中級へ行こう 第2課:地震

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使用教材

中級へ行こう 日本語の文型と表現55 第2版

語彙や文法の導入

1. 話しましょう

ここでは、第2課のテーマである地震について会話をしながら、未習の語彙を導入したり、本文を読むにあたって手助けとなる情報を学習者に与えていく。

  「話しましょう」の中で全ての言葉を導入するのは時間が足りないし、難しいのと思うのでキーワードとなる言葉を導入したり、事前に単語リストを配っておくなどして、時間短縮すると良い。

①ウォーミングアップ
T:(地震のイラストを見せて)みなさん絵をみてください。これは何ですか。
S:地震です。
T:そうですね。(板書しながら)地震が_______動詞は何ですか?
S:起きる、あります。
T:いいですね。
T:「地震が起きる」は「地震が起こる」でもいいです。

板書
地震が起きる(起こる)。
地震があります。

T:じゃあ、みなさんの国で時々、地震がありますか。
S:はい、時々。
T:じゃあ、地震が起こったら、何をしますか。
S1:外に出ます
S2:小さい地震なら何もしません。
T:じゃあ、大きい地震だったら?
S2:私も早く外に逃げま

T:じゃあ、今から地震のビデオを見ましょう。

T:どうでしたか。
S:とても怖かったです。
S:大きかったです。
T:地震のとき部屋は動いていましたね?
S:はい。
T:どうやって動いていましたか。
S:右と左。
T:そうですね。右に動いたり左に動いたりすることを「揺れる」と言います。
T:じゃあ、どのぐらい揺れましたか。5分でしたか?10分でしたか?
S:30秒ぐらいだと思います。
T:そうですね。30秒ぐらい揺れてどうなりましたか。
S:止まりました。
T:そうですね。30秒ぐらい揺れていました。そして止まりました。揺れるのが止まることを「揺れがおさまる」といいます。

T:じゃあ、ビデオの中で何が揺れていましたか。
S:ソファ、テーブル、机。
T:そうですね。ソファ、テーブル、机、このグループを「家具」といいます。

 本書には登場しないが、余裕があれば「家電」も導入しておく

T:じゃあ、今地震のビデオを見ました。もし、日本で大きい地震があった時、どうすればいいですか。そして、揺れがおさまった後、どうすればいいですか。ちょっとペアで考えてみましょう。

ペアでディスカッションした後、学生の答えを板書していく。会話の中で新出語彙が導入できそうであれば導入する。

板書
【地震が起きた時】
(学生の意見を書く)
【地震がおさまった後】
(学生の意見を書く)

2. ことばの練習

媒介語で未習の語彙を紹介 or 事前に宿題として意味を調べさせる。
それぞれの単語をリピート、意味を確認した後、教科書の「ことばの練習」を実施する。

単語意味
ストーブstove
ガスコンロgas stove
揺れquake / tremor
揺れがおさまる[quake] subside
慌てるto panic
食料food supplies
家具furniture
その他the others
万一just in cae
連絡方法means of contact
避難場所evacuation / refuge area



3. 新しい文型

T:じゃあ、本文を読む前に、新しい文型を4つ勉強しましょう。

(1) 〜のでしょうか

[意味]
疑問に思うことを丁寧に問いかける表現

[英訳]
Used when someone ask a question in a polite way

[例文]
・大きい地震が起きたら、どうすればいいのでしょうか。
・この部屋を使うのに許可が必要なのでしょうか。
・日本にはどんな祭りがあるのでしょうか。

①導入
T:さっき、地震の話をしましたね。私はみなさんに聞きました。地震が起きた時、どうすればいいですか。(板書)

板書
地震が起きた時、どうすればいいですか。

T:もう少し丁寧に言いたいです。どうやって言ったらいいと思いますか。
S:地震が起きた時、どうすればいいでございますか。
T:地震が起きた時、どうすればいいのでしょうか。と言います。

板書
地震が起きた時、どうすればいいですか。
→地震が起きた時、どうすればいいのでしょうか。

T:じゃあ、日本はどんな国ですか?
S:綺麗な国です。
T:どうして綺麗な国ですか。丁寧に聞きたいです。S2さん聞いてください。
S2:どうして日本は綺麗でしょうか。
T:どうして日本は綺麗な国なのでしょうか。

