目次
使用教材
語彙や文法の導入
1. ウォーミングアップ
T:みなさんはどこに住んでいますか。
S:豊中市に住んでいます。高槻市に住んでいます。など。
T:じゃあ、みなさんが住んでいる町にはどんな建物がありますか。教えてください。
S:郵便局があります。病院があります。スーパーがあります。など。
T:じゃあ、教科書の絵をみてください。この絵の名前がわかりますか。四角の中から選んでみましょう。
S:(答えを考える。)
答え合わせをしたあと、
T:みなさんの家の周りにはありますか。
S1:団地がたくさんあります。
S2:駅に行けば、商店街があります。
T:じゃあ、みなさんの家の近くに公園がありますか。
S1:はい、あります。
T:よく公園へ行きますか?
S1:時々、行きますよ。
T:どんな公園ですか。
S1:とても大きくて広い公園です。
その他、公園で何をしますか。どんなものがありますか。公園はS1にとって必要な場所ですか、など公園についてもう少し質問をする。
T:はい、いいですね。今日のテーマは「わたしの町」です。
T:私の町の公園について書かれた文章を読みましょう。
単語 | 意味 |
住宅街 | residential area |
商店街 | shopping area |
高層ビル | high-rise building |
団地 | apartment block |
2. 新しいことばと練習
媒介語で未習の語彙を紹介 or 事前に宿題として意味を調べさせる。
それぞれの単語をリピート、意味を確認した後、教科書の「ことばの練習」を実施する。
単語 | 意味 |
一周する | to make a lap |
造る | to construct |
漂わせる | to waft |
(日を)浴びる | to receive (sunlight) |
読書する | to read a book |
訪れる | to visit |
(空気に)包まれる | to be enveloped (with air) |
半ば | middle |
散歩コース | walking path |
休日 | holiday |
気配 | hint |
通り抜け禁止 | no through traffic |
進入止め | no entry |
大小 | big and small |
たたずまい | atmosphere |
池沿い | along by a pond |
小道 | path |
落ち葉 | fallen leaves |
日 | sunlight |
息抜き | relaxation |
住まい | home |
穏やかな | serene |
幾分 | somewhat |
何だか | somewhat |
3. 新しい文型
T:じゃあ、本文を読む前に、新しい文型を勉強しましょう。
(1) Vマスつつある
[意味]
だんだん〜ている。
書き言葉で使われる。動作や作用がある方向に変化していることを表す。
[英訳]
Used in written language. Indicates a movement or an operation is changing towards a certain direction.
[接続]
Vマス+つつある
[JLPT レベル]
N2
[例文]
・世界は不景気から回復しつつある。
・かつて人気だった、二つ折り携帯だが、スマホの登場によって、だんだん消えつつある。
・いろいろな環境問題により、人々の意識は、変わりつつある。
・先週引いた風邪は、今は治りつつある。
・まだ、3月上旬なのに、桜が咲きつつある。
・コスプレ文化が世界に広まりつつあるようだ。
・日本は高齢化が進みつつある。
①導入
T:(高齢化のグラフを見せて)グラフです。なんのグラフですか。
S:人口?
T:そうですね。日本の人口のグラフです。増えていますか。減っていますか。
S:減っています。
T:そうですね。減っています。どのように減っていますか。
S:少しずつ減っています。
T:はい、日本の人口は少しずつ減っています。
T:今日は他の言い方を覚えましょう。
T:日本の人口は減りつつあります。
S:気温です。
T:そうですね。気温です。
T:昔と、今、気温はどうですか。同じですか。上がっていますか。下がっていますか。
S:上がっています。
T:どのように上がっていますか。
S:少しずつ。
T:そうですね。地球の気温が少しずつ上がっています。
T:地球の気温が上がりつつあります。です。
S:ます形
T:そうですね。
②基本練習:変換練習
③書こう・話そう
(2)〜を中心に
[意味]
〜を基点にして
[英訳]
With 〜 as the base point.
