンです。
 T:そうですね。(長さをはかるジェスチャーをして)14cmです。
 T:シャーペンの何が14cmですか。
 S:長い。
 T:シャーペンの長さが14cmです。
T:富士山の高さ、シャーペンの長さ、「高さ」と「長さ」は動詞、形容詞、名詞、何ですか?
 S:名詞です。
 T:そうですね。じゃあ、「高い」、「長い」は?
 S:い形容詞です。
 T:そうですね。「高い」はい形容詞、「高さ」は名詞、「長い」はい形容詞、「長さ」は名詞です。
 T:じゃあ、「明るい」の名詞は?
 S:明るさ
 T:そうですね。
T:じゃあ、な形容詞「きれいな」の名詞は?
 S:きれいなさ?
 T:きれいさです。
T:ああ、「便利な」は?
 S:便利さ
 T:そうですね。
(2) 連用中止
[意味]
 動詞文や、い形容詞文の接続のしかたの一つ、並列や理由を表す。
 ・行為の順序や対立する内容を表す際に使われる。
 ・「作り方」や「使い方」の説明でもよく使われる。
 ・書き言葉でよく使われる。
[英訳]
 Used to connect verb sentences or い-adjective sentences. It shows a parallel relationship or indicates a reason.
[接続]
 V(ます)の語幹  *「いる」は「おり」になる。
 いA-く
[例文]
 ・本を読み、しばらく考える。
①導入
 [動詞]
 T:S1さん、昨日、何時に起きましたか?
 S1:7時に起きました。
 T:それから、何をしましたか?
 S1:朝ごはんを食べました。
 T:それから?
 S1:テレビを見ました。
T:文を1つにしてください。
 S1:7時に起きて、朝ごはんを食べて、テレビを見ました。
T:いいですね。今日は、他の言い方を覚えましょう。
 T:7時に起き、朝ごはんを食べ、テレビを見ました。です。
他のSにも何をしたか質問し、同じように導入する。
T:「起き」、「食べ」、形はなんですか?
 S:ます形です。
 T:そうですね。
T:この文法は書くときによく使います。それから、スピーチやプレゼンテーションなど、フォーマルなシチュエーションでも時々、使われます。それから、「料理の作り方」や「機械の使い方」でも、時々使われます。
[い形容詞]
 T:S1さんの国(マレーシア)はどんな国ですか。
 S1:暑いです。それから、賑やかです。
T:じゃあ、文を1つにしてください。
 S1:暑くて、賑やかです。
T:はい、皆さん勉強しましたね。これも他の言い方があります。何ですか?
 S:暑く、賑やかです?
 T:はい、そうです。暑く、賑やかです。です。
(3) V(ます)始める
[意味]
 ・動作のできごとの開始を表す。
[英訳]
 start to V
 (There expressions are used to show when an action or event begins)
①導入
 T:もうすぐ、春ですね。
 S:はい。
 T:春が来ると、どうなりますか。
 S:桜が咲きます。
 T:そうですね。今、どうですか?桜が咲いていますか?
 S:少しだけ、咲いています。
 T:少しだけ咲いていますね。これから、たくさん咲きますね。
 T:桜が咲き始めました。
T:先週、私は犬を飼いました。これです。
 S:かわいいですね。
 T:はい、とてもかわいいです。
 T:先週に犬を飼いました。私と犬の生活が始まりました。
 T:私は犬を飼い始めました。
犬をかい始めました。
T:桜が咲きます。始まります。桜が咲き始めます。犬を飼います。犬と私の生活が始まります。犬を飼い始めます。です。
 
T:始めますの前は何形ですか。
 S:ます形です。
②形の確認
 文字カードを見せて、「V始める」、「V終わる」で答えさせる。
(4) 〜は〜で有名だ。
[意味]
 地域の名所や名物を伝える時に使う表現。
[英訳]
 famous for
[備考]
 ・N1はN2で有名だ:N1がN2を有名にしている。
 ・N1はN2が有名だ:N1の中で有名なものはN2である。 
 
 
本作業 例1:読解練習
1. QAの確認
本を読む前に、 まず、QAの内容を確認する。
T:じゃあ、これから「日本の地理」の文章を読みます。はじめに、プリントを配ります。1枚は文章で、もう1枚は文章の問題です。
 (読み物とタスクシートを配布)
T:じゃあ、最初にタスクシートを見てください。問題は6つあります。文章の質問です。みなさんには文章を読んで、答えを考えてもらいます。
2. 本文を読む
T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
 (教師が文章を全て読む:範読)
T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
 (わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
 T:(机間巡視)
3. ピア活動
T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
 S1:わかりました。
 T:S2さんどうですか?
 S2:あまりわかりませんでした。
 T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
 S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
 T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
 S:(席を移動する)
 T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
 S:(ペアで答えを検討する)
 T:(机間巡視)
4. 答えの確認
T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。
Sに質問文を読ませ、答えを確認する。
本作業 例2:精読
学習者のレベルが低ければ、いきなり読解にチャレンジするのは難しい。
「上級へのとびら」は他の中級教材に比べ文字が小さく、多いので、学習者の負担になることがある。
そんな場合は、段落ごとに区切って意味を確認していく作業の方が良いかもしれない。
導入部(1〜4行目)
本論(5〜7行目)
・日本にはいくつの島がありますか。
・アメリカと日本とどちらの方が大きいですか。
・オーストラリアと日本とどちらの方が大きいですか。
・アメリカとオーストラリアとどちらの方が大きいですか。
・「〜できています」とはどういう意味だと思いますか。
本論(8行目〜11行目)
・静岡県は何で有名ですか。
・広島県には何がありますか。
一都、一道、二府を確認する時に、地図を使って、どこにあるのか確認する。静岡や広島についても同様。
本論(12行目〜17行目)
・「沖縄や九州で泳げる時に、北海道では雪が降っていることもあります」とはどういう意味ですか。
・「その木の下で」の「その」は何ですか。
・みなさんの国では地域によって、気候が異なりますか。
・「〜ことがあります」はどういう意味だと思いますか。
・「〜よって違う」はどういう意味だと思いますか。
本論(18行目〜22行目)
・「選ばれました」の動詞の形は何ですか。
本論(23行目〜30行目)
・「リラッスクします。」は誰がリラックスしますか。
・どんな露天風呂が人気がありますか。
・愛媛県はどこにありますか。探してください
終結部(31行目〜33行目)
・「土産話」とはどういう意味だと思いますか。(「土産」という言葉と「話」という言葉から意味を考えさせる。)
後作業
1. 学習者の国と比較したり、もう少し本文について詳しく質問する
・旅行に行った時の土産話がありますか。
・あなたの国の名所や名物は何ですか。(ウォーミングアップ時に実施しなかった場合)
2. シャドーイング
これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。
 






