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中級へ行こう 日本語の文型と表現55 第2版

語彙や文法の導入

1. 話しましょう

ここでは、第8課のテーマである、「あいづち」について会話をしながら、未習の語彙を導入したり、本文を読むに当たって手助けとなる情報を学習者に与えていく。

  「話しましょう」の中で全ての言葉を導入するのは時間が足りないし、難しいのと思うのでキーワードとなる言葉を導入したり、事前に単語リストを配っておくなどして、時間短縮すると良い。

ウォーミングアップ:あいづち

T:みなさん、「あいづち」という言葉を知っていますか。
S:いいえ、初めて聞きました。
T:じゃあ、写真を見てください。3人の人が話しています。何かわかったことがあれば教えてください。
S:女の人が「うん、うん」と言っています。
T:そうですね。それだけですか。
S:それから、頭を上と下に動かしています。
T:こうですか?(大げさに上下に頭を動かす。)
S:違います。もっと小さいです。
T:こうですか?
S:はい、そうです。
T:そうですね。(頷くジェスチャーをして)これを「うなずく」と言います。
T:この女の人は話していますか。聞いていますか。
S:聞いています。
T:そうですね。話を聞いているときに、「うん、うん」と言ったり、頷くことを「あいづち」と言います

T:そして、「あいづち」のアクションをすることを、「あいづちを打つ」と言います。
T:みなさんの国には「あいづち」の習慣がありますか。
S:いいえ、ありません。
T:そうですか。日本人はよく「あいづちを打ちます」。どうしてだと思いますか。
S:(意見を言う)
T:じゃあ、後で、「あいづち」の文章を読みましょう。

2. ことばの練習

媒介語で未習の語彙を紹介 or 事前に宿題として意味を調べさせる。
それぞれの単語をリピート、意味を確認した後、教科書の「ことばの練習」を実施する。

単語意味
あいづちnod
うなずくto nod
合図sign / cue
だからso
賛成するto agree
不安なanxious /uneasy
確かめるto make sure
誤解するmisunderstand
黙るto shut up / be silent
打つgive (a nod)
さまざまなvarious
おしゃべりchat



3. 新しい文型

T:じゃあ、本文を読む前に、新しい文型を5つ勉強しましょう。

(1) 〜あいだ / 〜あいだに

[意味]
〜あいだ:〜の期間、ずっと、ある動作が行われる。
〜あいだに:〜の期間に1回の動作や出来事が成立する。
どちらも後件には過去時制が使える。

[英訳]
〜あいだ:Used to indicate that while doing ~, an action is done continually.
〜あいだに:Used to indicate that while doing ~ an action or event is done or occurs.
The consequences for both can also use the past tense.

①導入

●時間軸を書いて説明する。

T:トムくんは日本に留学しています。今年の4月から12月まで留学します。トムくんは相撲が大好きです。だから7月に相撲を見ました。
T:トムくんは日本に留学している間に、相撲を見ました。

T:昨日、私は10時に寝ました。今朝、9時に起きました。でも、3時ごろに地震がありました。
T:昨日、寝ている間に地震がありました。

板書
昨日、寝ている間に地震がありました。

There was an earthquake, while I was asleep yesterday.  A(Vている)間に B
A(Noun)の間に B     B take place, while A

※状態動詞(例:「いる」)は「〜ている」の形にはならない
ex. 日本にいる間に、相撲を見ました。

T:皆さんは、冬休み何をしましたか。
S1:私は国へ帰りました。
S2:私は京都へ旅行に行きました。
T:そうですか。S1さんは冬休みの間に国へ帰りました。S2さんは冬休みの間に京都へ旅行に行きました。

