げんき2 初級日本語 第19課

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使用教材

げんき2 初級日本語

できるようになること (Can-do)

・丁寧に話すことができる
・丁寧な場面での会話を理解することができる。
・感謝を述べることができる。
・満足の気持ちを表すことができる。

文法を教える前に

げんきの教科書では文法解説がセットになっているので、事前に読んできてもらうとスムーズに授業を進めるできるだろう。また、授業の開始時に第19課の会話ビデオを見せて、この課でどういったことを学ぶのか考えさせると、学習者のゴールが明確化されて、いいのではないでしょうか。

動画はこちらからダウンロード可能

語彙の導入

新出語彙は事前に宿題として、読む練習+暗記をしてきてもらう。ただし、数が多く学習者の負担になる場合は、必要最低限覚えてきて欲しい単語をこちらから提示する。

授業のはじめに、絵カードを見せて、Tのリピート、 Sだけといった流れで習熟度を確認する。絵カードは自作が面倒な方には、教科書準拠の絵カードが出版されているので、こちらを使うことをオススメする。

げんきな絵カード2

文法の導入

1. Honorific Verbs(尊敬語)

導入:

T:私は会社の社長です。みなさんは社員です。私はみなさんに聞きます。昨日、何時に帰りましたか。
S1:6時に帰りました。
T:そうですか。じゃあ、S1さん、私に聞いてください。
S1:社長は昨日、何時に帰りましたか。
T:私は社長です。「帰りましたか」はよくないです。もっと丁寧な(polite)な言葉を使います。
T:社長は何時にお帰りになりましたか。です。

T:皆さんはよく本を読みますか。
S:はい。
T:どんな本を読みますか。
S1:novelを読みます。
T:そうですか。じゃあ、S1さん、私に聞いてください。
S1:先生はよく本を読みますか。
T:私は先生です。もっと丁寧な言葉を使いましょう。
T:先生はよく本をお読みになりますか。です。

板書

社長は何時にお帰りになりましたか。
先生はよく本をお読みになりますか。

Honorific verbs :お+verb stem+になる。

T:社長、先生、偉い人(person in a high position)、知らない人(stranger)と話すとき、丁寧な言葉を使います。Honorific Expressionと言います。

T:じゃあ、S1さんが社長です。私と皆さんは社員です。
T:私とS2さんが話します。今、7時です。S3さんと、S4さんと社長はもう帰りました。
T:S2さん、S3さんはもう帰りましたか?
S2:はい、もう帰りました。
T:そうですか。じゃあ、S4さんは?
S2:S3さんも、もう帰りました。
T:そうですか。じゃあ、S1さんは?
S2:S1さんももう帰りました。
T:S1さんももうお帰りになりました。

板書
S1さんももうお帰りになりました。

T:社長、先生、偉い人(person in a high position)について話すときも、丁寧な言葉を使います。

練習

●変換練習(単語レベル)

聞く→お聞きになる
読む→お読みになる
帰る→お帰りになる
わかる→おわかりになる
調べる→お調べになる
座る→お座りになる
立つ→お立ちになる
会う→お会いになる
待つ→お待ちになる
入る→お入りになる
話す→お話になる
閉める→お閉めになる
開ける→お開けになる

た形も練習しておく。
聞いたことがあります。→お聞きになったことがありますか。

導入:特別な尊敬語

T:私とS1さんは一緒にレストランへ行きました。私はS1さんに聞きます。何を食べますか。
S1:カレーライスを食べます。
T:S1さん、私に聞いてください。
S1:先生は何をお食べになりますか。
T:「何を召し上げありますか」です。

T:明日、S1さんの家でパーティーをします。S2さん、S3さん、S4さん、みなさん、S1さんの家へいきます。じゃあ、皆さん、私は行きますか?行きませんか?聞いてください。
S:先生はお行きになりますか。
T:「先生はいらっしゃいますか。」です。

T:Honorific VerbsのFormは「お + verb stem + になる」ですが、スペシャルケースがあります。

板書
VerbsHonorific verbs(short form)Honorific verbs(long form)
いる
行く
来る
いらっしゃるいらっしゃます
見るご覧になるご覧になります
言うおっしゃるおっしゃます
するなさるなさます
食べる
飲む
召し上がる召し上がります
くれるくださるくださます
寝るお休みになるお休みになります
〜ている〜ていらっしゃる〜ていらっしゃます

 

練習

●変換練習(単語レベル)

