目次
使用教材
語彙や文法の導入
1. 話しましょう
ここでは、第9課のテーマである、「男の仕事・女の仕事」について会話をしながら、未習の語彙を導入したり、本文を読むに当たって手助けとなる情報を学習者に与えていく。
ウォーミングアップ
T:みなさん、絵を見てください。これはどんな仕事ですが?左の仕事はなんですか?
S:ゴミを集める仕事です。
T:そうですね。誰が仕事をしていますか。
S:女の人。
T:そうですね。女性がしていますね。
S:女性?
T:女の人を「女性」と言います。
T:じゃあ、右の仕事はなんですか?
S:ナースです。
T:誰が仕事をしていますか。
S:男の人。
T:そうですね。男性がしています。男の人を「男性」と言います。
T:じゃあ、この写真を見て、どう思いますか?何か変ですか。
S:いいえ、変じゃないです。
T:そうですね。
T:でも、日本では、昔、ゴミを集める仕事は男がする仕事でした。
T:そして、ナースの仕事は女がする仕事でした。
T:皆さんは、男の仕事と女の仕事が違うという考えをどう思いますか。
S:(意見を出し合う)
T:それでは、今日のテーマ「男の仕事・女の仕事」を読みましょう。
2. ことばの練習
媒介語で未習の語彙を紹介 or 事前に宿題として意味を調べさせる。
それぞれの単語をリピート、意味を確認した後、教科書の「ことばの練習」を実施する。
単語 | 意味 |
女性 | female / woman |
職場 | workplace |
男性 | man |
看護婦 | nurse (female) |
保母 | child-care nurse / childminder(female) |
職業 | occupation |
名称 | name |
看護士 | nurse |
保育士 | child-care nurse / childminder |
建築 | buildng / construction |
運転手 | driver |
車掌 | conductor |
男女 | men and women |
区別 | discrimination / distinction |
目を向ける | look at |
家事 | hausework |
労働 | work / labor |
〜程度 | about ~ |
調査結果 | result of a survey |
AではなくB | not A but B |
すすんで | willingly |
分担する | to share |
共働き | dual-income |
食事作り | cooking meals |
建築現場 | building site |
呼び名 | name |
3. 新しい文型
T:じゃあ、本文を読む前に、新しい文型を勉強しましょう。
(1) AにともなってB
[意味:Aが変化するとBも一緒に変化する。]
一方の変化とともに他方も変わることを表す。
社会的なことに使われることが多い。
[英訳]
As~, With~
(Used to express one thing changes in response to the change of another thing.)
[例文]
・時代の変化にともなって、人々の考え方も変わってきた。
・年をとるにともなって、白髪が多くなります。
・地球温暖化にともなって、いろいろな問題が起きている。
・人口の増加に伴って交通渋滞や大気汚染が問題となってきた。
S:はい。
T:50歳になったらどうなりますか。
S:白髪が増えます。目が悪くなります。など。
S:もっと増えます。
T:じゃあ、70歳になったら、白髪はどうなりますか?
S:もっと増えます。
T:はい、50歳になります。白髪が増えます。60歳になります。もっと増えます。70歳になります。もっともっと増えます。
T:年をとるにともなって、白髪が増えます。といいます。
T:皆さん、第7課で地球温暖化の話をしましたね。
S:はい。
T:地球の気温が少しずつ上がっています。
T:気温が上がったら、どんな問題が起こりますか。
S:暑くなります。
T:暑くなるとどんな問題がありますか?
S:水がなくなります。いろいろな動物が死にます。
T:そうですね。地球の気温が少しずつ上がります。水がなくなったり、いろいろな動物が死にますね。色々な問題が起きますね。
S:はい。
T:地球の気温が1度、2度、3度、少しずつ増えています。気温が増えると、水がなくなったり、動物が死んだり、いろいろな問題が起こります。
T:地球温暖化にともなって、いろいろな問題が起こります。と言います。
T:前の文が変わると、後ろの文も一緒に変わるという意味です。
②応用練習1:後件作成
③応用練習2:前件作成
単語 | 意味 |
普及 | spread |
体力 | physical strength |
(2) 接続詞[つまり・一方]
[意味]
つまり:前の表現、内容をわかりやすく言いかえる、まとめる。
一方:前の文の内容に対立する内容を導く。
[英訳]
つまり:Used to rephrase in simpler terms or summarize the expression, content, etc., previously mentioned.
一方:Used to lead into a sentence or phrase that has the opposite meaning to what was said in the previous sentence or phrase.