②基本練習1:前件と後件のペアを線で結ぶ。

③基本練習2:正しい答えを選択する。
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

④追加練習
・時間軸を書いて問題を作る。

(問題例)
[Vている間に]
寝ている間に、地震がありました。
寝ている間に、たくさん汗をかきました。
お風呂に入っている間に、電話がありました。
娘が買い物に行っている間に、ご飯を作りました。
パクさんがたくさん遊んでいる間に、私はたくさん勉強します。
お湯を沸かしている間に、野菜を切ります。
先生が教室にいる間に、わからない問題を質問します。/ききます。

[Nの間に]
夏休みの間に、復習しておきます。
休み時間の間に、トイレに行っておきます。
留守の間に、友達がきました。

単語意味
(音楽を)流すto play / stream (music)
発言するto say / to make a remark
運転免許driver's license
取るto get
訪ねるto visit

(2) ~わけではない

[意味:全部が〜とは言えない。かならず〜とは言えない。]
部分否定を表し「全部、いつも」などの副詞とともに使われることが多い。また、直前のことから当然予想されることを婉曲的に否定するのにも用いられる。

[英訳]
It is not that ~
(Used to express partial negation, frequently in conjunction with adverbs like 全部, いつも, etc. Also used to euphemistically deny what could naturally be expected from what is mentioned just before.)

[例文]
・このレストランはいつも込んでいるが、値段が安いわけではない。
・明日は休みだが、暇なわけじゃない。
・毎日、料理をするが、料理が上手なわけじゃない。
・たくさんお金持があっても、幸せになれるわけじゃない。

[接続]
普通形(ナAな)+わけではない

①導入
T:みなさん、もしたくさんお金があったら、幸せになれると思いますか?
S:はい。
T:この人はお金持ちです。100億円持っています。
T:でも、奥さんと最近、別れました。飼っていた犬は死にました。友達はいません。両親ももう亡くなってしまいました。
T:彼はお金がたくさんありますが、幸せですか?
S:いいえ。
T:そうですね。お金がたくさんあります。100%幸せになれますか。
S:いいえ。
T:幸せになれるかもしれません。でも、100%じゃないですね。
T:お金がたくさんあっても、幸せになれるわけではありません。

 

T:私の友達のトムさんは毎日、10時間日本語を勉強しています。去年、JLPTN3を受けました。
T:トムさんは受かったと思いますか?
S:はい。
T:毎日10時間勉強していますから、受かったと思いますね。
S:はい。
T:でも、受かりませんでした。テストの時、お腹が痛くなって、長い時間、トイレにいたそうです。
T:毎日、10時間勉強します。100%JLPTに受かりますか。
S:いいえ。
T:毎日、勉強したら受かるかもしれません。でも100%じゃないですね。
T:毎日、10時間日本語を勉強しても、JLPTに受かるわけじゃありません。

 

T:これは私の友達です。シェフです。料理をするのが大好きです。いろいろな料理を作れます。
T:彼女は毎日、料理をしますか?
S:いいえ。毎日じゃないと思います。
T:そうですね。彼女はシェフで料理をするのが好きですが、時々レストランで食べます。「料理する」いつもじゃありません。
T:彼女は料理が好きです。でも、毎日、料理するわけじゃありません。

板書
お金がたくさんあっても、幸せになれるわけじゃありません。
毎日、10時間勉強しても、JLPTに受かるわけじゃありません。
毎日、料理するわけじゃありません。

T:お金がたくさんあります。100%幸せになれますか。いいえ。幸せになれるわけじゃありません。
T:毎日、10時間勉強します。100%JLPTに受かりますか。いいえ、JLPTに受かるわけじゃありません。
T:よく料理をします。でも毎日ですか。いいえ、毎日、料理をするわけじゃありません。

T:「いつもじゃありません」、「100%じゃありません」と言いたい時、「〜わけじゃありません」と言います。
T:「わけじゃありません」の前はどんな形ですか。
S:普通形。
T:そうですね。普通形が使われます。