T:いる
S:いらっしゃる → いらっしゃいます

食べる→召し上がる→召し上がります
言う→おっしゃる→おっしゃいます
いる→いらっしゃる→いらっしゃいます
する→なさる→なさいます
寝る→お休みになる→お休みになります
来る→いらっしゃる→いらっしゃいます
見る→ご覧になる→ご覧になります
飲む→召し上がる→召し上がります
住んでいる→住んでいらっしゃる→住んでいらっしゃいます
読んでいる→読んでいらっしゃる→読んでいらっしゃいます
くれる→くださる→くださいます

た形も練習しておく。
見たことがありますか。→ご覧になったことがありますか。
食べたことがありますか。→召し上がったことがありますか。
したことがありますか。→なさったことがありますか。

●変換練習(文レベル)

T:ご飯を食べる。
T:ご飯を召し上がる→ご飯を召し上がります。

ネクタイをくれました。→ネクタイをくださいました。
お名前はなんと言いますか。→お名前はなんとおっしゃいますか。
先生はいますか。→先生はいらっしゃいますか。
どちらに住んでいますか。→どちらに住んでいらっしゃいますか。
3時に来ます。→3時にいらっしゃいます。
A先生は昨日11時に寝ました。→A先生は昨日11時にお休みになりました。
先生は何を食べますか。→先生は何を召し上がりますか。
この映画を見ましたか。→この映画をご覧になりましたか。

●ワークブック(変換練習 / 英語から日本語へ翻訳)



2.  Giving Respectful Advice

導入

T:私はホテルでアルバイトをしています。お客さんが私に言います。「荷物を部屋に運んでください。」私は言います。「わかりました。しばらく待ってください。」・・・いいですか?
S:しばらくお待ちになってください?
T:いいですね。でも、もっと良い言い方があります。「しばらくお待ちください」です。

T:ホテルの前に大きな道があります。たくさん車があります(通ります)。危ないです。お客さんがホテルをでます。私はお客さんに言います。「注意してください。」・・・いいですか?
S:お注意ください。
T:「ご注意ください。」です。

板書 / メモ
しばらくお待ちください。
ご注意ください。お+verb stem+ください。:U / Ru - verbs
ご+verb stem+ください。:Irregular verbs (except:来る、する)スペシャルケース:Irregular verbs but お〜ください。
掃除 洗濯 電話 買い物 食事 散歩次の単語は「お」も「ご」も言えない。
来ます、練習、復習、勉強、コピー

練習

●変換練習

聞く、急ぐ、読む、待つ、話す、選ぶ、閉める、説明する、
紹介する、注意する、食べる、休む、見る

●教科書の問題

3. 〜てくれてありがとう / 〜てくださってありがとう

導入:〜てくれてありがとう

T:みなさん、どうしてこの学校で日本語を勉強していますか?
S:有名な学校ですから。
T:そうですか。みなさん、○○学校に来てくれてありがとう。

T:私の授業は楽しいですか。
S:はい、楽しいです。
T:そうですか。私の授業を楽しんでくれてありがとう。

T:あ〜、この英語の意味を忘れてしまいました。S1さん教えてくれませんか。
S1:○○ですよ。
T:あ、そうでしたね。S1さん、教えてくれてありがとう。

T:S1さんはお兄さんがいますね。
S1:はい。
T:どんな人ですか。私に紹介してください。
S1:はい。兄は今、銀行で働いています。とても優しくて、私は大好きです。
T:はい、紹介してくれてありがとうございます。

板書

教えてくれてありがとう。

Vてくれてありがとう。:Thank you for doing ....

導入:〜てくださってありがとう

T:S1さんは英語を日本語に翻訳しなければいけません。でも、難しいから、できません。先生に聞きます。聞いてください。
S1:先生、この英語を日本語に翻訳していただけませんか。
T:いいですよ。はい。先生は翻訳してあげました。S1さん、先生に何と言いますか。
S1:翻訳してくれてありがとう。
T:先生と話しますから、もっと丁寧な言葉を使いましょう。先生、翻訳してくださってありがとうございます。です。

T:これは誰ですか。
S:校長先生です。
T:そうですね。校長先生です。校長先生はみなさんをパーティーに誘いました。「みなさん、今晩、パーティーに来てください!」みなさんは、パーティーに行きました。とても楽しかったです。
T:みなさん、校長先生にお礼を言います。S1さん、言ってください。
S1:校長先生、誘ってくれてありがとう。
T:校長先生と話しますから、もっと丁寧な言葉を使いましょう。校長先生、誘ってくださってありがとうございました、です。

板書

誘ってくださってありがとうございました。

Vてくださってありがとうございました。 (honorific expression)