[接続]
N + を中心に
[JLPT レベル]
N3
[例文]
・若い世代を中心に携帯電話で漫画や小説を読む人が増えています。
・JLPTの勉強は文法を中心に復習するつもりだ。
・来週のタイ旅行は、バンコクを中心に観光しようと思っています。
・このゲームは子供を中心に人気を集めている。
読解前には導入せず、読解後に以下のように質問し、学生に意味を考えさせる。
①導入1
T:「公園は大小2つの池を中心に作られています。」と書いてありますが、池はいくつありますか。
S:2つあります。
T:2つの池の大きさはどうですか。同じですか。
S:1つは大きい池、もう一つは小さい池です。
T:そうでスネ。じゃあ、「大小2つの池を中心に作られています。」はどういう意味だと思いますか。
S:・・・。
T:「中心」はどういう意味ですか。
S1:真ん中
S2:センター
T:じゃあ、2つの池は公園のどこにあると思いますか。
S:真ん中。
T:そうですね。(絵を描いて)2つの池です。新しく公園を作ります。ベンチをおきます。遊ぶところを作ります。
T:はい、作りました。池はどこにありますか。
S:真ん中にあります。
T:そうですね。公園を作りました。池を中心に公園を造りました。
T:池を中心に公園を造りました。これは、池を真ん中において、公園を造りましたという意味です。
T:じゃあ、みなさん、立ってください。
S:(立つ)
T:私の周りに集まってください。
S:(集まる)
T:ありがとうございます。
T:今、皆さんは、集まりましたね。
S:はい。
T:真ん中には誰がいますか。
S:ノッチ先生がいます。
T:そうですね。みんさんは集まりました。ノッチ先生を中心に集まりました。
T:Nを中心に〜は、Nを真ん中に何かをする時に使われます。
①導入2
T:「Nを中心に」はもう1つ意味があります。
T:例えば・・・もうすぐ、JLPTですね。
S:はい。
T:私の友達のトムさんは、今、沢山勉強しています。
T:(グラフを見せて)文法、漢字、単語、リスニングの勉強をしています。
T:でも、トムさんはもう、たくさん漢字を知っています、たくさん単語を知っています、リスニングも上手です、だから、文法をたくさん勉強します。
T:トムさんは文法を中心に勉強します。
T:トムさんは文法、単語、漢字、リスニング、全部勉強をします。でも、単語、漢字、リスニングよりも、文法をたくさん勉強します。文法を中心に勉強します。と言います。
②基本練習:結合練習
③読もう
④書こう・話そう
(3)Vタところに / Vタところで
[意味]
Vした場所に〜
[例文]
・この道をまっすぐ行ったところに駅があります。
・橋を渡ったところに、トイレがあります。
・右に曲がったところにマンションがあります。
・この道をまっすぐ行ったところで右に曲がってください。
・駅の改札口を出たところで待っていてください。
①導入
T:(地図を配って)今、私たちはここにいます。S1さん、図書館はどこにありますか。
S:ここです。
T:???どこですか。日本語で説明してください。
S:まっすぐ行くと、図書館があります。
S:まっすぐ、行って、右に曲がるとあります。
T:そうですね。
T:まっすぐ行くと、図書館があります。 / まっすぐ行って、右に曲がるとあります。
T:初級で勉強しましたね。
S:はい。
T:今日は他の言い方を覚えましょう。
T:まっすぐ行ったところに、図書館があります。
T:まっすぐ行って、右に曲がったところにあります。
→まっすぐ行ったところに、図書館があります。
→まっすぐ行って、右に曲がったところにあります。
T:「ところ」はどんな意味ですか。
S:場所です。
T:そうですね。「まっすぐ行ったところにあります」はまっすぐ行った後の場所にある、という意味です。「右に曲がったところにあります」は右に曲がった後の場所にある、という意味です。
T:じゃあ、(板書)駅の改札口を出て、待ってください。
T:これを「ところ」を使って言ってください。
S:駅の改札口を出たところに待っていてください。
T:「ところに」ですか?さっきの文の動詞は「ある」でしたね。
T:この文の動詞は何ですか?
S:待つ
T:そうですね。じゃあ、助詞は「に」じゃないですね。
S:「どころで」?
T:そうですね。駅の改札口を出たところで待っていてください。です。
②基本練習:結合練習
③応用練習:文作り
(4) 意志動詞と無意志動詞の整理
[意味]
●意志動詞:volitional verbs
意志的な動作・行為を表す動詞。主語が意識的に制御できる。
●無意志動詞:non-volitional verbs
意志的な動作・行為を表さない動詞。主語が意識的に制御できない。
意志動詞の例 | 無意志動詞の例 |
食べる、行く、降りる、見る、聞く | 食べられる、見える、こわれる、(雨が)降る、できる |
①基本練習1:意志動詞と無意志動詞に分ける
②基本練習2:選択問題
(5) Nらしい / Nらしさ / Nらしく
[意味]
「そのものの典型的な性質を持っている」ということを表す表現。
[英訳]
Acts just like~ is / typical of ~
[接続]
N + らしい + N
N+ らしさ
N + らしく + V
[JLPT レベル]
N3
[例文]
・子供は子供らしく、外で遊んだいいがいい。
・今日は夏らしい日だ。
・今年の夏は、夏らしい天気の日が少なかったです。
・私は今まで、病気らしい病気をしたことがありません。
・田中さんは本当に男らしいですね。
①導入 *ざっくり版(後日修正予定)
T:日本の冬の景色の絵を描いてください。
S:(絵を描く)
T:じゃあ、見せてください。
S:(絵を見せる)
T:いいですね。S1の絵には雪がありますね。S2さんの絵には雪だるまがありますね。
S:はい。
T:これは私が撮った写真です。この景色はどうですか。冬の景色ですか。
S:いいえ、違います。
T:でも、冬に撮った写真ですよ。
S:でも、雪がないですから、雪じゃありません。
T:そうですね。冬といえば、雪ですね!みなさんの絵は雪が書かれています。雪の絵がありますから、冬のように見えますね。みなさんの絵は冬らしい絵です。
T:私の写真はどうですか。冬の時に写真を撮りました。でも雪がありませんから、冬かどうかわかりません。冬らしくない写真です。
冬らしくない写真です。
#読解後に導入する場合
T:「秋らしい景色でしょう」とはどんな景色だと思いますか。
S:秋の景色?
