げんき2 初級日本語 第17課

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使用教材

げんき2 初級日本語

できるようになること (Can-do)

・ぐちを言うことができる。
・うわさをすることができる。
・聞いたことを伝えることができる。
・推測することができる。
・何かを他の物や人にたとえることができる。

文法を教える前に

げんきの教科書では文法解説がセットになっているので、事前に読んできてもらうとスムーズに授業を進めるできるだろう。また、授業の開始時に第17課の会話ビデオを見せて、この課でどういったことを学ぶのか考えさせると、学習者のゴールが明確化されて、いいのではないでしょうか。

動画はこちらからダウンロード可能

語彙の導入

新出語彙は事前に宿題として、読む練習+暗記をしてきてもらう。ただし、数が多く学習者の負担になる場合は、必要最低限覚えてきて欲しい単語をこちらから提示する。

授業のはじめに、絵カードを見せて、Tのリピート、 Sだけといった流れで習熟度を確認する。絵カードは自作が面倒な方には、教科書準拠の絵カードが出版されているので、こちらを使うことをオススメする。

げんきな絵カード2

文法の導入

1. 〜そうです(I hear:伝聞)

導入

T:(天気予報の絵を見せて)私は、今朝、天気予報をみました。男の人は「明日は雨が降るでしょう。」と言っていました。明日は雨が降るそうです。

T:私はアメリカに行ったことがありません。でも、アメリカ人の友達がいます。トムさんです。私はアメリカに行ったことがありませんから、トムさんに質問します。「アメリカは暑いですか。」トムさんは「夏はとても暑いです」と言いました。アメリカの夏はとても暑いそうです。

T:S1さん○○レストランへ行ったことがありますか。
S1:はい。
T:そうですか。私はまだ、行ったことがありません。美味しいですか。
S1:はい、美味しいですよ。
T:へぇ、そうですか。S2さん、○○レストランへ行ったことがありますか。
S2:いいえ、まだありません。
T:そうですか。○○レストランはとても美味しいそうです(よ)。

T:S1さんは週末何をしましたか。
S1:映画をみました。
T:S2さん、S1さんは週末、映画を?
S2:見たそうです。

板書
明日は雨が 降るそうです。
アメリカの夏は とても 暑いそうです。I hear that ~ :~そうです。

  "seems"の「〜そうです」と混乱する学生もいるので、形容詞はたくさん例をあげ、形の違いを理解させる必要がある。

練習

●変形練習

T:何も買いませんでした。
S:何も買わなかったそうです。

・明日は雨が降ります。
・シーラさんは昨日、デパートに行きました。
・今、韓国は寒いです。
・ベトナム料理は美味しいです。
・ケーゼルさんは写真が好きです。
・ジョンさんは昨日、10時間も勉強しました。
・ジェラルドさんは宝くじを3枚買いました。
・マーガレットさんは年末、タイに行きます。
・私の姉は32歳です。
・明日、友達と遊びます。
・昨日、映画を見ました。
・もうすぐ台風が来ます。

●生徒同士で趣味や週末にしたことなどをインタビューさせ、「〜そうです」を使って発表する。

2.〜って

●「〜そうです」や「〜と言っていました」のcasualな表現。

導入

T:S1さん、週末何をしましたか。
S1:映画をみました。
T:皆さん、S1さんは週末、映画を見たそうです。S1さん、S2さんに聞いてください。
S1:S2さん、週末何をしましたか?
T:S1さんとS2さんは友達ですよ。「ましたか?」ですか?
S1:何をした?
S2:買い物をした。
S1:S2さんは週末、買い物をしたそうです。
T:「買い物をしたそうです。」これはカジュルじゃないです。
T:S2さんは、週末買い物をしたって。です。

板書
S2さんは 週末 かいものをしたって。

他の生徒にも質問させる。

  文型自体は難しくないが、「っ」の白の取り方が難しいので何度も練習すること。

練習

●動詞を見せて「〜って」で答える練習。

●来週の休日に何をするかインタビューして発表。


3. 〜たら

導入(仮定条件)

[①Vたら]

T:(i-padの写真を見せて)欲しいですか。
S1:はい、欲しいです。
T:どうして買いませんか。
S1:お金がありませんから
T:If you have a lot of money, 買いますか?
S1:はい。
T:S1さんはお金があったら、i-padを買います。

T:私はお金がありません。お金がたくさん欲しいです。お金があったら、家を買います。お金があったら、カメラを買います。お金があったら、コンピューターを買います。S1さんは?
S1:お金があったら、家を買います。

