目次
使用教材
本文(語彙・文法・読解)
1. 話しましょう
ここでは、第6課のテーマである、「日本人の発明」について会話をしながら、未習の語彙を導入したり、本文を読むにあたって手助けとなる情報を学習者に与えていく。
ウォーミングアップ:日本人が発明したものについて話し合う
T:みなさん、これは何ですか?
S:i-phoneです。
T:そうですね。i-phoneですね。誰が作りましたか。
S:スティーブ・ジョブスが作りました。
T:じゃあ、初めてi-phoneが作られたのはいつか知っていますか。
S:2005年ぐらい?
T:2007年ですね。
T:2000年にi-phoneはありませんでした。2007年にスティーブ・ジョブスが作りました。
T:i-phoneは世界のどこにもありませんでした。
T:世界のどこにもないものを作りました。
T:世界のどこにもないものを作ることを「発明する」と言います。
T:i-phoneはスティーブジョブスが発明しましたが、日本人も色々な物を発明しました。
T:何か知っていますか?
S:カラオケ? ラーメン?
T:そうですね。教科書の絵を見てください。これは全部、日本人が発明しました。何ですか。
S:(それぞれ答える)
T:みなさんの国で発明された物は何ですか?
S:(それぞれ答える)
T:じゃあ、今日は「日本人の発明」について、もう少し勉強しましょう。
単語 | 意味 |
胃カメラ | gastro camera |
乾電池 | dry cell (battery) |
サインペン | felt-tip pen |
せんす | folding fan |
LED | light emitting diode |
2. 本文のCDを聞く
全体の概要をつかむ練習。本文の中に未修の語彙や文型があっても事前に教えない。
本書には各課に2つの音声(遅いバージョンと速いバージョン)が収録されているので、ここでは遅いバージョンを聞かせる。
聞いた後は、どんな内容だったのか、わかったことを答えてもらう。
3. ことばの練習
媒介語で未習の語彙を紹介 or 事前に宿題として意味を調べさせる。
それぞれの単語をリピート、意味を確認した後、教科書の「ことばの練習」を実施する。
単語 | 意味 |
インスタントコーヒー | instant coffee |
当時 | then / at that time |
注目する | to pay attention |
特許 | patent |
(特許を)取る | to take out [a patent] |
別の | another |
検査 | examination / check |
4. 本文読解
本を読む前に、まず、QAの内容を確認する。
T:教科書のQAを見てください。問題は3つあります。文章の質問です。みなさんにはこれから文章を読んで、答えを考えてもらいます。
T:ではS1さん、Q1を読んでください。
S1:読む。
T:S2さん、Q2を読んでください。
S2:読む。
T:S3さん、Q3を読んでください。
S3:読む。
・最初からSが読む(黙読)
T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)
T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら質問の答えを考えて、書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)
T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:それでは、一緒に答えを確認しましょう。
Sに質問文を読ませ、答えを確認する。
5. 新しい文型
T:じゃあ、次に新しい文型を3つ勉強しましょう。
(1) Nによって
[意味]
何かを生み出す意味の動詞を受身で用いる時、その行為者を「Nによって」で表す。
[英訳]
When using the passive from of a verb to indicate the creation or making of something, Nによって is used to indicate the creator or agent.
[この文型が使われる動詞]
書く・作る・建てる・発明する・発見する・開発する
①導入
T:さっき、みなさんと、発明の話をしましたね。スティーブ・ジョブスは何を発明しましたか。
S:i-phoneを発明しました。
T:そうですね。じゃあ、S1さん、i-phoneは?
S:i-phoneはスティーブ・ジョブスに発明されました。
T:i-phoneはスティーブ・ジョブスによって発明されました。
T:じゃあ、この本を知っていますか。
S:ハリーポッターです。
T:そうですね。誰がハリーポッターを書きましたか。
S:J.Kローリングです。
T:そうですね。J.Kローリングがハリーポッターを書きました。
T:ハリーポッターは?
S:ハリーポッターはJ.Kローリングに書かれました。
T:J.Kローリングによって書かれました。
i-phoneはスティーブ・ジョブスによって発明されました。
ハリーポッターはJ.Kローリングによって書かれました。
T:「発明する」、「書く」は何かを作る動詞ですね。何かを作る動詞の受身を使うとき、「〜によって」を使います。
②基本練習1:受身形
③基本練習2:結合練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
単語 | 意味 |
開発する | to develop |
ダイナマイト | dynamite |
〜氏 | Mr. ~ / Ms . ~ |
建築家 | architect |
災害救助 | disaster relief |
企業 | company |
(2) 〜ため(に)
[意味]
原因/理由を表す。
書き言葉でよく使われる。
後件の文には、判断、命令、依頼、意志などの表現は使えない。
(判断)〜でしょう
(命令)〜なさい
(依頼)〜てください
(意志)〜ようと思っています
[英訳]
Because ~ , because of ~
(Used to explain causes or reasons.)