①基本練習:変換練習
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

②応用練習:文作り
教科書では3問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

③短作文
「後悔していること / 困っていること / 残念なこと」をテーマに短作文を書かせる。

(3) Vる/Vないことがある

[意味]
時々/たまにそういう場合がある/ない。

[英訳]
There are times when V or does not V
(Used to indicate that someone does or does not do something sometimes/once in a while. )

[例文]
・私は朝ご飯を食べないことがある。
・時々、時間通りに電車がこないことがある。
・時々、電気を消さずに寝てしまうことある。

①導入
T:みなさんは、毎日、朝ごはんを食べますか。
S:はい。
T:私も毎日、朝ごはんを食べます。でも、時々、朝寝坊します。朝寝坊した時は食べません。

板書
毎日、朝ごはんを食べます。でも、時々食べません。

T:毎日、します。でも、時々しません。新しい言い方を覚えましょう。
T:「私は毎日、朝ごはんを食べます。でも、朝ご飯を食べないこともあります。」と言います。

板書
毎日、朝ごはんを食べます。でも、朝ごはんを食べないこともあります

T:みなさん、毎日、寝る時、電気を消しますか。
S:はい。
T:私も毎日、電気を消して寝ます。でも、時々、消さないで寝ます。
T:いつも電気を消して寝ますが、電気を消さないで寝ることもあります。

板書
電気を消さないで、寝ることもあります

T:朝ごはんを食べないこともある。いつも食べます。でも、時々食べません。食べないこともある。です。
S:電気を消さないで、寝ることもある。いつも消して寝ます。でも時々、消さないで寝ます。消さないで寝ることもある。です。

T:いつもします。でも時々、しません。「〜ことある。」です。
S:でも、先生はさっき、「〜ことある」と言いましたよ。
T:毎日、朝ごはんを食べます。でも、朝ごはんを食べないことある。ですね。
T:最初に朝ごはんを食べますと言いました。2回目ですから、「朝ごはんを食べる/食べない」2回目ですから、「〜ことがある」は「〜こともある」になります。

T:「ことがある」の前は何形ですか?
S:辞書形とない形です。
T:そうですね。

②基本練習
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

③応用練習:文作り
教科書では2問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

単語意味
うちの子my child
違和感feeling of strangeness / sense of discomfort
外出するto go out

(4)  V1るまでV2

[意味]
V1の動作が実現するまで、V2の動作をずっと続ける / V2の状態が続く。

[英訳]
Until V1 (completed), V2 (continues)
(Used to indicate that until the action denoted by V1 is realised or completed, the action or condition denoted by V2 will continue. )

①導入
T:みなさんは1年前から日本語を勉強していますね。
S:はい。
T:(時間軸を書いて)いつまで?
S1:3月まで
T:3月までですか?4月は勉強しませんか?
S1:します。
T:じゃあ、いつまで?
S1:上手になったらやめます。
T:S1さんは日本語が上手になるまで日本語を勉強をします。

他のSにも質問する。

T:私は日本語の先生です。今、30歳です。(時間軸を書いて)65歳になります。仕事をやめます。65歳になるまで、働きます。

T:今、喫茶店にいます。コーヒーを飲んでいます。外を見ます。雨が降っています。いつ雨がやみますか?わかりません。私は喫茶店で待ちます。雨がやむまで、喫茶店で待ちます。

板書
S1さんは日本語が上手になるまで、日本語を勉強します。
65歳になるまで、働きます。
雨がやむまで きっさてんで 待ちます。
T:「S1さんは日本語が上手になるまで日本語を勉強します。」、まだ上手じゃありませんから、日本語を勉強します。上手になりました。勉強をやめます。
T:「65歳になるまで、働きます。」、まだ30歳ですから、働きます。65歳になります。仕事を辞めます。
T:「雨がやむまで きっさてんで 待ちます。」、まだ雨が降っていますから、待ちます。雨がやみます。外にでます。
T:後ろの文を続けます。前の文が起こったらやめます。
②基本練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

 

③応用練習
教科書では2問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

単語意味
喫茶コーナーcafe corner
訪ねるto visit

(5) Nによって  

[意味]
状況に応じて変わることを表す

[英訳]
depending on N
(Used to express that a situation, attitude, etc., varies according to a condition.)

