【教案】みんなの日本語初級2:第30課

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使用教材

できるようになること (Can-do)

・事物の状態について述べることができる。
・準備など、将来のために前もってしておくことが述べられる。

学習項目(文型)
  1. 〜が〜てあります
  2. 〜は〜てあります
  3. 〜ておきます(準備)
  4. 〜ておきます(措置)
  5. 〜ておきます(放置)

学習者から出る質問例

  1. 第29課の「〜ています」と今回の「〜てあります」の違いは何ですか。
  2. 「〜が〜てあります」と「〜は〜てあります」の違いは何ですか。

文型1:〜に〜が〜てあります

メモ
・他動詞 + てある
・人が何らかの意図や目的を持って行った行為の結果としての物の現在の状態を表す。
・後半で学習する「〜ておく」の結果として「〜てある」が使える。

導入

T:(壁のポスターを指して)これはなんですか。
S:ポスターです。
T:そうですね。誰が貼りましたか?
S:A先生?
T:そうですね。A先生が貼りました。どうして貼りましたか?
S:貼った方が綺麗ですから。
T:そうですね。綺麗な写真ですね。
T:A先生はポスターを貼りました。今、ポスターはどうですか。
S:あります。
T:壁にありませね。
T:壁にポスターが貼ってあります。

T:あれ、ここにスピーカーがありますね。誰が置きましたか?
S:先生ですか。
T:そうですね。じゃあ、どうして私はスピーカーを置きましたか。
S:リスニングの勉強ですか。
T:そうですね。後で使いますから、私が置きました。じゃあ、今、スピーカーはどうですか。
S:あそこにあります。
T:あそこにありますね。スピーカーが置いてあります。

T:これは誰の本ですか。
S:先生の本です。
T:え?違いますよ。私のじゃありません。あ、名前があります・・・トム。
T:これはトムさんの本ですね。トムさんは本を買ったとき、名前を書きました。どうしてですか。
S:自分の本ですから。
T:そうですね。自分の本ですね。名前を書かなかったら、トムさんの本ですか?、キムさんの本ですか?、わかりません。だから名前を書きました。
T:今はどうですか。名前がありますか。
S:はい、ありますか。
T:そうですね。ありますね。本に名前が書いてあります。

T:(電気を指して)今、電気はどうですか?
S:ついています。
T:はい、ついています。誰がつけましたか?
S:先生?
T:はい、私です。1時間前につけました。どうして私がつけましたか。
S:授業があるから。
T:そうですね。みなさんが学校に来ますから、電気をつけました。電気がつけてあります。

板書
かべに ポスターが はってあります。
スピーカーが おいあります。

でんきが つけてあります

他動詞 + てある:ドアが開けてある。
→ somebody has done something intentionally and that state continues.

自動詞 + ている :ドアが開いています
→ continuation of a situation

「〜ている」と「〜てある」の意味の違い
「〜ている」はある行為の結果の状態をただ説明しているだけなのに対して、「〜てある」は誰かがある目的のためにある行為を行い、今その行為の結果の状態が続いているということを表す。

練習

●文作り
絵を見て、「〜てある」を使った文を作る。

●変換練習
並べます→並べてあります。
置きます
買います
消す
貼ります
つけます
予約します
閉めます
包みます

●後件作成
・壁にポスターが、(貼ってあります)。
・本に名前が、(書いてあります)。
・テーブルの上にスプーンが、(置いてあります)。
・エアコンが、(つけてあります)。

●教科書の問題(B1 / C1)


文型2:〜は〜に〜てあります

メモ
・物について、それがどういう状態でその場所にあるのかを伝える言い方。
・物を話題に取り上げるので取り立て助詞の「は」が使われる。

導入

T:教室の中には色々な物がありますね。例えば、何がありますか?
S:椅子があります。机があります。本はあります。ドアがあります。
T:そうですね。色々な物がありますね。じゃあ、、、学校のポスターはどこですか?
S:壁にあります。
T:そうですね。A先生がポスターを壁にかけました。今、ポスターはどうですか?
S:ポスターは壁にかけてあります。

板書

ポスターは かべに かけてあります。

T:みなさん、私の鞄はどこですか。
S:机の上です。
T:そうですね。教室に入ったとき、鞄を机の上に起きました。
T:鞄は今どうですか?鞄は?
S:鞄は机の上に置いてあります。

T:じゃあ、みなさん。私の鞄はどこですか。
S:机の上です。
T:そうですね。教室に入ったとき、鞄を机の上に起きました。
T:鞄は今どうですか?鞄は?
S:鞄は机の上に置いてあります。

板書
かばんは つくえの うえに おいて あります。

練習

●教室にあるものでQ&A
・時計はどこにありますか?
・在留カードはどこにありますか?
・財布はどこにありますか?
・パスポートはどこにありますか?