[接続]
普通形 + ために
Naな + ために
Nの + ために
この / その + ために
①導入
T:(洪水の写真を見せて)何ですか。
S:flood
T:floodは日本語で洪水と言います。
T:どうして、洪水になりましたか。
S:たくさん雨が降ったから。
T:そうですね。たくさん雨が降ったから、洪水になりました。
T:(写真を見せて)田中さんは学校を休みました。どうしてですか。
S:風邪を引いたから。
T:そうですね。田中さんは風邪を引いたから、学校を休みました。
T:「〜から」は初級で勉強しましたね。
S:はい。
T:いつ使いますか。
S:理由をいう時。
T:そうですね。理由を言う時に使いますね。
S:はい。
T:他の言い方もあります。
T:たくさんが雨が降ったため、洪水になりました。
T:田中さんは風邪を引いたため、学校を休みました。です。
たくさん雨が降ったため、洪水になりました。
風邪を引いたため、学校を休みました。
T:じゃあ、______________、デパートが閉まっている。
T:どんな言葉が入りますか。
S:地震があったため
他にも形容例や名詞の例もあげ、「〜のため」の「〜」の形を確認する。
S:先生「から」と何が違いますか。
T:「ため」は書くときに使います。フォーマルです。話す時はあまり使いません。
T:それから、「ため」を使う時、後ろの文は「〜ください」、「〜なさい」、「〜でしょう」、「〜ようと思っています」は使えません。覚えておきましょう。
①基本練習:変換練習
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
②応用練習:文作り
教科書では3問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
③短作文
「公開していること / 困っていること / 残念なこと」をテーマに短作文を書かせる。
単語 | 意味 |
大雨 | heavy rain |
車両 | vehicle |
安全 | safety |
後悔する | to regret |
すっかり | completely |
数学嫌い | to hate mathematics |
(3) 〜ため(に)の整理(原因 / 理由・目的)
①基本練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
②応用練習:文作り
教科書では2問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
単語 | 意味 |
重い病気 | serious illness |
退学する | leave school |
猛勉強する | to study much / hard |
(英語に)苦労する | to have difficulty (with English) |
体調 | physical condition |
(4) 〜まま
[意味]
同じ状態が変わらずに続くことを表す。
[英訳]
While ~ (Used to show the same situation continues.)
[例文]
・コンタクトレンズをつけたまま寝てしまった。
・靴下をはいたまま寝てしまった。
・わからないまま、授業が進んでいく。
・スーツに着替えた方がいいですか? / そのままで大丈夫です。
①導入
T:(写真を見せて)これは私の友達です。田中さんです。40歳です。
T:(別の写真を見せて)これも田中さんの写真です。20年前の写真です。
T:今の写真と昔の写真、どうですか?
S:顔が同じです。
T:そうですね。全然変わらなですね。20年前から今までほとんど同じです。
T:田中さんの顔は20年前のままです。
T:私は2ヶ月前、新しい靴を買いました。これは買った時の写真です。
S:いいですね。
T:はい。そして、これは今の写真です。どうですか。汚いですか。
S:綺麗ですね。
T:そうですね。まだ履いていませんから、今も綺麗です。
T:まだ、履いていませんから、この靴は綺麗なままです。
T:まだ、履いていませんから、今も新しいですね。
S:はい。
T:まだ、履いていませんから、今も新しいままです。
T:皆さんは、よくテレビを見ますか。
S:はい。
T:寝る時、テレビはどうしますか。
S:消します。
T:そうですね。私も消します。でも昨日、消すのを忘れました。
T:私が寝ている時、テレビはついています。私が今朝、起きた時もテレビはついています。
T:私はテレビをつけたまま寝てしまいました。
T:私は1年前、友達に漫画を借りました。これです。何ですか。
S:ナルト
T:そうですね。1年前に借りました。でも、まだ返していません。
T:まだ、借りています。
T:私は友達に漫画を借りたまま、まだ返していません。
このくつは新しいままです。
私は友達にまんがをかりたまま、返していません。
T:「田中さんの顔は20年前のままです。」20年前も今も顔がほとんど同じです。変わりません。20前のままです。
T:「わたしは友達にマンガをかりたまま、返していません。」1年前にマンガをかりました。今も借りています。返していません。借りたまま返していません。
「Vたまま」は瞬間動詞と一緒に使われる。
(例)立ったまま、食べる。 / 死んだまま、動かない。/ 電気をつけたまま、寝る。
fa-check-circleVながら:2つの動作を一緒にする
②絵カードを見せて文を作らせる
③基本練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
④応用練習
教科書では3問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
⑤短作文
「日本の生活」をテーマに作文を書かせる。
単語 | 意味 |
スリッパ | house slippers |
ティッシュ | tissue |
タグ | tag |
ジャケット | jacket |
畳 | tatami mat |
〜円札 | ~ yen note / bill |
くしゃくしゃになる | to crumple |
リスニングや作文など
1. チェックシート
2択問題。3〜5分程度で解かせて、答え合わせをする。時間がなければ宿題にしても良い。
単語 | 意味 |
からからになる | to dry up |
2. 聴解タスクシート
CDを聞きながら、空欄の部分を記入させる。CDにはゆっくりしたスピードとナチュラルスピードが録音されているので、学習者のレベルに応じて選択すると良い。ゆっくりスピードでも生徒が聞き取れなければ、教師がもっとゆっくりしたスピードで読むと良いだろう。
3. シャドーイング
これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。
4. 作文
できる限り時間内に書かせて提出させる。
単語 | 意味 |
しん | lead |
とがった | sharp / pointed |
名前をつける | to name |
〜を変更する | to change |
今では | now |
関連教材
「上級へのとびら」の5課では、安藤百福のインスタントラーメン発明物語がある。
ちょうど「日本人の発明」というトピックで勉強したので、その発展として「上級へのとびら」にチャレンジするもの良いだろう。