①導入
説明が難しい場合は媒介語での意味を説明してささっと終わらせる。
②基本練習1:選択問題
③基本練習2:「つまり」を使った文作り
④基本練習3:「一方」を使って2つの文を繋ぐ練習
単語 | 意味 |
月・水・金 | Monday, Wednesday, Friday |
生む | to give birth |
曜日 | day of the week |
少子化 | declining birth rate |
一人暮らし | living alone |
めい | niece |
おい | nephew |
苦手な | to be poor at / dislike |
コック | cook |
(3) Na/Nである
[意味]
「Na / Nです」の書きことば。レポートを書くときに使う。
[英訳]
Literary style of Na/Nです. This expression is used when people write reports, papers, etc)
①導入例1
T:(レポートを配布して)皆さん、これはあるレポートです。読んでください。
S:(読む)
T:はい、文章はどうですか。何か変ですか?
S:いいえ、良いと思います。
T:間違いがありますか?
S:無いです。
T:そうですね。間違いはありません。でも、日本人はレポートを書く時、ます形を使いません。普通形を使います。
T:(普通形に書き直されたレポートを配布して)皆さん、今度はどうですか。
S:良いと思います。
T:そうですね。普通形が使われていますね。でも、レポートを書く時、「Noun だ」、「な-Adjective だ」は使いません。
S:何を使いますか。
T:「〜である」を使います。
①導入例2
T:(「である体」で書かれたレポートを配布して)皆さん、これは、あるレポートです。読んでください。
S:(読む)
T:はい、文章はどうですか。何か変ですか?
S:〜である?
T:そうですね。「〜である」と書いていますね。
S:これは何ですか?
T:意味は何だと思いますか?
S:です?
T:そうですね。どうして、「です」じゃありませんか?
S1:フォーマルな書き方ですか?
T:そうですね。レポートを書く時、「です」は「である」になります。
T:じゃあ、動詞とい形容詞の形はどうですか?
S:普通形ですか。
T:はい、そうです。いいですね。
②基本練習:文章を「である体」に書きかえる。
③短作文
「私の国の気候」をテーマに短作文を書かせる。
単語 | 意味 |
島国 | island country |
〜にわかれる | to divided into ~ |
南北(に長い) | (long from) north to south |
弓 | bow |
〜のような形 | to be shaped like ~ |
気候 | climate |
温暖な | mild |
地方 | region |
1年中 | all through the year |
独特な | unique |
行事 | event |
大陸 | continent |
半島 | peninsula |
東西 | east and west |
雨季 | rainy season |
乾季 | dry season |
熱帯 | tropical zone |
スコール | squall |
(4) 使役受身
①導入
T:みなさんにプレゼントです。食べてください。
S1:え、、、、私は梅干しが嫌いです。
T:食べなさい。
S1:(食べる)
T:みなさん、先生はS1さんに梅干しを?
S:食べさせました。
T:そうですね。S1さん、嬉しいですか。
S1:嬉しくないです。嫌いですから。
T:そうですか。じゃあ、どうして食べたんですか?
S1:先生が食べなさいと言ったから。
T:そうですね。ノッチ先生はS1さんに梅干しを食べさせました。S1さんはノッチ先生に梅干しを食べさせられました。
S1さんはノッチ先生に梅干しを食べさせられました。
T:はい、みなさんは前に使役形を勉強しましたね。今日は、その受身形を勉強します。使役受身です。
食べる→食べさせられる
(る→させられる)
【U-verb that end with す】
話す→話させられる
(す→させられる)
【All the other U-verbs】
書く→書かされる
読む→読まされる
(u→aされる)
【Irregular verbs】
する→させられる
くる→こさせられる
②基本練習
●変換練習(単語レベル)
T:食べる
S:食べさせられる
●変換練習(文レベル)
T:みちこさんはひろしさんに荷物を持たせます。
S:ひろしさんはみちこさんに荷物を持たされます。
T:友達は私に宿題を手伝わせました。
S:私は友達に宿題を手伝わされました。
●絵を見て使役と使役受身で答える練習
●Q&A(教科書の問題)
T:子供の時、買い物に行かされましたか。
S:はい、行かされました。/ いいえ、行かされませんでした。
③基本練習2
教科書では5問用意されているので、もっと練習させたければ、追加問題を準備しておくこと。
④短作文
「あなたは子供のとき、どんなことをさせられましたか。」をテーマに作文を書かせる。
(5) 「受身・使役・使役受身」の整理
①基本練習1:それぞれの形を確認する。
②基本練習2:正しい形を確認する
③基本練習3:誰がその行為をしたのか記入する。
単語 | 意味 |
隠す | to hide |
上司 | one's superior |
遅刻する | to be late / to come late |
(6) Vて欲しいものだ
[意味]
公的な場で要望・願望を伝える時に使う。
「〜て欲しい」よりも強い願望を表す。くだけた言い方は「〜てほしいもんだ」となる。
[英訳]
want someone to V
(Used in public situations to convey one's wishes or aspirations.)
