目次
使用教材
語彙や文法の導入
1. 話しましょう
ここでは、第7課のテーマである、「リサイクルとフリーマケット」について会話をしながら、未習の語彙を導入したり、本文を読むに当たって手助けとなる情報を学習者に与えていく。
ウォーミングアップ
T:皆さん、イラストを見てください。何をしていると思いますか。
S:服を売っています。
T:そうですね。どこで売っていますか。
S:外。
T:そうですね。これはフリーマーケットと言います。みなさん、知っていますか。
S:いいえ、知りません。
T:もう着なくなった服や、使わなくなったものを外で売ることです。
T:みなさんは、服が古くなったらどうしますか?
S:捨てます。
T:昔は古くなったら、みんなすぐに捨てていました。
T:でも、最近はフリーマーケットで売る人が増えてきました。どうしてだと思いますか。
S:お金が欲しいですから。
T:そうですね。他にも理由があります。
S:リサイクルですか。
T:そうですね。今はいろいろな環境の問題あります。
T:何か知っていますか。
S:気温が上がっている?
T:そうですね。、昔より今は気温が少しずつ上がっています。知っていますか。
S:はい。
T:世界の気温が少しずつ上がっていることを「地球温暖化」と言います。
T:他にも色々な問題があります。なんですか。
S:わかりません。
T:これです。
S:??? 砂?
T:これは「砂漠」といます。ここは、昔、たくさん木がありました。でも、いろいろな人が木を切って砂漠になりました。砂漠になることを「砂漠化」と言います。
T:地球温暖化、砂漠化、世界にはいろいろな環境の問題があります。
T:日本人はそれを知って、私たちが住んでいる地球を守ろうと考えました。
T:そしてフリーマーケットでリサイクルを始めました。
T:みなさんは、フリーマーケットに言ったことがありますか。
S:行ったことがありません。
T:じゃあ、今度行ってみてくださいね。
2. ことばの練習
媒介語で未習の語彙を紹介 or 事前に宿題として意味を調べさせる。
それぞれの単語をリピート、意味を確認した後、教科書の「ことばの練習」を実施する。
単語 | 意味 |
温暖化 | warming |
砂漠化 | desertification |
自分たち | ourselves |
守る | to protect / to preserve |
〜というN | N of ~ , N that ~ |
意識 | awareness |
生まれる[意識が〜] | develop [an awareness] |
以前 | in the past |
考え | though |
リサイクル運動 | recycling movement |
〜のだ | plain form of 〜んです, which is used to indicate the meaning of an explanation |
十分 | reasonably / sufficiently |
市町村 | municipality |
〜と呼びかける | urge ~ |
新聞紙 | newspaper |
今回 | this time |
次回 | next time |
3. 新しい文型
T:じゃあ、本文を読む前に、新しい文型を5つ勉強しましょう。
(1) Vたものだ
[意味]
過去の状態やよく起こったことを思い出して言う時の表現
[英訳]
used to V
(Used to express a past situation or what frequently occurred while remembering it.)
[接続]
Vタ + ものだ
①導入
T:みなさん、子供の時を思い出してください。
T:よく、何をしましたか。
S:友達とサッカーをしました。
T:今はしませんか。
S:はい。
T:懐かしいですか。
S:はい、とても。
T:昔のことを思い出して、懐かしいことを話す時、こう言います。
T:子供の時は、よく友達とサッカーをしたものだ。
他のSにも質問する。
T:じゃあ、大学生の時はどうですか。
T:私はよく、友達と朝までビールを飲みました。
T:大学生の時は、よく友達と朝までビールを飲んだものだ。
S:大学生の時は、よく朝までカラオケをしたものだ。
大学生の時は、よく友達と朝までカラオケをしたものだ。
S:た形
T:そうですね。
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
③短作文
「子どもの頃、よくしたこと」をテーマに短作文を書かせる。
単語 | 意味 |
時代 | ~ days |
(2) ~として
[意味]
立場・資格・種類をはっきり表す。
[英訳]
as ~
(Used to expressly state the position, qualification or kind of a thing or person.)
[例文]
(立場)
・私は留学生として日本にきました。
・彼は歌手として有名だ。
・ホームステイの家族は、私を家族の1人として温かく迎えてくれた。
・今年から、エンジニアとして働くことになった。
(種類)
・日本語の文字として、ひらなが、カタカナ、漢字が使われている。
・リサイクル運動の一つとして、フリーマーケットがある。
①導入:立場
T:みなさんは、日本にきましたね。どうして日本へきましたか。
S:日本語を勉強するためです。
T:そうですね。じゃあ、みなさんは何ですか?先生ですか?
S:留学生です。
T:そうですね。留学生ですね。
T:みなさんは日本へ来ました。留学生として日本へ着ました。
T:これは誰ですか?