[例文]
・学校によって、規則が全然違います。
・国によって、あいさつの方法が違います。
・人によって、考え方はいろいろだ。
・気分によって、服を変えます。
・この電車は、時間によって混み具合が全然違います。
・そのレストランは、時間によって、空いていたり、混んでいたりします。

①導入
学習者が英語圏の生徒であれば、「depending on N」=「Nによって」で済ませてもいいだろう。

T:(色々な国の挨拶の仕方を写真で見せて)何をしていますか。
S:挨拶です。
T:そうですね。じゃあ、これはどこの国の挨拶ですか。
S:日本。
T:じゃあ、これは?
S:アメリカ。
T:そうですね。じゃあ、これは?
S:インド?
T:そうですね。日本の挨拶、アメリカの挨拶、インドの挨拶。同じですか?
S:いいえ、違います。
T:(板書)挨拶が違います。
T:アメリカ、日本、インド。これは何ですか?
S:国です。
T:そうですね。アメリカ、日本、インド、国が違います。挨拶が違います。国によって、挨拶が違います。

T:(髪がゴールドの人の写真を見せて)髪の色は黒ですか?
S:いいえ、ゴールドです。
T:(他の色の髪を見せて)髪の色は黒ですか?
S:いいえ、白です。
T:(他の色の髪を見せて)髪の色は黒ですか?
S:いいえ、茶色です。
T:みんな、髪の色が同じですか?
S:いいえ、違います。
T:(板書)髪の色が違います。
T:黒の人、白の人、茶色の人、みんな違いますね。
T:人が違います。髪の色が違います。人によって、髪の色が違います。
T:じゃあ、目の色は同じですか?
S
:違います。
T:違いますね。人によって、目の色が違います。

板書
国によって、あいさつが違います。
人によって、髪の色が違います。

T:国によって、あいさつが違います。国が同じじゃありません。あいさつも同じじゃありません。色々なあいさつがあります。

T:人によって、髪の色が違います。人が同じじゃありません。髪の色も同じじゃありません。色々な髪の色があります。

②応用練習
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

③短作文
「料理の味/考え方/習慣/挨拶の仕方」をテーマに作文を書かせる。

単語意味
家庭family / home
ご馳走になるto be treated

(6) 「Nとして・Nについて・Nによって」の整理  

①基本練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

②応用練習
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。

単語意味
アジア文学family / home
博士論文to be treated
作家writer / author / novelist
ベストセラーbestseller
連絡手段means of contact



本文読解

1. QAの確認

本を読む前に、 まず、QAの内容を確認する。

T:じゃあ、これから「あいづち」の文章を読む前に、QAを確認しましょう。
T:じゃあ、最初の問題を読んでください。
S:「あいづち」はどんなことをすることですか。

他のQAも確認する。

2. 本文を読む

T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)

T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)

3. ピア活動

T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:(机間巡視)

4. 答えの確認

T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。

Sに質問文を読ませ、答えを確認する。

後作業:リスニングや作文など

1. チェックシート

2択問題。3〜5分程度で解かせて、答え合わせをする。時間がなければ宿題にしても良い。

2. 聴解タスクシート

CDを聞きながら、空欄の部分を記入させる。CDにはゆっくりしたスピードとナチュラルスピードが録音されているので、学習者のレベルに応じて選択すると良い。ゆっくりスピードでも生徒が聞き取れなければ、教師がもっとゆっくりしたスピードで読むと良いだろう。

3. シャドーイング

これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。

4. 作文

できる限り時間内に書かせて提出させる。

単語意味
オーケーok
身振りgesture
反対にon the contrary / conversely
neck / head
(首を)振るto shake (one's neck)
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