●教科書の問題(A2 / B2)

文型解説と例文

文型3:〜ておきます(準備)

メモ
・ある目的に必要な準備をすることを言う。
・「〜ておいてください」や「〜ておきましょう」など、既習の文型と組み合わせて使うことができる。

導入

T:皆さん、旅行が好きですか。
S:はい。
T:S1さんは、今年、どこかへいきますか。
S1:北海道へ行きます。
T:そうですか。いつ行きますか。
S1:来月行きます。
T:じゃあ、いろいろ準備しなければなりませんね。何を準備しますか。
S1:ホテルを予約します。ガイドブックを買います。チケットを買います。(板書する)
T:来月、北海道に行くから、ホテルを予約しておきます。ガイドブックを買っておきます。チケットを買っておきます。

板書
らいげつ、ほっかいどうに いくから ホテルを よやくしておきます。
ガイドブックを かっておきます。
ひこうきの チケットを かっておきます。

T:来月、北海道に行くから、行く前に準備をします。
T:北海道に行く前に、ホテルを予約します。ホテルを予約しておきます。
T:北海道に行く前に、ガイドブックを買います。ガイドブックを買っておきます。

T:おきますの前の動詞の形は何ですか。
S:て形です。
T:そうですね。
T:Vておきますは、準備です。

T:北海道に行く前に、何を準備しますか。
T:ガイドブックを書います。ホテルを予約します。これを準備します。
T:ガイドブックを買っておきます。ホテルを予約しておきます。です。

練習

●Tがキューを与えて、Sが後件を答える練習。
T:明日、試験がありますから?
S:勉強しておきます。

他の出題例
・来週、パーティーに行くから
・後で友達が家に来るから
・もうすぐJLPTがあるから
・雨が降るかもしれないから
・明日、彼とデートするから
・来週、友達の誕生日パーティーがあるから
・明後日、友田tの結婚式があるから
・もうすぐ台風が来るかもしれないから
・来週、中間試験があるから

●教科書の問題(B3 / B4 / C2)


文型4:〜ておきます(措置)

メモ
・次の使用に向けた措置を表す場合に用いられる文型。「未来のための準備」と考えると理解してもらいやすい。

導入

T:ごはんを食べたら、何をしますか?
S:皿を洗います。
T:どうしてですか?
S:また使いますから、洗います。
T:そうですね。ごはんを食べたら、洗います。また、使いますから、洗います。
T:皿を洗っておきます。

T:皿を洗ったら、何をしますか?
S:棚に戻します。
T:そうですね。また使いますから、皿を棚に戻します。皿を棚に戻しておきます。

板書

ごはんを たべたら さらを あらっておきます。

さらをあらったら たなに もどしておきます。

T:ご飯を食べたら、皿を洗っておきます。
T:皿を洗ったら、棚に戻しておきます。
T:この「おきます」はもう一度使いますから、洗います。もう一度使いますから戻しますと言う意味です。
T:未来の準備です。

T:「ておきます」の前の動詞は何形ですか?
S:て形
T:そうですね。洗います、戻します、動詞は自動詞ですか?他動詞ですか?
S:他動詞です。
T:はい、そうです。

T:家へ帰ります、家へ帰ったら、服を?
S:掛けます。
T:また使いますから?服を掛けて?
S:掛けておきます。
T:家へ帰ったら、靴を?
S:並べておきます。

練習

●Q&Aで練習
T:先生の部屋でパーティーをしました。パーティーが終わったら、どうしますか。
→答えが中々出ない場合は、絵を見せてヒントを与える。

T:みなさん、毎日勉強しますね。勉強するとき何を使いますか。
S:本、辞書、教科書、消しゴムなど
T:そうですね。じゃあ、勉強が終わったら?本?
S:勉強が終わったら、本を本棚に戻しておきます。

●教科書の問題(B5 / C3)

文型5:〜ておきます(現状維持、放置)

導入

導入例1

T:暑ですね。あ〜暑い!窓を開けましょうか。
S:え、エアコンがついていますよ。
T:あ〜、そうでしたね。エアコンがついていますから、窓を開けません。窓を閉めておきます。

T:(事前に教室の後ろのドアを開けておいて)あ〜、外がうるさいですね。
S:ドアを閉めましょうか?
T:あ、もうすぐ、A先生が見学に来ますから、ドアを閉めないでください。ドアを開けておいてください。

板書

まどを しめて おきます。

ドアを あけて おいてください。

T:窓が閉まっています。開けません。何もしません。窓を閉めておきます。
T:ドアが開いています。閉めません。何もしません。ドアを閉めておきます。です。
T:この「~おきます」は、何もしません、です。「おきます」の前は動詞の何形ですか。
S:て形です。
T:開けます。閉めますは自動詞ですか?他動詞ですか?
S:他動詞です。

導入例2

T:エアコンがついていますね。
S:はい。
T:今、暑いですから、エアコンを消しません。何もしません。エアコンをつけておきます。

T:(カバンを見せて)鞄の中に何が入ってますか?
S:本です。
T:そうですね。私は本を出しません。何もしません。鞄に本を入れておきます。

板書
エアコンを つけて おきます。
かばんに ほんを いれて おきます。

T:エアコンがついています。消しません。何もしません。エアコンをつけておきます。
T:かばんに本が入っています。出しません。何もしません。鞄に本を入れておきます。

T:この「~おきます」は、「何もしません」です。

練習

●教科書の問題(B6)

文型解説と例文

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