日本語の中級文型には抽象的な表現が多く、かつ似たような文型が多数登場するので、学習者だけでなく教える側の教師も大変ですね。
初級クラス以上に学習者から質問があって困っているという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は中級を教えている、あるいはこれから教え始める日本語教師の方が中級文型の理解を深めるためにオススメの本を紹介したいと思います。
中級文型の理解を深めるのにオススメの本
私がオススメする本は次の3つです。
他にも文法書はありますが、中級文型の理解を深める本で、以下の本が比較的読みやすいと思います。
1. レベルアップ日本語文法
こちらは学習者向けの本ですが、初級から中級までの文法がカテゴリーごとに綺麗にまとまっているので、とても読みやすいです。
全部で24のトピックがあり1課〜10課までは初級で学習した文型の復習と、+αとしてトピックに関連する中級文型が登場します。
11課から24課では中級で学習する文型がカテゴリー単位で紹介されています。
学習者向けの本ということもあり「選択問題」や「文作り」、「間違い探し」といった練習問題もあるので文法の練習教材としても使えます。
JLTPはN2レベルまで対応しています。
2. 中級日本語文法と教え方のポイント
「初級日本語文法と教え方のポイント」の続編で、中級レベルで扱われている文法項目が約100項目紹介されています。
初級の本と同様に、まず「学習者からよくでる質問」や「よくある誤用例」が紹介されていて、その後、文法解説や使用場面などが紹介されています。
初級の本とは違って、似た文型項目でカテゴライズされていて、それぞれの文法がどう違いのか、どう行った語と結びやすいのか詳しく書かれているので、中級文法を教える上で大変参考になります。
3. 生きた例文で学ぶ日本語表現文型辞典
中級〜上級レベルの文型時点で五十音順で文型が並んでいるので、知りたい文型を探しやすいです。
また、タイトルに「生きた例文」とあるように、日常生活で見たり・聞いたりしそうな例文が1文型あたり6〜7個収録されています。
中級以上になると似たような文型がたくさん登場するので、違いを示すためにたくさん例文を準備する必要があります。しかし、どうしてもパッと思いつかないこともあるでしょうし、文型の意味がわからないときもあるでしょう。
そういったときにこの辞典を利用するといいと思います。
また、巻末には英語・中国語・韓国語での文型説明もあるので学習者に媒介語で説明した理、説明資料を作るときなどにも役立ちます。
最後に
今回は、中級文型の理解を深めるのにオススメの本を紹介しました。
今回紹介した本は、比較的読みやすい本なので、中級レベルの文法の理解を深めたいという方はぜひ読んでみてください。