板書
どうして日本はきれいな国のでしょうか。

②基本練習:結合練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

③短作文
「日本について不思議だと思うこと」をテーマに短い作文を書かせる。
短作文は時間がなければスキップ or 宿題とする。

(2) 「自動詞・他動詞」の整理

①導入
絵カードを使って、自動詞・他動詞の復習をする。
・自動詞か他動詞かを答えさせる。
・自他のペアで答えさせる。
・文を作らせる。
(例)ドアが空いています。

②基本練習
教科書では、自・他のペアで選ばせる問題と穴埋め問題が用意されている。

(3) VようとしてもVない

[意味]
動作を実現しようと努力するが、実現しないことを表す。

[英訳]
Though I try to V, it will not V
(Used when someone's efforts to do something cannot be realized or are in vain.)

①導入
T:これは何ですか?
S:ドアです。
T:ドアを?
S:開けます。
T:(ドアを一生懸命に開けるジェスチャーをして)あれ・・・んー、んー。
T:ドアは開きましたか?
S:いいえ。
T:ドアを開けます。頑張ります。でも、ドアは開きません。
T:ドアを開けようとしても、開きません。

T:ちょっと暑いですね。エアコンをつけましょう。
T:(エアコンのリモコンを持って)あれ?あれ?
T:エアコンはつきましたか?
S:いいえ。
T:エアコンをつけます。えいっ!えいっ!エアコンはつきません。
T:エアコンをつけようとしても、つきません。

板書
ドアをあけようとしても、あきません。
エアコンをつけようとしても、つきません。V1ようとしてもV2ない。
V1:他動詞 /V2:自動詞

T:ドアを開けようとしても、開かない。ドアを頑張って開けます。でもドアが開きません。
T:エアコンをつけようとしても、つかない。エアコンをつけます。えいっ!でも、つきません。

T:「あけよう」、「つけよう」は他動詞ですか、自動詞ですか。
S:他動詞です。
T:動詞の形はどうですか。
S:意向形です。

T:「あきません」、「つきません」は他動詞ですか、自動詞ですか。
S:自動詞です。
T:そうですね。

②基本練習:文作り
教科書では3問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を用意しておく。

(4)  〜のは〜だ

[意味]
・後件で言いたいことを述べる表現。

[英訳]
It is 〜 that 〜.
(Used to focus on the latter part of the sentence)

[例文]
・地震が起きた時、一番大切なのは慌てないことだ。
・日本語を勉強するとき、一番難しいのは漢字だ。
・問題なのは物価が高いことだ。

①導入(本文読解後に確認)
T:「一番大切なのは慌てないことだ」と「慌てないことは一番大切です」はどう違うと思いますか。

②基本練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を用意しておく。

③応用練習
教科書では3問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を用意しておく。

④短作文
「日本の生活」をテーマに作文を書かせる。

(5)  「自動詞 + ている / 他動詞 + ている、 +ておく」の整理 

①基本練習
会話を読んで、(   )に「ている」、「てある」、「ておく」のどれかを書かせる。



本文読解

1. QAの確認

本を読む前に、まず、QAの内容を確認する。

T:じゃあ、これから地震の文章を読みます。はじめに、プリントを配ります。1枚は地震の文章で、もう1枚は文章の問題です。
(読み物とタスクシートを配布)

T:じゃあ、最初にタスクシートを見てください。問題は3つあります。文章の質問です。みなさんには文章を読んで、答えを考えてもらいます。

2. 本文を読む

T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)

T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)

3. ピア活動

T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:(机間巡視)

4. 答えの確認

T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。

Sに質問文を読ませ、答えを確認する。

後作業:リスニングや作文など

1. チェックシート

2択問題。3〜5分程度で解かせて、答え合わせをする。時間がなければ宿題にしても良い。

2. 聴解タスクシート

CDを聞きながら、空欄の部分を記入させる。CDにはゆっくりしたスピードとナチュラルスピードが録音されているので、学習者のレベルに応じて選択すると良い。ゆっくりスピードでも生徒が聞き取れなければ、教師がもっとゆっくりしたスピードで読むと良いだろう。

3. シャドーイング

これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。

4. 作文

できる限り時間内に書かせて提出させる。

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