T:(秋に撮った普通の写真を見せて)じゃあ、これは秋の景色ですか。
S:違います。
T:どうしてですか。秋の時に撮った写真ですよ。
S1:赤い葉がありません。
S2:紅葉じゃないです。
T:でも、秋に撮った写真ですよ。
S:秋になると、葉が赤くなります。
T:(別の写真を見せて)じゃあ、これはどうですか。
S:秋の写真です。
T:最初の写真もこの写真も秋に撮った写真です。
T:違いはなんですか?
S1:最初の写真は秋に撮った写真ですが、秋かどうかわかりません。
S2:その写真は赤い葉があるから、秋だとわかります。
T:そうですね。この写真とこの写真は秋に撮った写真です。でも、最初の写真はビルの写真ですね。赤い葉がありませんから、秋かどうかわかりません。
T:こっちの写真は赤い葉がありますから、秋ですね。皆さんは秋をイメージしますね。
T:どちらも秋の写真です。でも、この写真は秋らしい写真です。
T:じゃあ、「秋らしい」のらしいはどんな意味ですか。
S1:秋のような
S2:秋に見える
T:そうですね。秋らしいは、秋のような写真、秋に見える写真です。
他にも、例を出して、「らしい」のイメージを膨らませる。
(例)男らしい人、夏らしい
②応用練習:文作り
③読もう
④書こう
(6)〜げ
[意味]
〜そうだ
人の気持ちを表す言葉について、「そのような様子である」と言いたい時に使われる。
目上の人の様子をいう時にはあまり使わない。
[英訳]
seems like
[接続]
Aい + げ
Naだ + げ
Vたい + げ (*ある→ありげ)→ この課では扱わない。
[JLPT レベル]
N2
[例文]
・彼の表情は少し、悲しげだった。
・彼女は寂しげに、一人で公園のベンチで座っていた。
・彼は得意げな顔で、みんなにテストの結果を見せた。
・彼はいつも自信なさげに答える。
・会議のあと、彼はいかにも不満げな表情を浮かべた。
①導入
T:(写真を見せて)この猫の顔を見てください。どうですか。
S:とても悲しそうです。
T:(別の写真を見せて)じゃあ、これはどうですか。
S:とても楽しそうです。
T:はい、いいですね。
T:悲しそう、楽しそう、初級で勉強しましたね。
S:はい。
T:他の言い方も覚えましょう。
T:楽しそう、楽しげ。悲しそう、悲しげです。
T:じゃあ、「嬉しい」は?
S:嬉しげ。
T:「得意」は?
S:「得意」げ。
T:「いい」は?
S:いいげ?
T:良さげです。
T:「形容詞+げ」は「形容詞+そう」と同じ意味です。年上の人と話す時はあまり使いません。
②読もう
③応用練習
本文読解
1. QAの確認
本を読む前に、 まず、QAの内容を確認する。
T:じゃあ、これから「わたしの町」の文章を読みます。はじめに、プリントを配ります。1枚は文章で、もう1枚は文章の問題です。
(読み物とタスクシートを配布)
T:じゃあ、最初にタスクシートを見てください。問題は3つあります。文章の質問です。みなさんには文章を読んで、答えを考えてもらいます。
2. 本文を読む
T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)
T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)
3. ピア活動
T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:(机間巡視)
4. 答えの確認
T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。
Sに質問文を読ませ、答えを確認する。
後作業:リスニングや作文など
1. 聴解タスクシート
CDを聞きながら、空欄の部分を記入させる。CDにはゆっくりしたスピードとナチュラルスピードが録音されているので、学習者のレベルに応じて選択すると良い。ゆっくりスピードでも生徒が聞き取れなければ、教師がもっとゆっくりしたスピードで読むと良いだろう。
2. シャドーイング
これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。
3. 作文
できる限り時間内に書かせて提出させる。