練習

●変換練習

T:パーティーに誘う
S:パーティーに誘ってくれてありがとう。

ノートを見せる
うちまで送る
ご馳走する
うちまで送る
推薦状を書く
写真を撮る
宿題を手伝う
日本語を英語に翻訳する。
お金を返す。
本を貸す。
日本を教える。
電気をつける。
意味を調べる。
うちに来る。
本を持ってくる。
駅に迎えに来る。
私と結婚する。
友達を紹介する。
心配する。

●ロールプレイ(ペア)
・教科書の例を参考に実施。

●ワークブック(英語→日本語への翻訳)


4. 〜てよかったです

●「〜て」が原因となって、起こった嬉しいことを表す表現。

導入

T:みなさん、日本語が上手になりましたね。
S:そうですね。たくさん勉強しましたから。
T:私は嬉しいです。みなさんの日本語が上手になってよかったです。

T:私は3年前、日本語の先生になりました。この仕事はたいへんだし、難しいですが、とても楽しいです。私は日本語の先生になってよかったです。

板書

私は日本語の先生になってよかったです。

Vてよかったです。: I am glad that.....

 

T:私は昨日パーティーに誘われました。でも、行きませんでした。昨日、パーティーをするところで火事がありました。とても危なかったそうです。私は昨日、パーティーへ行かなくてよかったです。

T:私は今、学校で英語を勉強しています。私の友達も学校で勉強しています。でも、友達はいつも学校をサボります。だから、友達の英語は上手になりません。私はサボりませんでしたから、英語が上手になりました。うれしいです。
T:私は学校をサボらなくて、よかったです。

板書

私は学校をサボらなくてよかったです。

〜なくてよかったです。

練習

●変換練習:単語を与えて「〜てよかった」、「〜なくてよかった」の形で答える。

T:留学する
S:留学してよかったです。

T:留学しない
S:留学しなくてよかったです。

見つかる、勉強する、習う、選ぶ、遅れない、サボらない、知り合える、引っ越す、晴れる、行かない、行く、読む、買う、やめる、寝ない、借りる、覚える、シャワーを浴びる、連れてくる、持ってくる、結婚しない、掃除する、散歩しない、遅刻しない、相談する、朝寝坊しない、買い物しない

●変換練習(教科書の問題)

・財布が見つかる→財布が見つかってよかったです。

●Q&Aで練習

T:S1さんは日本に来てよかったと思いますか。
S:はい、よかったと思います。
T:どうしてですか。
S:日本の文化や技術はすごいし、日本語の勉強も面白いからです。

T:S1さんは、この学校で日本を勉強してよかったと思いますか。
S:はい、よかったと思います。
T:どうしてですか。
S:先生は面白いし、優しいからです。

●ワークブック(英語→日本語への翻訳)

5. 〜はずです

導入

[い形容詞]
T:(写真を見せて)このレストランは、ランチが3000円です。高いですね。
S:とても高いですよ。
T:でも、毎日たくさん人がいますよ。
S:そうですか。
T:美味しいですか。
S:美味しいと思います。
T:そうですね。高いし、人が多いし、このレストランの料理は美味しいはずです。

T:これは田中さんです。田中さんは東京大学を卒業しました。頭がいいですか。
S:はい、頭が良いと思います。
T:どうしてですか。
S:東京大学はNo1の大学ですから。
T:そうですね。東京大学はNo1の大学ですから、田中さんは頭がいいはずです。

板書
[Short form]はずです。:It is supposed to be the case.....
%:「 〜はずです。」>「〜と思います。」このレストランのりょうりは おいしいはずです。

[な形容詞]
T:私はアメリカ人の友達がいます。名前はトムさんです。トムさんは20年日本に住んでいます。日本語ができると思いますか?
S:はい。
T:どうしてですか?
S:20年も住んでいますから、とても上手です。
T:100%ですか?
S:いいえ、でも上手だと思います。
T:そうですね。20年も日本に住んでいるから、日本語が上手だと思いますね。
T:20年も日本に住んでいるから、日本が上手なはずです。

板書
20年も日本に住んでいるから、日本語が上手なはずです。

[動詞]
T:これは私の友達です。お金持ちです。ビリオネアーです。彼は車が大好きです。
T:車をたくさん持っていますか。
S:はい。
T:どうしてわかりますか。
S:ビリオネアーですから、車をたくさん持っています。
T:100%ですか。
S:いいえ、でも持っていると思います。
T:そうですね。ビリオネアーですから、車をたくさん持っていると思いますね。
T:彼はお金持ちですから、車をたくさん持っているはずです。