他のSにも質問する。

T:来週、京都へ行こうと思っています。でも、雨が降るかもしれません。うーん、雨が降ったら、京都へいきません。雨が降らなかったら、いきます。S1さんは来週の日曜日、何をしますか。

板書

来週 雨が降ったら 京都へ いきません。

来週 雨が降らなかったら 京都へ いきます。

[②形容詞 / 名詞 + たら]

T:みなさんの家にパソコンがありますか。
S:はい、あります。
T:いいですね。私の家にパソコンがありません。欲しいです。来週、デパートで買います。高い、買いません。安いです、買います。高かったら買いません。安かったら買います。
T:このパソコンは5万円です。少し高いです。(5万円→2万円と買いて)2万円だったら買います。5万円だったら買いません。

板書
高いです。 / 買いません。 → 高かったら、買いません。
安いです。/ 買います。  → 安かったら、買います。5万円です。 / 買いません。 → 5万円だったら、買いません。
2万円です。/ 買います。  → 2万円だったら、買います。

T:私は毎日、忙しいです。土曜日と日曜日も働きます。旅行したいです。暇だったら、旅行します。

板書

高いです。 / 買いません。 → 高かったら、買いません。
安いです。/ 買います。  → 安かったら、買います。

5万円です。 / 買いません。 → 5万円だったら、買いません。
2万円です。/ 買います。  → 2万円だったら、買います。

暇だったら、旅行します。

T:な-adjectiveとNounは同じ形です。

練習(仮定条件)

●動詞を与えてVたら、Vなかったらの形を練習

歩く、飲む、雨が降る、勉強する、食べる、行く、登る、撮る、わかる、ある、来る

●形容詞・名詞を与えて、Aたら・Nならの形を練習

暑い、寒い、高い、安い、辛い、甘い、頭が良い、忙しい、面白い

暇、好き、嫌い、便利、有名、元気

日本人、明日、いい天気、雨、試験

●結合練習

・お酒をたくさん飲みます。顔が赤くなります。
・明日、雨が降ります。テニスをしません。
・お金があります。パソコンを買います。
・たくさん勉強します。上手になります。
・お酒を飲みます。車を運転してはいけません。
・意味がわかりません。先生に聞きます。
・雨が降りません。友達と遊びます。
・バスが来ません、タクシーで行きます。
・漢字がわかりません。辞書で調べます。
・時間がありません。朝ごはんを食べません。
・暇です。映画を見ましょう。
・このパソコンは安いです。買います。
・暑いです。出かけません。
・美味しいです。食べたいです。
・忙しくないです。パーティーに行きます。
・元気です。走れます。
・家が欲しいです。たくさん働いてください。
・映画が好きです。一緒に見ようか。
・天気が悪いです。行きません。
・日本人です。この言葉を知っています。

●後件作成

・宝くじに当たったら、
・天気が悪かったら、
・JLPT N5に受かったら、
・お金がたくさんあったら、
・日本に行けたら、
・宿題が終わらなかったら、
・部屋が汚かったら、
・パスポートを失くしたら、
・病気になったら、
・車があったら、
・時間があったら、
・暑かったら、
・眠かったら、
・寂しかったら、
・試験が簡単だったら、

●絵を見せて「〜たら」を使って答える練習

●Q&Aで練習

導入(確定条件)

●前件の動作、あるいは出来事が確定した(完了した)あとで引き続き何かをする予定があることを述べる。

T:みなさんは、今、日本語を勉強していますね。授業は5時までです。それから、何をしますか。
S:家へ帰ります。
T:S1さんは家へ帰ります。それから、何をしますか。
S1:寝ます。
T:S1さんは家へ帰ったら、寝ます。

他のSにも質問する。

板書
家へ帰ります。(帰りました。) → 寝ます。

家へ帰ったら 寝ます。

T:この「たら」と、(確定条件の「たら」を指して)この「たら」は同じじゃありません。(仮定条件の「たら」を指して)この「たら」は「if」です。(「確定条件」の「たら」を指して)これは、この(前件)event/actionが終わります。そして、この(後件)のevent/actionをします。

 この文型は「V1が完了した場合、V2が起きる」という意味の確定条件で、「○○になった場合」で使われる「たら」は仮定条件である。

 確定条件の「たら」は「V1が完了したら、必ずV2を行う」という文型だが、「Vてから」は「V1の次に色々できる中からV2を行う」という文型である。そのため、確定条件の「たら」は機械的なものに用いられることが多い。

