初級の文型を全部学習し終えても、うまく日本語を話せない学生は少なからずいますよね。
その原因の一つとして、以前こちらの記事で「いつ、その文法を使うのかわからない」、「その場面で使うべき日本語がわからない」などの理由を紹介しました。
しかし、話せない他の原因として「授業で習った語彙や表現だけでは言いたいことが言えない」、「単純に語彙力が少ない」と言った意見もあるようです。
そのため、初級の文法が終わると中級レベルの学習に向けて語彙力アップも必要になってきます。
そこで役に立つのが今回紹介する「にほんご語彙力アップトレーニング」という書籍です。
今回は私のクラスでも使っているこの本について紹介します。
「にほんご語彙力アップトレーニング」ってどんな本?
「授業で習った語彙・表現だけでは言いたいことが十分に言えない」、「自分で辞書で調べてみるが、適切な語彙が選べない」、そんなもどかしさを感じている学習者は少なくありません。
そこで開発されたのがこちらの教科書で、初級終了から中級レベルの学習者を対象に、身近な生活場面や日本文化・習慣などで使われる単語が紹介されています。
また単語の紹介のみならず、バリエーション豊かなドリル・ロールプレイ・発表などのタスクを用意されているので、丸暗記で終わることなく、トピックに関する会話の練習にも最適です。
本書の内容
こちらが本書で登場する内容です。
「料理」や「病気・症状」、「結婚」など身近なテーマが多いので、役立つ語彙をたくさん学ぶことができます。
また、先ほども言いましたが、単語の紹介だけでなく「料理の作り方が説明できる」や「医者に症状を説明できる」のように各課でCan-doが設定されていて、Can-doを達成するために「単語」→「句」→「文」→「文章(ロールプレイ)」で練習するような流れになっています。
そのため、単なる暗記ではなく日本後の運用力をトレーニングすることが可能です。
- 1課 電子レンジでチンする -料理-
- 2課 寒気がする ―病気・症状―
- 3課 カジュアルな感じ ―服選び―
- 4課 発想力が豊か ―性格―
- 5課 2LDKの高層マンション ―家探し―
- 6課 価値観が合う人 ―結婚―
- 7課 桜が舞う ―季節―
- 8課 猫の手も借りたい ―慣用句・ことわざ―
- 9課 富士山 ―世界遺産・名所紹介―
- 10課 50%を占めている ―グラフ―
以下の画像は第5課の「2LDKの高層マンション -家探し-」 のサンプル画像になります。
まず、最初に5課のトピックである「家探し」について、「どんな家に住んでみたいか」、「家を探す時の基準は何か」など学生に問いかけながら新しい語彙を導入していき、この課の目標(Can-do)をチェックします。
トピックに関する話し合いが終わったら、絵を見ながらもう少し「単語」を紹介していきます。そして、その単語を使って「句」を言ってみたり、言葉を言い換えてみたりして、Can-doを達成するために必要な表現を学習します。
そして、ある程度、練習ができたら練習問題を使って、正しく言葉が使えるか確認します。
その後は、「聞いてみよう」という項目で、ここでは実際にCDを聞いて、どんなことを話しているか確認します。
空欄に入る言葉を聞き取るだけだと、答えだけに集中して文の内容に目を向けない学生もいるので、CDを聞く前に空欄に入る言葉を推測したり、文全体はどんな話か確認しておくと、良いと思います。
そして、「聞いてみよう」が終わると、最後は「やってみよう」でこの課学んだ言葉や句を使ってロールプレイや発表などを行います。
尚、各課に登場する語彙は別冊に英語・中国語・ベトナム語訳でまとめられているので、単語の予習や復習にも利用できます。
口コミ
今のところこれと言った口コミは無いようです。
最後に
今回は単語・会話力をアップさせるためにオススメの書籍「にほんご語彙力アップトレーニング」を紹介しました。