T:じゃあ、大きい家に住んでいますか。小さい家に住んでいますか。
S:大きい家に住んでいるはずです。
T:はい、お金持ちですから、大きい家に住んでいるはずです。

T:じゃあ、よく、ファストフードを食べますか。
S:いいえ、食べないと思います。
T:どうしてですか。
S:お金持ちですから。
T:そうですね。彼はお金持ちですから、あまりファストフードを食べないはずです。

板書
お金持ちですから、車をたくさん持っているはずです。

[名詞]
T:わたしはみなさんに何を教えています。
S:日本語です。
T:わたしは韓国人ですか、中国人ですか。
S:日本人です。
T:じゃあ、わたしの祖母は韓国人ですか、中国人ですか。
S:日本人です。
T:100%?
S:いいえ。
T:そうですね。みなさん、知りませんね。でも90%?80%?私のおばあさんは日本人だと思います。
T:先生のおばあさんは日本人のはずです。

板書
先生のおばあさんは日本人のはずです。

T:はずです、は、100パーセントじゃありませんが、90%?80%?とても高いパーセントです。
T:Subjectは、「私は」は使えません。

練習

●後件作成

・佐藤さんはお酒が嫌いだといっていましたから → ビールを飲まないはずです。
・黒田さんは毎日ジョギングをしていますから → ジョギングが好きなはずです。
・あのレストランはいつも人がたくさんいますから → おいしいはずです。人気があるはずです。
・山田さんは毎日買い物していますから → 買い物が好きなはずです、お金がたくさんあるはずです。
・太郎くんは17際ですから → お酒を飲まないはずです。
・ジェニーさんは5年、日本語を勉強しましたから → 日本語が上手なはずです。

●Q&A(教科書の問題)

Q:石田さんは頭がいいですか。
A:はい、東京大学を卒業したから、頭がいいはずです。

読み書き編

漢字

基本的には宿題とする。教室の中で練習する場合は、WBに大きく板書して書き順を見せながら、学習者にもノート(ワークブック)に書かせる。学習者が書いている時は、机間巡視して書き順や漢字の間違いがないかチェックする。

読み方は音読み、訓読みを紹介したのち、その漢字を使った熟語も一緒に紹介する。そのあと、覚えるべき熟語をフラッシュカードで練習する。すぐに全部を覚えるのは難しいので、事前・事後の宿題にして時間を有効活用した方が良い。

読解

できる限り、直訳は避け、質問や言い換えなどで内容理解の促進を図る。最初はテーマに関する質問をして、未修語彙の導入や背景知識の活性化を図ってから本文に入る。

本文ははじめにTが全部読み、そのあと、一文or段落ごとに生徒に音読させる。その後、適切な長さごとに本文の内容について質問し、意味の確認に入る。

全部読み終えたら、本文の後にある質問を使って、さらに内容を確認する。

教科書の英訳:お礼の手紙

Dear Mr. Ono

In London, The cold weather still continues but how is Tokyo? I was planing to write a letter earlier but it has been already passed 3 months since I left Japan because I was busy with the classes at the university.

When I was studying abroad, I was greatly in your care. I didn’t understand Japanese at first and I was anxious. But I became good at Japanese thanks to mother and father. Thank you for teaching me the Japanese language and the Japanese life.

I still remember playing tennis with my host sister and playing Japanese chess with my host brother. I’m really glad that I went to Japan. I miss the Japanese bath that I didn’t like very much and the full train.

I am going to study kanji by myself during this winter vacation. After I graduated from the university, I plan to go back to Japan again. At that time,I am looking forward to being able to meet you. Well then, Give my best regards to everyone. Please take good care of your health.

教科書の英訳:マリアさんのメール

Dear Mr. Park Suman

I’m sorry for sending you an email suddenly. I am Maria Evance.
I am sending you this email because of the introduction of my friend Mohammed. (My friend Mohammed told me about you so I am sending you this email.)

I am a senior student ( at my fourth year)  at the university of California now. After I graduate from the university, I am planning to study international politics at a graduate university. My major is politics and I was studying the relationship between America and Japan. I heard that Mr .Park is researching electric engineering at a graduate university in Japan. Would you tell me about the Japanese graduate university?

I heard I have to take the Japanese language exam before I enter the graduate university but how did you study for the exam?

In addition, Since it seems that the cost of living is high in Japan, I want to apply for a scholarship but what should I do? If I can’t get the scholarship, I am going to look for a part-time job. Is it difficult for international students to look for a part-time job?

I am sorry for having so many questions.
I know you are busy but thank you in advance.

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