S:マイケル・ジャクソンです。
T:そうですね。彼は有名ですか。
S:はい、とても有名です。
T:(歌手、ダンサー、医者、先生など職業の名前を書いていく)
T:医者の仕事で、マイケル・ジャクソンは有名ですか?
S:いいえ。
T:先生の仕事で、マイケル・ジャクソンは有名ですか。
S:いいえ。
T:歌手の仕事で、マイケル・ジャクソンは有名ですか。
S:はい。
T:そうですね。マイケル・ジャクソンは歌手として有名です。
T:ダンサーの仕事で、マイケル・ジャクソンは有名ですか。
S:はい。
T:そうですね。マイケル・ジャクソンはダンサーとして有名です。
マイケル・ジャクソンはダンサーとして有名です。 〜として:as (position)
T:留学生として日本へ来ました。先生ですか?いいえ。歌手ですか?いいえ。留学生として日本へきました。
T:マイケル・ジャクソンは有名です。医者の仕事で有名ですか?いいえ。先生の仕事で有名ですか?いいえ。ダンサーとして有名です。
①基本練習:結合練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
②応用練習:文作り
教科書では2問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
単語 | 意味 |
エンジニア | engineer |
研修 | training |
応援ソング | cheering / support song |
名所 | famous site |
(3) 〜といっても
[意味]
実際は〜から考えられるものとは違う。
[英訳]
Though ~ , (The reality is different from what should be expected from ~.)
[例文]
・日本語ができると言っても、読んだり、書いたりできない。
・お金持ちと言っても、彼が住んでいる家の家賃は5万円だ。
・古いと言っても、まだ十分に使える物ばかりだ。
・会社を作ったと言っても、写真が2人だけの会社だ。
①導入
T:私の友達は会社を作りました。
S:どんな会社ですか。
T:ITの会社です。
S:へぇ、すごいですね。
T:すごくないですよ。どうしてですか。
S:会社を作るのは簡単じゃないですよ。
T:そうですね。でも、二人だけですよ。
S:え、そうなんですか。
T:みなさん、社員が何人いると思いましたか。
S:50人くらい?
T:どうしてですか。
S:ITの会社を作ったと言いましたから。
T:(板書)ITの会社を作りましたと言いました。でも、社員は二人だけです。
T:みなさんは、たくさん社員がいると思いましたね。
S:はい。
T:でも、実は少ないですね。
S:はい。
T:ITの会社を作ったと言いました。みなさんはたくさん社員がいると思いました。でも違いました。
T:ITの会社を作ったといっても、社員は二人だけです。と言います。
T:(写真を見せて)これは私の友達です。お金持ちです。マンションに住んでいます。どんなマンションに住んでいると思いますか。
S:とても広いマンション。
T:家賃はいくらぐらいだと思いますか。
S:20万円
T:これは私の友達のマンションです。どうですか。
S:とても小さいです。
T:小さいですね。家賃は4万円です。
S:安いですね。
T:はい、安いですね。でも、お金持ちですよ。10億円持っています。
T:(板書)お金持ちです。でも、住んでいるマンションは小さいです。
T:私は、「彼はお金持ち」と言いました。みなさん、どうですか。住んでいるマンションは大きいと思いましたか。
S:はい。
T:家賃は高いと思いましたか。
S:はい。
T:彼はお金持ちですと言いました。彼が住んでいるマンションは大きいと思いました。でも違いました。
T:彼はお金持ちと言っても、住んでいるマンションはとても小さいです。と言います。
お金持ちといっても、住んでいるマンションはとても小さいです。
T:ITの会社を作ったといっても、社員は二人だけです。と言います。友達はITの会社を作りました。社員がたくさんいると思います。でも違います。「ITの会社を作ったといっても社員は二人だけです」と言います。
T:彼はお金持ちと言っても、住んでいるマンションはとても小さいです。お金持ちですから、大きいマンションに住んでいると思いました。でも違いました。「お金持ちと言っても、住んでいるマンションはとても小さいです」と言います。
T:Aと言ってもB。Aと聞いて、いろんなことを考えます。でも違います。Bです。Aと言ってもB。です。
①基本練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
②応用練習:文作り
教科書では2問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと
(4) V1よりV2ほうが〜
[意味]
2つの行為を比較する表現
[英訳]
Rather than V2, it is ~ to V1
(Used to compare doing two actions.)
①導入
T:みなさん、日本語は難しいですか?
S:はい、とても難しいです。
T:(板書)「話す」、「書く」
T:どっちの方が難しいですか。
S:「話す」です。
T:日本語を書くより話すほうが難しいです。
T:S1さんの趣味は何ですか?
S1:映画を見ることです。食べることです。
T:そうですか。(板書)「映画を見る」、「食べる」
T:どっちの方が楽しいですか。
S:「映画を見る」です。
T:食べるより、映画を見るほうが楽しいです。
他のSにも質問する。
食べるより、映画を見るほうが楽しいです。
T:初級でN1よりN2のほうが勉強しましたね。書く、話す、食べる、見る、これは何ですか?名詞?形容詞?