[例文]
・夜なので 静かにして 欲しいものだ。
・もっと家事をして欲しいものだ。
・仕事も家庭も大切にして欲しいものだ。
・早く雨があがって欲しいものだ。
・子供にはいつまでも夢を持っていて欲しいものだ。
・少しでもいいから、給料をあげて欲しいものだ。
・隣の人がうるさくて勉強ができない。静かにして欲しいものだ。
①導入
T:みなさん、友達と食事をしている時、友達がずっと携帯電話を使っていたらどう思いますか。
S:嫌です。やめてほしいです。
T:嫌ですよね。一緒に食事していますから、携帯電話を使わないでほしいですよね。
S:はい。
T:本当にやめてほしいと強く思う時は、もっと良い言い方があります。
T:食事の時、携帯電話を使わないでほしいものだ。です。
T:S1さんはタバコが好きですか。
S1:いいえ、大嫌いです。
T:じゃあ、突然、隣の人がたくさんタバコを吸ったら、どう思いますか。
S1:やめてほしいです。
T:そうですね。大嫌いだから本当にやめてほしい。と思う時は?
T:私はタバコが嫌いだから?
S1:私はタバコが嫌いだから、やめてほしいもだ。
T:いいですね。
T:皆さんは日本の花火を見たことがありますか?
S:まだです。
T:とっても綺麗ですよ。私は他の国の花火も見たことがありますが、日本が一番綺麗です。
T:日本の花火はとても綺麗ですから、一度、______ものだ。
T:みなさん?
S:見てほしいものだ。
T:いいですね。
私はタバコが嫌いだから、やめてほしいもだ。
T:誰かに何かをしてほしい。本当にしてほしいと思う時、「Vてほしいものだ」を使います。
②基本練習1:変換練習
③基本練習2:「〜ものだ」の意味を確認
単語 | 意味 |
ボランティア活動 | volunteer axtivities |
いつまでも | forever |
育児休暇 | child-care leave |
寝坊する | to wake up late / to oversleep |
本文読解
1. QAの確認
本を読む前に、 まず、QAの内容を確認する。
T:じゃあ、これから「男の仕事・女の仕事」の文章を読みます。はじめに、プリントを配ります。1枚は「男の仕事・女の仕事」の文章で、もう1枚は文章の問題です。
(読み物とタスクシートを配布)
T:じゃあ、最初にタスクシートを見てください。問題は3つあります。文章の質問です。みなさんには文章を読んで、答えを考えてもらいます。
2. 本文を読む
T:最初に私が文章を読みますから、みなさんは聞いてください。そしてどんな話か考えてください。私が読んだ後、みなさんが文章を読んで答えを考えます。
(教師が文章を全て読む:範読)
T:はい、今からみなさんに文章を読んでもらいます。一人で声に出さないで読んでください。文章を読みながら答えを考えて、タスクシートに書いてください。
(わからない言葉があっても、辞書は使わないで頑張って読みましょう)
S:(個々で黙読し、質問の答えを考えて書く)
T:(机間巡視)
3. ピア活動
T:では、読めましたか?みなさん、どんな話かわかりましたか?S1さんどうですか?
S1:わかりました。
T:S2さんどうですか?
S2:あまりわかりませんでした。
T:そうですか。どんなところが難しかったですか。
S2:時間が足りなかった。単語が難しかったなど。
T:そうですか。まだ、全部できていない人もいるかもしれませんが、グループで答えを考えましょう。じゃあ、これからペアを作ります。S1さんとS2さん、S3さんとS4さん、S5さんとS6さんがペアです。
S:(席を移動する)
T:じゃあ、グループの人と一緒に、どんな話だったか話してください。その後、質問の答えを相談してください。答えが同じじゃない時は、ペアで相談して答えを考えてください。
S:(ペアで答えを検討する)
T:(机間巡視)
4. 答えの確認
T:ペアでたくさん相談しましたか。それでは、一緒に答えを確認しましょう。
Sに質問文を読ませ、答えを確認する。
後作業:リスニングや作文など
1. チェックシート
2択問題。3〜5分程度で解かせて、答え合わせをする。時間がなければ宿題にしても良い。
単語 | 意味 |
(問題が)生まれる | to happen / to occur |
2. 聴解タスクシート
CDを聞きながら、空欄の部分を記入させる。CDにはゆっくりしたスピードとナチュラルスピードが録音されているので、学習者のレベルに応じて選択すると良い。ゆっくりスピードでも生徒が聞き取れなければ、教師がもっとゆっくりしたスピードで読むと良いだろう。
3. シャドーイング
これは教科書にはないタスクだが、時間があれば実施する。
4. 作文
できる限り時間内に書かせて提出させる。
単語 | 意味 |
しかたがない | cannot be helped |
確かに | indeed |
両方 | both |
したがって | therefore |