練習(確定条件)

●結合練習

T:大学を卒業します。働きます。
S:大学を卒業したら、働きます。
T:田中さんが家へきます、デパートへ行きます。
S:田中さんがうちへ来たら、デパートへ行きます。

●Q&Aで練習

T:日本語が上手になったら何をしますか。
S:日本で働きます。

4. 〜なくてもいいです

●12課で勉強した「〜なければいけません」を使って、導入する。

導入

T:日本語の授業はいつありますか。
S:月曜日から金曜日まであります。
T:そうですね。皆さんは、月曜日から金曜日まで、学校に来なければいけませんね。
S:はい。
T:土曜日は学校に来なければいけませんか?
S:いいえ、来ないです。
T:いいえ、来なくてもいいです。

T:日曜日は学校に来なければいけませんか?
S:来なくてもいいです。

T:S1さんは毎日、何時に起きますか?
S:6時に起きます。
T:早いですね。どうしてですか。
S:仕事がありますから。
T:そうですか。土曜日も早く起きなければいけませんか?
S:いいえ、早く起きないです。
T:早く起きなくてもいいです。

板書

土よう日は はやく おきなくても いいです。

V(nai form) なくてもいいです。:don't have to

練習

●動詞の絵カードを見て、「Vなくてもいいです」の形で答える練習

●変換練習

・早く起きません→早く起きなくてもいいです。
・今日は授業がないから、学校に行きません。
・宿題をしません。
・全部、食べません。
・時間がありますから、急ぎません。
・毎日、勉強しません。
・心配しません。
・電気を消しません。
・この漢字を覚えません。
・今日は休みですから、働きません。

●Q&Aで練習

・土曜日、学校へ来なければいけませんか。
・毎日、日本語を勉強しなければいけませんか。
・毎日、7時に起きなければいけませんか。
・熱があります。学校へいかなければいけませんか。
・みなさん、お金持ちにならなければいけませんか。

5. 〜みたいです

導入 (名詞+みたいです)

T:(歌舞伎の女形の写真を見せて)男の人ですか。女の人ですか?
S:男の人だと思います。
T:はい、男の人です。でも、女の人みたいです。

T:これは何ですか。
S:鞄ですか?
T:はい、鞄です。でも、この鞄は絵みたいです。

T:これは何ですか?
S:タバコですか?
T:いいえ、タバコじゃありません。お菓子です。でも、これはタバコみたいです。

T:(写真を見せて)たけしさんです。彼は20歳です。大学生です。料理ができません。毎日、お母さんに起こしてもらいます。全然勉強しません。ゲームしかしません。この人は子供みたいです。

板書

この人は 子供みたいです。

Noun みたいです:look like



導入 (動詞+みたいです)

T:(お腹が空いている様子の絵を見せて)田中さんです。お腹が空いているみたいです。

T:(お出かけする様子の写真を見せて)黒田さんの家族です。黒田さんの家族は出かけるみたいです。

T:(喧嘩する様子の絵を見せて)二人は怒っています。二人は?
S:喧嘩しているみたいです。

T:(喉が乾いている様子の絵を見せて)小林さんです。喉が?
S:乾いているみたいです。

板書

黒田さんの かぞくは でかけるみたいです。

Noun みたいです:look like

練習

●写真を見せて、「〜みたいです。」で答える練習

6. 〜前に / 〜てから

●時間軸を書いて質問しながら、導入する。

導入 :〜前に

T:私は来週、北海道へ行きます。(板書してから、北海道へ行く日より前を指して)、キャリーバッグを書います。私は北海道へ行く前に、キャリーバッグを書います。

T:私は昨日、11時に寝ました。10時に勉強しました。私は昨日、寝る前に勉強しました。
T:S1さんはたいてい何時に寝ますか。
S:12時に寝ます。
T:(板書してから12時より前を指して)、何をしますか。
S:本を読みます。
T:(板書してから)、S1さんは12時に寝ます。本を読みます。S!さんは寝る前に、本を読みます。

他のSにも質問する。

板書

私は 昨日 寝る前に 勉強しました。

〜 前に:before 〜

練習:〜前に

●結合練習

歯を磨きます。寝ます。
プールで泳ぎます。運動します。
手を洗います。食事します。

●Q&Aで練習

T:寝る前に何をしますか。
S:歯を磨きます。

T:テストの前に何をしますか。
S:復習します。

導入 :〜てから

T:皆さん、いつ学校を卒業しますか?
S:3月です。
T:(板書して)、S1さんは3月に卒業します。4月に何をしますか。
S:会社で働きます。
T:S1さんは学校を卒業してから、会社で働きます。