S:動詞です。
T:そうですね。動詞も使えます。動詞の形は何ですか。
S:辞書形です。
T:そうですね。
②基本練習:文作り
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
③短作文
「どちらが〜」をテーマに作文を書かせる。
単語 | 意味 |
ためる | to save |
(5) なら
[意味]
相手の言ったことや自分で考えたことを主題として取り上げ、それについて意見や判断を伝える時に使う。
[英訳]
If ~
(Used to take up as a subject what the other party has said or what you are thinking about in order to express your opinion or judgement on the matter.)
①基本練習:正しい答えを選択
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
②基本練習:変換練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
単語 | 意味 |
日本語能力試験 | JLPT (Japanese Language Proficiency Test) |
願書 | application |
デジタルカメラ | digital camera |
(6) 「なら・と・ば・たら」の整理
①基本練習:正しい答えを選択
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
②基本練習2:変換練習
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
(7) Vて欲しい / Vないで欲しい
[意味]
要望を表す。
[英訳]
want someone to V or not to V
(Used to express a request.)
①導入
T:これは友達のトムさんです。トムさんはタバコが好きです。私と話すとき、いつもタバコを吸います。私はタバコが大嫌いです。
T:(板書)トムさんはタバコをやめます。私はこれが欲しいです。
T:私はトムさんにタバコをやめて欲しいです。
T:私の友達のジェームスさんです。ジェームスさんは日本語を勉強しています。でも、全然、宿題をしません。いつもサボります。昨日も一昨日も宿題をしませんでした。
T:(板書)ジェームスさんはもっと勉強します。私はこれが欲しいです。
T:ジェームスさんにもっと勉強して欲しいです。
T:皆さんは、今年、JLPTを受けますね。
S: はい。
T:受かると思いますか。
S:う〜ん、わかりません。
T:(板書)JLPTに受かります。私はこれが欲しいです。
T:みなさんにJLPTに受かって欲しいです。
ジェームスさんにもっと勉強して欲しいです。
みなさんに JLPTに受かってほしいです。私は personに Vてほしい: I want (person) to do
T:私の友達のジョンさんです。ジョンさんはいつも嘘をつきます。私とジョンさんは友達ですから、嘘をつかないでほしいです。
T:(写真を見せて)これは私の同僚です。趣味は歌です。でも、とても下手です。オフィスでいつも歌います。うるさいです。耳は痛いです。歌わないでほしいです。
歌わないでほしいです。(私は) personに Vないでほしいです (or Vてほしくないです ): I don't want (person) to do
②基本練習1:変換練習
T:勉強する
S:勉強してほしいです。
③基本練習2:結合練習
T:お母さん、仕事をする。
S:お母さんに仕事をしてほしいです。
お父さん・たばこをやめる
おばあさん・若いころの話をする
友達・日本語の勉強を続ける
友達・遠い所に行かない
同僚・夢を諦めない
先生・もっと学生を褒める
昔の彼・私を忘れる
昔の彼女・幸せになる
④基本練習3:文作り
教科書では4問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
単語 | 意味 |
お願い | request |
専門学校 | technical / vocational college |
揃える | to collect / to get ready |
本文読解
1. QAの確認
本を読む前に、 まず、QAの内容を確認する。
T:じゃあ、これからリサイクルとフリーマーケットの文章を読みます。はじめに、プリントを配ります。1枚はリサイクルとフリーマーケットの文章で、もう1枚は文章の問題です。
(読み物とタスクシートを配布)
T:じゃあ、最初にタスクシートを見てください。問題は3つあります。文章の質問です。みなさんには文章を読んで、答えを考えてもらいます。
2. 本文を読む
T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)
T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)
3. ピア活動
T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:(机間巡視)
4. 答えの確認
T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。
Sに質問文を読ませ、答えを確認する。
後作業:リスニングや作文など
1. チェックシート
2択問題。3〜5分程度で解かせて、答え合わせをする。時間がなければ宿題にしても良い。
2. 聴解タスクシート
CDを聞きながら、空欄の部分を記入させる。CDにはゆっくりしたスピードとナチュラルスピードが録音されているので、学習者のレベルに応じて選択すると良い。ゆっくりスピードでも生徒が聞き取れなければ、教師がもっとゆっくりしたスピードで読むと良いだろう。
3. シャドーイング
これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。
4. 作文
できる限り時間内に書かせて提出させる。
単語 | 意味 |
使用済み | used |
食用油 | cooking oil |
ペットボトル | plastic bottle |
牛乳パック | milk carton |
コピー用紙 | copier paper |
トイレットペーパー | toilet paper |
資源ごみ | recyclable garbage |
例えば | for example |
リサイクルボックス | recycle box |