他のSにも質問

T:今日、何時に晩御飯を食べますか。
S1:9時に食べます。
T:(板書して)、9時に晩御飯を食べます。(9時以降を指して)、何をしますか。
S1:シャワーを浴びます。
T:S1さんは晩御飯を食べてから、シャワーを浴びます。

板書

私は 晩御飯を 食べてから シャワーを浴びます。

〜 てから:after 〜

練習 :〜てから

●絵カードを見せて、「〜てから」を使って答える練習

●結合練習

・ジョギングします・勉強します→ ジョギングしてから、勉強します。
・妻に電話をかけます・帰ります
・お酒を飲みます・カラオケをします
・本を読みます・寝ます
・ご飯を食べました・アイスクリームを食べました

●Q&Aで練習

・家へ帰ってから、何をしますか。
・ご飯を食べてから、何をしますか。

読み書き編

漢字

基本的には宿題とする。教室の中で練習する場合は、WBに大きく板書して書き順を見せながら、学習者にもノート(ワークブック)に書かせる。学習者が書いている時は、机間巡視して書き順や漢字の間違いがないかチェックする。

読み方は音読み、訓読みを紹介したのち、その漢字を使った熟語も一緒に紹介する。そのあと、覚えるべき熟語をフラッシュカードで練習する。すぐに全部を覚えるのは難しいので、事前・事後の宿題にして時間を有効活用した方が良い。

読解

できる限り、直訳は避け、質問や言い換えなどで内容理解の促進を図る。最初はテーマに関する質問をして、未修語彙の導入や背景知識の活性化を図ってから本文に入る。

本文ははじめにTが全部読み、そのあと、一文or段落ごとに生徒に音読させる。その後、適切な長さごとに本文の内容について質問し、意味の確認に入る。

全部読み終えたら、本文の後にある質問を使って、さらに内容を確認する。

教科書の英訳:オノ・ヨーコ

Yoko Ono was born in Tokyo in1933. Her parents liked art and When she was a child, she also learned piano. She went to America because of her father’s work in 1953 and then She entered the University of New York. In the university, she mainly studied music and poetry. In 1964, When she was 31 years old, Yoko collected her own poems and published the “Grape Fruits”. Her poems are short and looks like a haiku poem.

Count.
Count the clouds and Make a name.

This poem will be completed when the reader (the person who reads it ) counts the cloud and names it. In 1966, There was an art exhibition of Yoko in the United Kingdom. One of the works in it was “天井の絵”. The people who came to watch it used the magnifying glass on the ladder and looked at the picture on the ceiling.  One day, a man who has long hair came and he looked at the picture on the ceiling using the magnifying glass. There was a small “yes” on it. “yes”. A man was impressed by this word. His name was John lemon. He was a member of the famous rock band the Beatles. After that, They started musical and art activities together. And after 3 years, they got married.

In the 1960’s, The world was in the Vietnam War era. Yoko and John did various peace activities. In 1971, They made a song “Happy Christmas” for the sake of peace. In the same year, John published Imagine.Yoko used one word many times in “Grape Fruits” and that is “Imagine”. John was affected by Yoko’s poem that it seemed(I heard) that he made this song. In 1975, A boy was born between Yoko and John and John stopped doing musical activities and he became a stay-at-home husband.

In 1980, John started musical activities again and He published an album with Yoko. The song “Starting Over” in this album was big hit. But December 8 of that year,Yoko and John got off the car in front of their house in New York and when they were walking, John was shot by a gun.

Even after he was dead, Yoko Ono published various works in the field of art and she is doing activities for the sake of peace.

会話練習

できる日本語 第12課 -トピック3:病院で

トピック3では、病院で簡単に症状を話したり話したり、医者の指示を聞いたりする練習ができる。

この課で学習する「〜てから」、「前に」に加えて、既習文型「〜んです」も使うので、既習文型の復習にもなって良いでしょう。

できる日本語 第14課 - トピック2:ルール

第14課トピック2では、トラブルを未然に防ぐために、ルールやマナーなどを友達に伝えるという活動ができる。

文型

・~てはいけません。
・~しなければなりません。
・~なくてもいいです。

できる日本語 第15課 -トピック1:これ、知ってる?

第15課トピック1では、テレビや雑誌などの情報を友達に伝えて、誘ったり、その情報の感想を話したりする活動ができる。

文型
〜そうです。(伝聞)
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